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カテゴリ:船形山界隈( 85 )

アラスカの動物学の古典 ”Animals of the North”(極北の動物誌)
「それは生物学の本というより、アラスカの自然を物語のように書き上げた名作である」(星野道夫)
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第一章「旅をする木」
それは早春のある日、一羽のイスカがトウヒの木に止まりこの鳥がついばみながら落としてしまうある幸運なトウヒの種子の物語。さまざまな偶然をへて川沿いの森に根付いたトウヒの種子は、いつしか一本の大木に成長する。長い歳月の中で、川の浸食は少しずつ森を削ってゆき、やがてその木が川岸に立つ時代がやって来る。ある春の雪解けの洪水にさらわれたトウヒの大木は、ユーコン川を旅し、ついにはベーリング海へと運ばれてゆく。そして北極海流はアラスカ内陸部で生まれたトウヒの木を遠い北のツンドラ地帯の海岸へとたどり着かせるのである。打ち上げられた流木は木のないツンドラの世界でひとつのランドマークとなり、一匹のキツネがテリトリーの匂いをつける場所となった。冬のある日、キツネの足跡を追っていた一人のエスキモーはそこにワナを仕掛けるのだ・・・一本のトウヒの木の果てしない旅は、原野の家の薪ストーブの中で終わるのだが、燃え尽きた大気の中から生まれ変わったトウヒの新たなた旅も始まってゆく・・・。

僕は今まで、この物語を何度読み返したことだろう。
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船形山登山道、大滝キャンプ場~三光の宮間の保野川渡渉点に流れ着いたブナの大木。昨年9月の大雨でここの上流30mほどのところへ流れ着いていたのを記憶している。今年の台風10号の影響なのか?さらに下流の渡渉点へと移動した。
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僕はこの大木に「旅をする木」を連想した。
何百年か前に発芽したブナの実は、さまざまな幸運に恵まれ森の中で大木に育ち、やがて倒れる日を迎えた。倒木となったブナは何年かごとの大水で保野川下流へと旅をする木となる。気の遠くなる時間を経ていつかは色麻大滝を下るのだろうか?
いつかは腐食し分解されて更に川を下り、太平洋へ流れ込む自然の有機肥料となって仙台湾の海産物を育む栄養となる日は必ずやって来るのだ。

渡渉点に流れ着いたブナの倒木に悠久の時間の流れと壮大なロマンを想像する。

今日は10月2日に行われる「船形山のブナを守る会」の薪荷揚げ山行の下見と升沢小屋の月一メンテの為に船形山へとやって来た。
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渡渉しやすいように、ちょいと寄せて来た。
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誰ひとりとも会わない静かな雨の登山道。
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升沢小屋の周辺は秋の気配。ナナカマドの色づきが始まった。
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升沢小屋のバイオトイレの浄化槽はこんなんです。
タンクの中にオガクズが入っていて、トイレ個室にあるハンドルを回転させることでチェーンで連結されたタンクに中のスクリューが回転してオガクズが攪拌され排泄物が分解されるって訳。
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当然のことながら排泄物やトイレットペーパー以外は分解されないので、それらを取り除いたり、水分が多くなると分解力が低下するので水分を取り除いてさらさらなオガクズを注ぎ足ししたりする。
だから、トイレットペーパー以外のモノ(女性用のナプキンなど)を捨てられると非常に困るし、男性の方には(小)のほうはトイレを使用しないようにお願いしたりするのですね。

こんな雨の日は小屋で暖かいカレーうどんを食って、ゆっくりするに限る。
メシにしようと思ったら・・・・
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ガスカートリッジを忘れた・・・!
蚊取り線香ではお湯を沸かすことすらできなかった。

先週の土曜日には南面白山の山頂で、
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豪勢なイノシシ鍋を食べていたけれど、雨の升沢小屋での食事は・・・
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キュウリをかじることしか出来なかった。
「悲しい食事」でした。

