雪と氷

明け方、目覚めた時には小雪が舞っていた。
僕の大好きな凛とした空気に触れるには絶好の朝だった。

普段の僕だったら厳冬期の山で雪と冷たい空気の中で一日を過ごすところだけれど・・・
僕を取り巻く今の環境では、自分の遊びを優先させることは出来ない。

朝の時間だけを使うことにして、森のほうへ向かった。
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いつもの嘉太神地区の道路。
この道を通る回数は、おそらく僕は世界で6番目に多いニンゲンだと思う。

山に登る時間も、雪の森を歩く時間もない。
でも、せっかくの寒い朝だ。
蒼く光る氷が見たいと思った。
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思い通り、そこには蒼く光る氷の世界があった。

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美しい。

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車を使って20分も移動すれば、こんなに美しいものと出会える場所に住んでいることが有難かった。

雪が止み、やわらかい薄日が差しこんできた。

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触れば冷たい雪だけれど、何故か暖かさを感じる。

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雪原に日が差し込み、木立が雪の上に影を落とす頃に、僕の自由な時間は終わる。

僕を待っている人のところへ向かうことにしよう。



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by mt1500funagata | 2018-01-27 22:40 | 嘉太神 | Trackback | Comments(0)

1月23日早朝、七つ森を眺めに行って来た。

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雪面から湧き上がる靄が麓の道路や人工物をうまく隠してくれていた。
凛とした早朝の空気の中で見る七つ森は厳かな気持ちにしてくれる。

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休日の一日を山で遊ぶことに使うことが出来ない現状の僕は、こうして早朝の時間を使って山に向かう。
登るばかりが山じゃあない・・・って自分に言い聞かせ、七つ森と向かい合う。

僕はこのブログでも七つ森を始めとする山岳信仰や修験道のことに時々触れているけれど、本を読んだりネットで検索したり・・・ってばかりでは知識は得られるだろうけど、「心」まで分かることは出来ないんじゃあないかな?って思っている。
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自分でやってみる、体験してみるのがいい。
厳冬の2月に滝に打たれてみたこともある。

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般若心経の元である大般若波羅蜜多経の写経をしてみた。
全600巻あるうちの一巻。僕にとっては2巻目にあたる。

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1巻あたり1万と数百字、千日回峰行を行う修験者が真言を10万回唱えるのから比べれば、全然大したことない。

でも、やってみる。
今回は、ある人のことを想い、その想いが成就するのを願い、修験の寺院に納経した。

山に登る、山で遊ぶ、登ったついでに山頂の神社や祠に手を合わせる。
もう少し、その先を知ることが出来ればいいと思っている。

登山の対象としての山とは別な目線で、山を見ること知ることも必要だなあ~って思う年齢になったってことでしょうか?



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by mt1500funagata | 2018-01-23 23:01 | 七つ森界隈 | Trackback | Comments(6)

昼からの僅かな時間のすき間を縫って、七つ森笹倉山へ向かった。
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今日は笹倉山(大森山)の黒岩の上に立つつもりでやって来た。
この写真を撮った場所までは家から車で8分。
時間のすき間を縫ってって程度で来られる身近な山なのである。

麓の伊達山林道の途中から黒岩目指して歩き始める。
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1月のくせに小春日のような天候。特にここは南斜面なので雪もなく、受ける日差しが暖かく感じられる。

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10分も歩けば黒岩の基部に行きあたり、岩っぽい斜面を簡単に登れそうにみえたけれど・・・

写真では伝わりにくいけど、登るとすればかなり危険なところだ。
昨年1月に、ここ黒岩ルートを登った時は、向かって右側にトラバースし黒岩の右側(東側)を登って国見崎へとたどり着いた。
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今日は、左にトラバースして黒岩の左側(西側)の尾根状になっている斜面を登って黒岩の上に腰掛けるってことを考えていた。
最初に結果を言えば、無理!無理!一人で行けるようなところじゃなかった。

