11月3日は晴れの得意日。
栃木県まで観光登山に行って来た。
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登って来たのは那須連峰。以前、那須湯本から朝日岳~三本槍~大峠~三斗小屋温泉をぐるっと回ったことがあったので、今回は沼っ原から三斗小屋宿跡を通って三斗小屋温泉に泊まり、茶臼岳から南月山~白笹山を回るコースを取った。

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いつもの船形山あたりのブナの森を歩く山登ではなく、荒涼とした岩山を歩くことも目的のひとつではあったし、中心の隠居倉から眺めた、雲海の彼方に浮かぶ雪をまとった飯豊連峰や尾瀬の山並みに目を見張ったけれど、一番の目的は別な所にあった。

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茶臼岳へ向かう道では、すれ違う人に「こんちわーっす」ではなく「こんちゃうーっす」と声を掛け続けた。ほとんどの人は「こんにちは」と返してくれたけど、根気よく「こんちゃうーっす」と言い続けたら何十人目になるかわからないけど、山頂近くでノリの良い若いカップルと二人連れの山ガールが、やっと「茶臼だけにこんちゃうーっす!」とツッ込んでくれた。

いゃいゃ、ツッコミ入れてもらうのが一番の目的ではない。

以前訪れた時に三斗小屋の歴史を少し調べたので、今回は三斗小屋宿跡を探訪し現在の三斗小屋温泉に泊まることが一番の目的だった。登山口の沼ッ原からおよそ5Kmほどの山道の先に三斗小屋宿跡はある。
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三斗小屋宿跡は、三斗小屋温泉の西方約3km、板室本村から12kmほど北、那珂川上流の標高1100mの山あいにある。天和3年(1683)会津西街道が天災で遮断されたため、会津藩が元禄8年(1695)に会津と氏家を結ぶ会津中街道を新しく開削し、国境の大峠の北側に野際新田宿、南側に三斗小屋宿を設けた。

元禄9年(1696)の会津藩の記録では人家はなかったとあるが、その後、人が移り住み物資輸送や宿泊関係の仕事にあたった。三斗小屋の北には標高1,468mの大峠、南には麦飯坂があって、この一帯は街道一の難所であった。

江戸時代の末期には修験道の白湯山信仰が盛んになるとその登山口として栄え、安政3年(1856)の山開きには参詣者が1日に1,000人を超えた記録がある。そのため、今なお寄進された常夜灯や石仏・大鳥居(平成19年復元)などが残っている。

三斗小屋宿は、慶応4年(1868)の戊辰戦争の際、会津軍(旧幕府軍)が駐屯し、新政府軍との激しい山岳戦が展開された場所でもある。この戦いは新政府軍が勝利し、この戦火により三斗小屋宿の14戸が焼失した。宿跡の南方約200mの墓地には、戊辰戦死若干墓が残る。

明治26年(1893)には三斗小屋に銅山が開かれ、宿の近くで精錬が行なわれたが、明治41年(1908)5月の大火で14戸すべてが焼失し、昭和32年(1957)に最後の1戸が転出して無人の地となった。
=====那須塩原市HPより転記====

日本を代表するリゾート地である那須の裏側には、300年以上も前に会津藩によって開削され栄え、150年前の戊辰戦争では多くの人が命を落とし、明治の大火によって消滅してしまったという廃村の歴史がある訳で、僕はその廃村を訪ねてみたかったのである。

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山奥で一時は1000人以上の人が集まり栄え、今は住む人のいない宿場跡地だけれど良く手入れされていて、何とも言いようのない美しい場所だった。崖っぷちに建つ「白湯山」の鳥居は何処へ導くものなのか?鳥居をくぐるとすぐ崖で眼下には谷川が流れていて、参道へと続く普通にイメージする鳥居の位置とは異なるものだった。

その疑問は、宿泊先である三斗小屋温泉 大黒屋で解けることとなる。
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前回はもう一軒の宿の煙草屋に泊まったので今回は大黒屋にしたのだけれど、それは正解だった。
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築150年になろうとする本館。部屋と外の仕切りは障子戸一枚で部屋には暖房もない。
歩いてしか行けない山奥の温泉旅館の雰囲気や温泉はとっても良いものだったけれど、僕にとって一番うれしかったのが、ロビー?の書棚にあった↓この本との出会い。
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鳥居の向きの疑問が解け、古の白湯山信仰、三斗小屋宿の歴史や奥那須の自然を守る会の功績なども知ることが出来た。会津大峠から三度渓谷を渡りたどり着くから「三渡古谷」が地名の由来らしい。

