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10月29日午前6時、僕らは栗駒山麓の祭畤大橋の展望台から朝日に染まる祭畤(まつるべ)山を眺めていた。
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享保4年、仙台藩の佐久間洞厳によって綴られた地誌「奥羽観蹟聞老志」によれば、栗駒山に隣接して赤沢山(=満徳山)があり、その山頂に二頭の鉄駒と両翼をつけた鉄仏(天狗仏)があるが、その山の地形は平凡な形ではない。と記述されている。

本当に満徳山の山頂に鉄駒はあるのか?天狗仏はあるのか?
平泉修験は修行成就の時に満徳山の山頂にある三社権現を登拝したのだそうだ。

そして僕なりに考察を深め、ある仮説を立てた。
平泉界隈には金の鶏を埋めたと伝わる金鶏山、経典を収めたとされる経塚山などがある。金鶏・経典・天狗仏などは、あれほどに栄華を極めた奥州藤原三代が、リスクヘッジのために金銀財宝を隠した場所の目じるしかも知れない・・・?

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昨年秋、今年初夏と沢ルートで地理院地形図1168mの烏帽子山を目指したが連続敗退。3度目の正直を狙って今回は尾根ルートを選択した。初っ端の取りつきから藪こぎが始まった。
この辺はまだまだ余裕。

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藤原埋蔵金のためなら、こんな密藪の急斜面だって登るのである。

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大きなロマンを求めつつも、目の前の小さな欲望にも心が動く。

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訪れる人のいないブナ林の黄葉も綺麗だった。

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踏み跡も全くない急斜面をよじ登る。

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岩が露出し、ほぼ崖のようなところを登るY子さん。尾根ルートとは言え一筋縄では行かず、尾根歩きとは程遠い。

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稜線尾根に出ても密藪は続く。ちょっと高いところから振り返ればナベちゃんの頭が見えているけれど、その5~6mうしろにはY子さんとマロさんがいる。2~3m離れれば姿が見えない背丈を越える藪。尾根がちょっと痩せてくると灌木が行く手を阻む、うんざりする藪。ずーっとこんなカンジ。

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目的とする地理院地形図上の烏帽子山の山頂まで300mほどの所まで来たけれど、、、
300mとは言え、山頂直下の灌木の密藪急斜面を考えると時間オーバー、日暮れまでに下山するのは叶わないと思われた。

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撤退。

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終わってみれば、あそこでの撤退は正解だったと思う。

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駐車場に戻ったのが、午後3時15分。無理して山頂まで到達したとしたら、、、ヘッデン灯して背丈ほどある密藪を下山しなければならなかった。

目的の山頂に到達できなかったけれど、今回は大きな収穫があった。
平泉毛越寺修験のことを記した「書出」に「満徳山一名は烏帽子形山とも申し候・・・」とあり、また、奥羽観蹟聞老志には「其の山岳地形は凡に非ず」とある。
地理院地形図に示された烏帽子山は、この条件を満たさない。烏帽子の形をした山は「あれ」だって確信を持てるピークを見つけることができた。
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まさに烏帽子の形。

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山頂直下は切れ落ち、スラブ状の岩盤の崖で凡に非ず。
修験が好み三社権現や天狗仏を祀るのはこっちの山に違いない。

次は、あのピークを目指そう!
藤原埋蔵金がこの手に近づいて来ている。

たかだか往復5.3Kmの行程に8時間40分かかりました、、、。全行程が藪・急斜面・藪・急斜面・藪・・ずっと、、、。

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同行したマロさんのブログです。奥羽観蹟聞老志や満徳山の謂れなどの解説があります。











# by mt1500funagata | 2022-10-30 21:49 | 船形界隈探険隊 | Trackback | Comments(0)