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船形山のブナを守る会では、10月2日(日)に船形山山頂避難小屋の薪ストーブの燃料となる薪の荷揚げを行います。
それぞれの体力に応じて無理のない量を担ぎ上げてもらいます。
毎年恒例となっている、この企画に参加してみたいと思われる方は、お名前・年齢・大まかなお住まいを記載の上、僕宛へメールでご連絡下さい。
mt1500funagataアットマークyahoo.co.jp(迷惑メール対策で@をカタカナ表記)
当日予定の詳細をご案内します。
昨年の薪荷揚げの記事:http://bunatayori.exblog.jp/24767653/

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by mt1500funagata | 2016-09-22 20:15 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(0)

連日暑い日が続いていますね。
皆様、体調にお変わりございませんでしょうか?
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よりによって特に暑い日、しかも昼過ぎの暑さが一番の時間帯に、しかもエアコンの効かないジムニーに乗って船形山まで行ってきました。
とにかく暑かったっす!

歩き出しのブナの森は風も無く、とても静かで暑かった。
えっ?静か?そう、鳥の声も聞こえない。
暑い時って鳥は鳴かないんですか?
まあ、僕も鳥だったらこんな日は頑張って鳴く気にならないだろうけどね。

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升沢小屋の前のトリカブトが咲き始めると、もう夏も終わるんだなあって感じる。
暑い夏の日ではあるけれど、この場所のこの花を見ると少し寂しい気持ちになるのは毎年のこと。

稜線ではアマツバメが飛んでいた。
僕の顔の1mくらい脇をかすめ飛んでいく奴もいる。
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シャッシャーシャー!って風切音が目の前を横切る。
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僕はアマツバメを見るのが好きだ。なんてったってカッコイイ!
昔観た映画のトップガンを思い出すのだ。

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山頂のお花畑も夏の終わりを告げていた。



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by mt1500funagata | 2016-08-21 21:52 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(2)

船形連峰升沢避難小屋へ。
今日はトイレットペーパーの荷揚げです。
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道すがら実をつけたタケシマランや
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ツキノワグマが引っかいたマツの幹を眺めながら升沢小屋へ向った。
ツキノワグマにとって松ヤニはネコにマタタビみたいなもので、臭いが好きならしいんですね。
ガッと引っかいて鼻を近づけ匂いを嗅いで、背中をすりすりして根本にゴロンとひっくり返ったりする。ツキノワグマの研究をしている方から七つ森の奥の方で撮影された動画を見せていただいたことがあるけれど、その姿はとーってもユーモラスだった。
登山道のすぐ脇で、ツキノワグマがこんなことしてる。
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升沢小屋の手前、ササがうるさかった道も僕とKさん3回の手入れで大分明るくなった。
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升沢小屋の周りに、でっかいツキノワグマの糞。
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相当大きなクマのようだ。周辺のササを貪り食っているのだろう。
小屋の前で3つ見つけた。小屋の階段下で寝てたんじゃね?って形跡も見られた。
升沢小屋に近づくときは、大きな声で「コンニチハー!」って声かけてやってくださいね。こんなこと書くと「升沢小屋怖ーい!」って声が聞こえてきそうですけど、ツキノワグマは船形周辺は何処にでもいますから。

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山頂には尾花沢から登山道整備のため大勢の人がやって来ていた。
今晩小屋に泊まり、刈り払いしながらクラビコースを下るのだそうだ。

当日中に下山する県と市の職員を先導して、
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夏のブナを眺め、
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夏のキノコを採りながら下山した。



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by mt1500funagata | 2016-07-18 22:35 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(4)

小雨降る朝、船形山へと向った。
でも今日は山頂へは行かない、升沢避難小屋まで。

時間に余裕がある訳で、行きがけにモリアオガエルに会いに行った。
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今の季節、雨が降れば面白いものを見ることが出来る。
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沼の水辺の樹上、モリアオガエルの泡状の卵隗からオタマジャクシが沼へと向う。
卵隗の下の水中にはアカハライモリが落ちてくるオタマジャクシを狙って待ち構えている。弱肉強食ってアフリカのサバンナだけの話ではないのだ。
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沼の周りは卵隗がオーナメントみたいに沢山あって、「カタカタカタ・・・・」とモリアオガエルの大合唱が響き渡る。
ここはモリアオガエルの森。