1000人もの参詣信者を集めた白湯山信仰とは、「白湯山」「月山(茶臼岳)」「毘沙門岳(朝日岳)」の三山を登拝し36か所の拝所を巡る三山がけだったのである。「白湯山」とは茶臼岳のことではなく、湯殿山に似た白濁する湯が沸き出る大岩をご神体とする場所で地形としては山ではない。鳥居の疑問は↓この地図で納得した。
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鳥居から崖を下り、苦土川を渡り御沢を遡るのがご神体「白湯山」へと続く参道だったのである。つまり鳥居は僕らの感覚でいう入渓点だったという訳。

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今の一般ルートともいえるロープウェイ側の那須湯本からは、こんな山駕籠に乗って三斗小屋温泉へ向かう人もいたというのだから驚く。つーか、駕籠を担ぐ人の馬力に驚く!(真ん中の担ぎ手は女性?)

数年前、何気に観光登山で訪れた那須連峰だったけれど、三斗小屋宿跡を訪ねたくて再び訪れた那須。更にもう一度訪ねてみる理由が出来た。古の人々が信仰した「白湯山」を見に行くこと。

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今回、沼っ原から三斗小屋温泉までの道のりでは、二人の人としか出会わなかった(なんと4年前に煙草屋で同宿し食事の時に隣に座ったお二人だった!)けれど、300年も前に会津中街道として栄え、多くの白湯山信仰信者が往き来した道。

紅葉が一葉乗っている石碑の上にも、白湯山へ向かう行者が手を置いて祈ったかも知れない、山駕籠の担ぎ手が汗をぬぐった手ぬぐいをひょいと置いたかも知れない。そんなことを想像してみると美しい山並み・歩く楽しみ・景観の見事さという現在目にするものに時間という奥行きが限りなく広がると思う。

ちょっとした想像力を働かせれば、時空を越えた登山を楽しむことが出来る。


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by mt1500funagata | 2018-11-05 23:59 | ほかの山 | Trackback | Comments(4)

8月11日、今年で3年目を迎える山の日の祝日。
せっかくなので、県外の山まで出かけた。

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夜の山に抱かれたくて登山口にテントを張るつもりで出てきたのだけれど、雨ガス強風の3点セットで車中泊となった。登山前の早朝からの長距離運転は性に合わないし、山で寝ることがその山に対する情念を持つ一端になると思っている。本来は、山中泊したいところだが今の僕を取り巻く環境は、丸々2日間を自由に使うことは難しい。

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未明の登山口で、同じく前泊だった石巻から来たという男性。登山と言うよりは、蝶の観察が目的なのだそうだ。風が強いのを心配していた。風があると蝶の観察が難しくなるらしい。

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トイレ2階の休憩室でシュラフに包まっていた男性。リタイアしたのちの数年間は年間山行日数が300日を越え、全国の山々を登りつくしたのだそうだ。青森から来たと言うその男性は、「やっぱりこの山が好きでさー」と特に良く来るらしい。

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心配していた強風も、歩き出してからはさほど気にならない程度になり、振り返れば雲海が広がる素敵な登りとなった。

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群馬から来たと言うご夫婦。ご主人はBCスキーが好きで、この山へは良く来るのだそうだ。僕らが宮城から来たというと隣県だから、しょっちゅう来るのだろうね?と言われた。群馬から来た人にとって僕らは隣町から来るみたいな感覚なのだろうが、近い山って船形山や七つ森を指すものと思っている僕にとって県外の山は隣県であっても遠い山なのである。

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アザミと言えば八代亜紀が唄った「恋あざみ」が頭のどこかにあるのか、一昔前の飲み屋の女性を連想してしまうのだけれど、固有種のチョウカイアザミは、さすがに色も濃く重厚感がありいつものアザミとは違った印象だった。

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「私たちは行けるところまでで良いのよ~」と急な登りのあざみ坂の途中で、雲海の風景のなかに身を置くご夫婦。うーん!イイんじゃあない?こんな余裕をもった山登り。