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笹倉山の岩場って麓から見れば一枚のように見えるけれど、実際に現地に行ってみると下からは木立に隠れて見えない一段目の岩場がある。
易しそうなところに目を付けて手をかけてみたけれど、下で確保してくれる人がいなければ行き詰った時にどうしようもなくなりそうだった。
一段目も巻いて、上部の岩場の下へ。

今日はこのまま真っすぐ、岩場の下を西に向かってトラバースした。


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振り返るとこんな感じ。


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下を見ればこんな感じ。ゴロゴロした岩とすき間のぬかるんだ土の上に落ち葉が積もり、滑ったら止まれそうにない。

こんな急な斜面をスタスタと歩くカモシカがいる。
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カモシカの踏み跡を利用させていただいた。

カモシカが横に逸れた後の直登も…急!
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浮石でないのを確かめ、手の力も借りて上を目指す。
実はこの少し前に浮石に手をかけてしまい、危ない思いをした。
足場を固め次に手掛かりになる岩や木立を確認したうえで、次の一歩を踏み出すようなきわどい登りが続いた。

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ふう~、やっと一息付けるような尾根状のところまで登って来た。
腰を下ろして一休み。

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こうして取りついた尾根だけれど、登る人はほとんどいないだろうと思う。
「黒岩尾根」って名付けていいっすか?
距離はちょっとしかないし、この記事みてここに来る人も多分稀だと思う。
「笹倉山 黒岩尾根」でいいっしょ?

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野ウサギの足跡をたどって登るヤセ尾根も上のほうは雪が残っている。

この辺から東に向かってトラバースして行けば黒岩の上部に行き当たると思って、すこし歩を進めてみた。
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止めといたほうがいいね!

黒岩の上に立ったら、そのまま降りるつもりで今回もロープやら下降器やら装備してきたけど無理みたい。
来たルートをそのまま下山するのも危なすぎる。
山頂経由で下山するしか選択の余地はなかった。

仕方なく国見崎を目指して、これまた急な斜面を登ると藪が濃くなり、人の声が聞こえて来た。
「おーい!人だよー!ケモノじゃないよー!」って声をあげながら、国見崎の突端から顔を出した。

東屋には二人のかたが居られて、予想外の方向から現れた僕に期待通りのリアクションをプレゼントしてくれた。
得意になって話したかったんですよー!ここ登ってきたんですよー!って。

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一人の方にシャッター押してもらい、もう一人の方とは少しおしゃべりをした。
青葉区のSさーん!見てくれてますかー?

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山頂にあるお堂の名称は「大森薬師堂」。藩政時代に書かれた「七疑峰(七つ森)」の記述は「巨魁峯(ヲオモリ)」。
いつから笹倉山と呼ばれるようになったのだろう?
麓に生まれた歌人の原阿佐緒は、大正10年に「笹倉の秀峰(ほつね)・・・」と詠んでいる。
という事は、「笹倉山」の呼称が定着したのは、江戸末期~明治の間ということなのだろう?

大森薬師堂の薬師様に願掛けをした。
手を合わせ、ある人のことを想う。
今日は、そのためにここへ来たんだ。

でも、ちょっとだけ自分も楽しませてもらうことにして、黒岩尾根ルートの開拓をしてみた。

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泉・北泉を見ながら西斜面を直線的に伊達山林道へと下山した。

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一般ルートの真裏にあたる南斜面。
普通に登れるようなルートを見つけ、黒岩の上部に腰掛けられるようになるまで、あと何回かは来なくちゃいけないだろうなあ。

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by mt1500funagata | 2018-01-07 22:03 | 七つ森界隈 | Trackback | Comments(4)

日の出とほぼ同時に七つ森へ向かった。
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七つ森の古代岩クラ信仰のご神体に願掛けに行くのだ。

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地元の人々にとって七つ森は中世以前から信仰の対象だったであろうことは容易に想像がつくし、僕にとっても毎朝毎夕仰ぎ見ている心の依代なのである。

七薬師以前の自然信仰の源流。
某倉山の岩場を目指した。

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その場所へ行くために装備は万全を期した。
気軽に行ける里山ではあるけれど、七つ森の急斜面には苦労させられる。
今日はさらに厳しいところへ向かうのだ。