さて、次はブナの森へと向いましょう。

その前に!
旗坂から大滝キャンプ場へ向う「小荒沢林道」ですけど、この林道については僕に問い合わせのメールをくれる方もいるし、ブログ等で取り上げている方も多い。
そして、その中には整備されていないヒドイ悪路なんて表現をされているのも散見されますが・・・
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そもそも、小荒沢林道の入り口には↑↑↑こんな看板が設置されています。
本来は一般通行禁止、そこを開放して使わせてもらっているだけなのです。
だから(宮城県北部森林管理署の話によると)一般車向けの道路整備はしていないし崖崩れ防止の対策も万全を期したものではない。
大滝キャンプ場への道しるべが無いのも当たり前、だって本来一般通行禁止なのですから。大滝キャンプ場へのアプローチは色麻町の保野川林道が兼用林道として正規ルートなのです。(現在は保野川林道通行止め)
使わせてもらえるだけ感謝しましょう。

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大滝キャンプ場から三光の宮そして升沢小屋へと最短ルートをストックの代わりに草刈鎌を持ち、4時間かけて歩いた。まあ、今日は自分の楽しみのための山歩きではない。

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瓶石沢の瓶はちょうど水がたまり、汗を流すのにちょうど良かった。

升沢小屋へは管理人として巡視とメンテが目的です。
ここで!このブログ記事をよんで下さっている方(特に男性)に協力のお願い!
升沢小屋のトイレがオガクズを利用したバイオトイレであることはご存知の方も多いと思いますが、水分が多すぎると上手く機能しないんですね。
そこで、男性の方(小)の場合は、小屋のトイレまで我慢しないでそこいらへんで・・・・。

前回歩いたときに五枚葉のツクバネソウを見つけた近くで、今日は二株並んだ五枚葉のツクバネソウを見つけた。
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これって珍しいんですか?四葉のクローバーみたいに幸運が運ばれてくるんだろうか?

下山して温泉寄って、帰り道は暗い道。
蛍の様子を見に行った。
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飛んでた。分るかなあ~?けっこう沢山飛んでるんですけどね。
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南川ダムの周辺で車に乗ったままでも結構飛んでいるのが見えます。
梅雨時の夕方、蛍を探しに七つ森の奥のほうにドライブに行ってみたらいかがですか?
■蛍を見つけて停車する際は速やかにライトを消してエンジンも停止してくださいね。

道路の脇の草むらからテンやキツネも顔を出すかも知れませんよ!



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by mt1500funagata | 2016-06-25 23:37 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(0)

蔵王大権現船峠山ノ頂上ニ丈余ノ大石アリ即チ山ノ北端ニ當ル
之ヲ蔵王山大権現ト為ス 小彦名命ヲ奉祀セシナリ
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明治39年に綴られ昭和11年に書き写された資料。
この文書に由れば船形山の北端つまり薬師森の頂上に3m余りの大石があって、そこに蔵王権現が祀られている・・・と言うこと。

さて?知ってる人いるんでしょうか?
薬師森には僕も行ったことがあるし、他にも行ったことのある人は多い。
でも、みんな積雪期のこと。石があるかなんて分りゃしない。

となれば、雪のない時期に3mの大石があるのかを探しに行ってみたくなる。
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13番のマンサクがこんな感じで青空に映えるのは例年5月の末のこと。
例年より異常に残雪が少ない升沢コースを山頂に向った。
でも今日の山頂はゴールじゃなくてスタート地点になるのだ。

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山頂を越えて御来光岩から薬師森を望む。
直線距離で530~540mくらい。
相当なヤブ漕ぎになるであろうことは覚悟してきた。