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そして、同行の登山女子Y子さん。山に来るようになって今年10年目になる。10年前「イワウチワ初めておぼえた春の花旗坂平の入口に咲く」と詠んだ彼女も今では森の案内人としてインストラクターを務めるまでになった。雪山テント泊、岩壁ビバーグ、テントを出てから下山まで15時間連続行動の長丁場も経験しているし、沢は笹木沢・葛根田・火の沢・五郎沢・・・etc。日帰り登山を30年続けたとしても到底経験できないような経験と場数を踏んでいる。

ある沢での話。僕が山に引き込んだと言うこともあり色々と手を貸していたところで、オヤブンから一喝!「あまり手を貸すとY子君の成長がなくなる!」って・・・山岳会じゃあないんですけどー。オヤブンはY子さんを連れられて歩くだけの山女子になって欲しくなかったのだろう。だから、こうして踏み跡もよく分らない雪渓を先行できるまでになった。

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急な登りを終え、外輪山に到達したところで山頂が圧倒的な迫力で目に飛び込んできた。さすがは東北を代表する山の迫力である。

横浜から来たという美男美女のご夫婦。鶴岡に友人が居て、友人を訪ねる旅行をかねて年一の夫婦登山なのだそうだ。年に一度の割には格好も決まっていて足も早かった。礼儀正しく上品な稀にみるイケメン夫婦だった。

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新山への途中の鞍部で、雪渓の端っこの池から氷を少し頂いた。手が痺れるような冷たさと言う表現があるけれど実際痺れた。
それはあとでのお楽しみのため。

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ザックをデポし、新山をピストンし終えたころには、
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キンンキンにビールが冷えて仕上がっていた。鳥海山と山の日にカンパーイ!


山頂で会った若いカップル。「実は僕、今日が山デビューなんですよー。」山好きな彼女に連れられてここまでやってきたそうだ。初めての登山の印象を聞いたところ、「楽しいです!来て良かったです!」

山の日の鳥海山。多くの人が登り、それぞれに山の日の登山を楽しんでいた。




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by mt1500funagata | 2018-08-12 23:48 | ほかの山 | Trackback | Comments(0)

海の日は山へ…って訳で、船形や嘉太神を離れ観光登山。
県外の花の山へ。

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山小屋

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登山道

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お花畑

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花 一株

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お花畑

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お花畑

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強風と吹き付ける雨

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下山は石楠花ロード

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温泉

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ブナ林

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観光

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横手焼きそば

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おかわり

たまには遠くへ出かけるのも良いものだ。
僕にとって蔵王以南、栗駒以北は遠くに出かけたって言う気分になる。

とても美しいお花畑が広がる良い山だった。
登山客として初めて訪れた僕は、花の見事さに感嘆の声を上げ、ほかの人もおらずガスに包まれた自分たちだけの美しい空間に浸ることは出来たけれど、想いを綴ることは出来ない。
写真を並べただけになってしまいました。



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by mt1500funagata | 2018-07-16 23:36 | ほかの山 | Trackback | Comments(6)

嘉太神の森にトレイルカメラをセットして、しばらく放置していたのだけれど、ツキノワグマは来なかった。
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嘉太神の森のなかでも、ここは色々な動物たちが集まる場所。
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この爪痕は昨年の秋にはなかった。という事はこの春にツキノワグマはここへやって来ていると云うこと。
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こんな、アリの巣はツキノワグマにとっては格好の餌場になるはずだと思った。
YouTubeに投稿されているトレイルカメラの動画では、多くの場合米ぬかや××の油とかで誘因(おびき寄せる)を掛けているようだ。でも、それでは自然なクマの行動を捉えたとは言い難いと思っている僕は、自然の餌場にカメラを仕掛ける。今の時期でもクマはアリを喰いに来るのだろうか?

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GWとは言え何かと忙しくしていた僕は昨日(4日)に時間を作り、嘉太神の森の観察はトレイルカメラに任せて、一切経山へ観光登山に出掛けた。
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歩きだしは雪模様。思いがけず冬山気分を味わうことが出来た。

隣県とは言っても、七つ森や船形山が近場の山と思っている僕にとっては遠出の気分。
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何度か登っているけれど、いつも雨降りの時ばかりで、この沼を見るのは初めてだった。
今回もガスってるし強風のうえに雪も降り、やっぱりこの山は僕と相性が悪いのだなあ~と思いながら山頂へ。でも、一瞬ガスが切れて沼を見ることが出来た。
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鎌沼の周りを歩くころには青空が広がった。