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ツボ足でずんずん歩ける程よい感じの積雪。

しばらく登山道を歩き
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ある地点から道を逸れる。
ちょうど一年前に探険した時は、いったん山頂に登ってから下降しトラバースして岩クラ下部に行き着いたけれど、今日は岩クラの上部に直接回り込むつもりだった。

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山腹を巻くように上を目指してゆくと、だんだん岩っぽくなってくる。

七つ森の登山道って急なほうだと思うけれど、こうして登山道以外のところを登っていると、やっぱり登山道は登るのに楽なところに付いてるんだなあって思う。

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足下、結構な急斜面。木立に掴まりながら見当をつけた岩クラの上部を目指す。

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あちゃー!ちょっと急斜面過ぎて、トラバースも危険を感じるほどになってしまった。
ダメだ!行けない!

直接岩クラの上部に立つのは諦めざるを得ない。
下るのも相当困難な場所まで来てしまった。
でも、そのために道具一式を担いで来たんだ。懸垂で降りることに決めた。

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50mロープをセットして懸垂下降の体勢に入る合間に、我が家のある大和町吉岡の町並みが望めた。
という事は、ここの岩クラも見えている筈なのだけれど、里から双眼鏡で覗いてもここの場所ははっきりしない。不思議な場所なのである。

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懸垂下降1ピッチ目。(2ピッチ目だったかな~?)

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いかにも僕は山ヤでっせー的な写真を撮って自己満足する。

何を求めて山へ向かうのか?
山に入って何を想うのか?
僕も一般の登山者であったり登山客として山に登ることも多い。
僕は山ヤと言えるほどのものではないけれど、今日の僕は、登山客でもなければ里山をハイキングするハイカーではなかったと思っている。

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お手軽で程よく登った感のある七つ森でも、場所を選べばこんな痺れるような斜面と触れ合うことが出来るのだ。

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50mロープを目いっぱい使った懸垂下降を結局4ピッチ。

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合計100m近くを懸垂下降で下りたことになる。

地に足がついたところで、今度は岩クラの下部へとトラバースして行く。
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結局、今日は岩クラの上に立つことは出来なかった。

この岩場が岩クラ信仰のご神体だったのかは分からない。
麓の石神山精神社の吉田宮司に尋ねても、言葉をはぐらかされ答えは聞けなかった。

でも良いのだ。裏付けなんて必要ない。
僕がそう思って、僕の心の中にあればそれでいい。

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僕にとっての依代である岩に五体投地して、ある人のことを想う。
今日はその為に、ここへ来たんだ。

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岩場を後にして、50分後には家に着いた。
僕にとって七つ森は、本当に身近にある「ふるさとの山」なのである。

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by mt1500funagata | 2018-01-04 19:05 | 七つ森界隈 | Trackback | Comments(6)

明けましておめでとうございます

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平成30年の初日の出を七つ森の麓で迎えた。

初日の出だからって特別に早起きした訳ではなく、この時間にこの辺にいることは僕にとっては日常のこと。

いつもの嘉太神地区へとむかった。

毎日のようにその場所に行ってみれば、昨日との違いとか一か月前との違いとか、時たま訪れて目にするものとは違うことが見えてくる。

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ランドマークを往復するキツネの足跡を見つけた。
昨日の朝はなかった。という事は、このランドマークへキツネがやって来たのは、昨日の午後から今日の未明までの間のこと。こうして目にする足跡のある風景に時間を想像することが出来る。
かの宮沢賢治は「幻想四次元」と表現したけれど、目にした風景に時間という奥行きが加わり、さらにそこでの出来事を想像することで、いつも眺めている何気ない風景も僕にとっての「幻想四次元空間」に変わる。

いつも同じような地域ばっかりで、綺麗な写真を載せたり詳細なレポートを書くことは出来ないけれど、今年も奥行きや想いを書き綴ることが続けて行けたらよいと思っています。

ご訪問してくださった皆様とご家族のご健康とご多幸を心より祈念いたします。

本年もどうぞ宜しくお願いします。

平成30年 元旦



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by mt1500funagata | 2018-01-01 11:59 | 嘉太神 | Trackback | Comments(0)