しかし!ヤブ漕ぎは僕の覚悟を遥かに上回った。
ハイマツとミネザクラの密ヤブは地に足が着かない、もみくちゃにされながら枝の上を泳ぐようなヤブ漕ぎ。
1時間頑張ったけれど半分も進んでいない。帰りの時間を考えれば断念するしかない。
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戻るにしても同じヤブ漕ぎをして帰らなければならない。
別な方法を求めて東側の急斜面の上に出てみれば、かなり厳しい斜面であるけれど残雪をつないで歩けそうだった。
取りあえず下のほうに向って薬師森を見上げたら、山頂直下まで登れそうな雪渓がある。
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ブロック雪崩のデブリを横切り、上部に見える真ん中の雪渓に狙いをつけた。

すると、下からは見えていなかったけれど、雪渓を慎重に詰め登ったところに大石が鎮座していた。
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幅3mを少し超えるくらい。
もしかして?これ?
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石の上に立ってみると鏡ケ池が良く見える。
何か祀られていた痕跡がないか周囲を探してみたけれど見つからなかった。
頂上ではないけれど、ここから頂上まではほんの10mくらいだった。
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僕の前にこの三角点が人の目に触れたのはいつのことなのだろう?
猛烈なヤブをかき分けて、周辺に大石を探してみたけれど見つけることは出来なかった。と言うか無かったと思う。
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これ↑なんて読むんですか?□の中に四面?つまり三角錐のこと?
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薬師森山頂からの船形山
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急斜面を笹や立ち木を鷲掴みしながら鏡ケ池を目指して強引に下った。
急ではあったけどロープを出すまでの必要はなかった。
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とりあえず、鏡ケ池。
後の行程をどうしようかと迷ったけれど、安全策で船形山頂に登り返して升沢コースを下山することにした。
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色麻・小野田分岐点。夏道は完全に雪に覆われていた。
薄い雪がかぶさっていやらしくなっている色麻コースの沢を詰めて、今日二度目の御来光岩、そして山頂を経由して升沢コースを下山した。
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山頂ではなかったけれど、確かに3m余りの大石はあった。
それが冒頭の蔵王権現を祀った石なのか?確かめることは出来ない。

でも、僕の気持ちの中ではひとつの納得感というか現地を確かめてきたのだという満足感を感じながらの下山の道だった。

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今日のおさらいです。
行きがけに撮った写真で今日の行程を振り返ってみましょう。
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二度と歩きたくないルートです。
誘われても行かないよー!


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by mt1500funagata | 2016-05-08 23:52 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(6)

GWの4月30日、後白鬚山へ向った
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目的は登山じゃない。
ブナの森でブナに抱かれて眠ること。
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今年は残雪が少なく春の花が咲く時期も2週間くらい早いので、今年の春は例年より早くやって来ていると感じていた。
ところが、ブナの春は例年通りっていうか例年より遅れているようだ。
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僕らは後白鬚のこの尾根道を歩きたくて昨年に続けてやって来たのだ。
昨年よりこの尾根の残雪は2m近く少ない。
ブナにもは早く春が訪れているのかと思いきや・・・
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この写真は昨年の5月2日。残雪の量は遥かに多いけれど梢は萌え始めていた。
このまん中のブナと同じブナが上の写真にも写っているので、こうして比べてみると違いが良くわかる。
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テン場でお昼を食べて散歩の感覚で山頂を目指したのだけれど、山頂200m手前で残雪は途切れ猛烈な藪が行く手を阻み途中で引き返して来た。
って言うか、山頂に立つことにこだわるのは誰もいなかった。
だって、このブナの森と触れ合うことが、ここにやって来た目的だったから。
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下空沢の源頭部近くの雪庇の脇にテントを張った。

夜、酒呑みの途中でテントの外に出てみれば、風もない真っ暗なブナの森のすき間の向こうに仙台市内の街明りが揺らいでいた。
この周り数キロにはほかの人はいない。でも「ほかのクマは居るね」なんて会話をした。
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2日目(5月1日)、未明から雨。
芽吹き前のブナ林は霧に包まれて、いっそう静けさを増していた。
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「ほかのクマ」は居ました。
僕らのテントの脇の雪庇の上に、ツキノワグマの足跡が残されていた。
昨夜の足跡だ。
僕らが宴会してる時?寝静まった時?ツキノワグマはすぐ近くに居た。
雪庇の上で立ち止まり、
僕らの宴会の焼肉の匂いを嗅いで「うまそーだなあー」って思ったかもしれない。
僕らの声を聞いて「なにやってんだー」って小首をかしげていたかもしれない。

雨に当たって写真では古いように見えるけど、近くについている僕らの足跡と比較しても新しい。もっとも足跡がいつのものかが分らないほどのシロウトじゃあない。足跡は尾根をずっと 下って行き、西側の藪の中へと続いていた。
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霧の中ツキノワグマの足跡を追うように、僕らも雪庇の上の散歩に出かけた。
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モノクロームな山歩きは数週間ぶり。
今年の最後になるかもしれない雪の尾根を歩く足音と感触は、名残惜しく僕の記憶に吸収されて行った。
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下山口近くでは杉林が濡れた新緑を浮かびあがらせ引き立てていた。
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帰りに立ち寄った温泉では窓いっぱいに満開の鬱金桜(ウコンザクラ)が浴室を引き立てていた。

帰り道、解散間際の車のなかではいつも言葉少なになる。


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by mt1500funagata | 2016-05-01 23:29 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(0)

今日の船形山は綺麗だった。
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昨夜降った雪がさらりと積もり、青空とのコントラストは息を飲むような美しさだった。

3月に船形山山頂へ行くのは久しぶり。
天気も良いので、登山ルートは湯谷地尾根ダイレクトルートを選んだ。
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旗坂キャンプ場の登山口から升沢コースを登り始め、標識20番から一般ルートをはずれ小荒沢源頭のブナ平を目指す。
精霊の宿るブナ、「黒森」と「花染」に今年も会うことが出来た。
初めて訪れたとき、この二本のブナがこのブナ林を守っている、このブナには感情と精神,そして記憶があるのだと僕は感じた。
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ブナ平で一番太いブナ、威風堂々って立ち姿。

ブナ平を後に花染山の稜線を越え雪に埋まった保野川を渡り、湯谷地尾根に取り付く。
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もちろん道はない。登れるのは積雪期だけ。あと少しすれば保野川の雪どけが進み両岸の雪のブロックが崩落し水量は増して渡ることは出来なくなる。
積雪量が例年より相当少ない今年は、この尾根を登れるのは来週くらいまでかも知れない。
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右手に湯谷地と前船形山を眺めながら順調に高度を上げてゆけば、
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左手の下方に升沢小屋がこんな風に見えてくる。
そして、最後の急登を登り切れば・・・
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真っ正面に船形山山頂。
湯谷地からここまで尾根通しに一本道、さらにここから山頂までも一直線。
だから、湯谷地尾根ダイレクトルート。
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山頂直下の雪原。
美しい景色なのだけれど、僕の見た美しさと同じように伝えることは出来ない。
僕の記憶の中にある景色の美しさに勝ることは出来ない。
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雪原を上を指し真っ直ぐ登って来れば山頂。
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山頂の小屋も砂糖をまぶしたお菓子の家みたい。

僕らの登山のゴールは山頂到達ではない。山頂で美味いものを食べること。
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今日の山頂小屋でのお昼は「トンポーロー茶漬け」今日も☆三っつ!

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積雪期の山。

登山道に捕らわれず、今日のように好きなところを自由に歩ける。
その自由度と開放感がたまらない!




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by mt1500funagata | 2016-03-12 23:18 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(13)

今日は啓蟄。
あーぁ、、、厳冬期も終わるよわ、、、
春は待ち遠しい季節ではあったけれど、厳冬期が終わるのはちょっと寂しい。
雪と戯れ遊ぶ季節・・・終わるんだよわ、、、

そんな訳で、寒さと雪を求めて奥羽山脈脊梁へと向かった。
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寒風山。古地図にはカンカセ山と記載されていて、
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近くには「ナツノコナイ山」と呼ばれていた山もある。(ナツノコナイ山ってどこを指すのかご存知の方コメントお願いします)

厳冬期の終わりかけの雰囲気を求めていたけれど・・・
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春山だよわ!
今日は啓蟄ってだけあって、これじゃあ虫も土から出たくなるのも分る。

ワカンも要らないスノーシューは役に立たない。全行程をアイゼンで通した。
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寒風山は積雪期に登る山だと思う。それも天気の良い今日のような日なら最高だろう。

だって!
張り出した雪庇の弱点を探して尾根に取り付けば・・・
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こんな雪堤の尾根がずっと続くんですよ。
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距離約2.8km標高差400m弱、こんな白い廊下を登り続ける。
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山頂手前でアオノ背を振り返ると、こんなですよ!
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毎朝のように眺めている船形連峰の反対側の顔。
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船形山頂の小屋もはっきり見えていた。

寒風山山頂は気温も高く風もない。
久しぶりに山のパスタ屋「びゅうFunagata亭」がオープンした。
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船形本山をバックに調理。
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2色パスタ「カンカセーナ」の出来上がり。
二人前で950円。☆三っつ!

最後はタイトルのMy best ヤッホー!
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下山途中、一番のビューポイントでヤッホー。

今までで一番のヤッホーだった。
戸立沢を渡って後白髪山を駆け登り、長倉尾根を縦走し本山から観音寺コースを駆け降りて僕のところへ戻ってきた。

僕のヤッホーは全速力で船形連峰を周回した。
寒風山で My best ヤッホー!

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My best ヤッホー動画です。
さすがにこだまの声は拾いきれてないですけどね。



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by mt1500funagata | 2016-03-05 22:59 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(2)

毎年この時期恒例となった僕らの新年会。
旗坂キャンプ場付近をベースにして周辺のディープな場所を選んで企画している。

今年は・・・
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升沢遊歩道の割山断崖の上を縦走してみた。

ここ一週間の降雪で升沢遊歩道あたりも新雪ラッセルを楽しめる程度の積雪量になった。
最初の目的地は、
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冬でも凍らない沼「湯沼」。
古い升沢遊歩道の案内には掲載されているけれど、今は遊歩道のルートが変わり訪れる人はめったにいない。雪面に大きな穴が開いたような湯沼は周辺の雪景色を黒い鏡のように水面に映していた。
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割山断崖の下部に当たる湯沼付近から断崖に取り付いたのだけれど、最初から急登のラッセルを強いられた。
断崖の上部は予想通りのヤセ尾根で、しかも崩れやすい新雪の雪庇尾根。
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最もヤセた箇所ではロープを張ってルート工作を要した。
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割山断崖上部から下を眺めてみた。中央を横切っているのが割山沢。
この沢に沿って遊歩道が付いていてこの写真でみる中心部あたりに割山断崖の案内板があるはず。
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ヤセ尾根と急登が交互に連続する。
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新雪の雪庇にはクラックが入り、足取りは慎重を極めた。
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一昨年に登った二つピークのひとつ。雪の付き方が不安定でこのピークから次のピークまでを尾根伝いに繋ぎ歩くことは出来なかった。
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ここまで来れば後は経験のあるルートになる。
割山大滝下部に直接下りて、ショートカットルートでほぼ一直線に今日の遊歩道入り口である五宝橋を目指した。

ベースキャンプに戻ったら、あとは飲んで喰っての新年会。
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僕らの新年会のモットーは山で街中で食べるものより美味しいものを喰う。
これは街中では食べられないもの。
昨年の秋には七つ森辺りでブヒブヒ言っていたイノシシも、年が明ければ僕らの美味しい夕食になる。
解凍しスライスしてニンニク・ショウガ・赤ワインに二晩漬け込めばケモノ臭さはなくなりサッパリした味になった。
付け合せのクレソンは来る途中の朝摘み。美味しいに決まってるよね!
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牡蠣の酒蒸しやら
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お好み焼きなんかを腹いっぱい食べて、酒呑みながらしょーもない話で船形山山麓の冬の夜を満喫した。

今年の宿泊参加者は7名。
2日目は船形山神社へ参拝をしに行った。
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表参道は急斜面についた新雪で登るのに大変な苦労をし、下りは部分的にロープを使った。

ベースに戻り昼食の釜揚げうどんを食べる頃には、二日間の楽しい感想を語り合いながらも寂しい気分になってくる。
後片付けをしながらの全員一致した意見、
「明日からは仕事だよわ。会社行きたくねえね。」

ずっとこうして遊んでいたいよねえ?



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by mt1500funagata | 2016-01-24 22:02 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(4)

山と雪の声が聞きたくて・・・

2015年の最後の朝を船形山の山中で迎えたかった。
山頂ではない。山頂にいたら朝の船形山を眺めることが出来ないから。
と言う訳で、升沢小屋に泊まるべく冬山宿泊装備一式を担いで船形山へと向かった。
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出発時間が遅かったので、三光の宮までは先行者10人と2匹によって、まるで整地されているような立派なトレースが出来上がっていた。
今年は積雪量が例年より遥かに少ないのだけれど、三光の宮から升沢小屋までの間は一人ラッセルに苦労した。
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瓶石沢も渡れるところは一本橋のようになっていて、崩れやしないかとすこし緊張した。
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無積雪期なら1時間もかからない行程に2時間40分を要し16時に升沢小屋に到着。少ない積雪で簡単に扉は開くことができた。
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天井が高く寒い升沢小屋で冬の夜を快適に過ごすための重要アイテム。今回は快適性を高める為にテントを背負って来た。

外は重い曇天、17時を過ぎた頃には真っ暗闇になった。
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風はなくほとんど音のない一人の時間をバーボン飲みながら小屋ノートと星野道夫の本を読んで過ごす。

深夜、寒さで目を覚ましたら小屋の窓から僅かな明りが入って来ていた。
外に出てみれば月明かりに雪面とブナ林が妖しく浮かび上がっていた。
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月の明かりに雪の結晶が輝いている。こんな夜はノウサギたちが雪面を駆け回っているのだろうけど、その音は全く聞こえない。
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鐘の向こうにオリオン座。
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反対側のブナの向こうには北斗七星(おおぐま座)が浮かんでいた。

凍り付いて開きにくくなっていた窓を開けてみれば
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オリオン座のとなりに牡牛座。
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すばる、ベルセウス座、カシオペヤ座も見ることが出来た。
深夜に起こしてくれた寒気のおかげで、一人で過ごす冬の山小屋の夜はとっても素敵な夜になった。

大晦日の早朝、蛇ケ岳へ向かった。
昨日は全くなかったノウサギの足跡がいたるところにある。やっぱりウサギは月見て跳ねるんだね。
船形連峰のモルゲンロートの中にひとつの点として僕の存在を感じたかったのだけれど、東の空は雲に覆われていて僕の想いは叶えることはできなかった。
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風も音も色もない。まるで別な星に来たみたいな感覚で歩き、途中何度も何度も船形山を振り返りながら蛇ケ岳へ向かう。
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少し日が高くなってきた頃、僅かな雲の切れ間から陽が差し込み薬師森の雪壁が白く輝き山頂にも薄日が射した。
朝日に輝く船形山を見ることは出来なかったけれど、神々しい船形連峰の姿は心に感じるものがあった。

そしてほんの僅かな時間だけ僕のところにも雲のすき間から陽が差し込んで来た。
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この日この時、船形連峰の稜線を眺めていたあなたは陽の当たる蛇ケ岳の近くに点となっていた僕の存在を感じてくれただろうか。

♪ 雪の声よ 風の声よ 空の声よ 太陽の声よ
    川の声よ 山の声よ 僕の声を 乗せて行け  ♪

2016年、皆様にとって良い一年であることを願っています。



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by mt1500funagata | 2016-01-01 10:15 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(3)