下山して、前日(3日)から今シーズンの営業を開始した幕川温泉へ。
目的は風呂と温泉の奥にある幕滝を見ること。
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ファンキーな橋が架かる遊歩道を歩くこと20分ほど。
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幕滝。
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滝好きには、たまらない見応えのある滝だった。
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人気の餃子のお店は、2時間20分待ち。足湯のはしごなどして時間をつぶした。
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福島市内で晩飯と言えば、↑↑↑これに限る。

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そして、今日は日中の用事を済ませ嘉太神の森へと向かった。
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前回来た時も、沢を挟んだ向こうにツキノワグマの気配を感じた。
今日は、僕の「ホーイ!ホッホー!」という声にツキノワグマの当年子が反応した。
「クッワクッワ・・・クウォーン」と子グマの声が聞こえてきた。

でも、カメラに映っていたのは、
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イノシシと
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カモシカだけだった。

新緑の季節はアリよりも、もっと良い食い物があるのだろう。




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by mt1500funagata | 2018-05-05 21:57 | ほかの山 | Trackback | Comments(2)

11月3日、谷川岳の一ノ倉沢を眺めに行って来た。
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僕は登ることは出来ないけれど、多くの若者が命を懸けて自分を表現しようと挑んだ場所を見てみたいと思っていた。

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上からも眺めてみた。
一ノ倉沢は下から眺めるのがいいですね。上からでは僕が撮った写真でその迫力を伝えることは出来ない。


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さすがに11月3日は晴れの得意日。青空に引っ張られるように山頂へと向かった。

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せっかくなので、奥の院を越えて縦走してみた。

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すき焼きセットを担いでの縦走は、けっこう大変なルートだった。

でも頑張ったおかげで、
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晩飯は、美味しいすき焼きをいただくことが出来た。

翌日(11月4日)は朝から雨。予報通りの天気の崩れで、雨の中を快適に下山してきた。

観光登山と言うには、かなりショッパイって言うか、とんがった縦走路だったなあ。

「近くて良い山なり」と称される谷川岳ですが、
僕にとっては、「近くはないが良い山なり」ってとこですね。




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by mt1500funagata | 2017-11-04 23:56 | ほかの山 | Trackback | Comments(2)

特別展「熊と狼」-人と獣の交渉誌ー
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11月19日まで、多賀城市の東北歴史博物館で開催中。
午前9時30分~午後5時

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熊と狼、ともに山に住まう猛獣だけれど、熊は生き残り狼は絶滅した。
なぜ熊と狼は違う道を歩むことになったのか?
人と熊や狼との関わりの歴史、そんなことを良く知ることが出来る内容だった。

展示の内容は詳しく書かないけれど、僕は見に行って良かったと思っている。
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28日(土)には日本ツキノワグマ研究所理事長の米田さんの講演もある。
昨年の人食被害の発生した十和利山事件の全容についてらしいのだが、僕は残念ながら行くことが出来ない。
まあ、僕は去年のうちに米田さんから直接この件の話を聞いているので、内容は何となくわかる。
クマがいるのに人はタケノコ採りに何故入るのか?被害に遭った人の家族の気持ちは?まさに、ここのところ僕が記事にしている人とクマとの境界線上にいる人のことについての話があると思う。

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先週は薪の荷揚げとし尿降ろしで、お返し登山をしていたので、この連休は観光登山に行って来た。
たまには船形山界隈から離れるのもいい。

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中津川渓谷はそろそろ彩りはじめ。

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裏磐梯の銅沼(あかぬま)
ブラタモリでタモリさんが、えらく感激していた風景を見たいと思っていた。
景観は美しさと圧倒的な自然の力の迫力が同居していて息を飲むほどだったけれど、この沼には生き物が生息出来ないらしい。どうりで畔の森から鳥の声が聞こえなかった訳だ。


今回の観光の目的は銅沼だったけれど、ついでに磐梯山も登って来た。
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普段見慣れない白樺の黄葉の森を歩き、荒涼とした稜線を歩いてきた。
噴煙を上げる山肌を見て、この山は生きているんだなあって実感した。
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今は破線ルートになっている裏磐梯コースだけれど、急な場所には鉄の手すりが設置されていて、相当ありがたかった。
登山客として登る山で山を整備してくれる人々がいるのだってことを改めて思う。

誰かが整備してくれた登山道を歩く僕は、登山者ではなく、ヤマ屋でもなく「登山客」の一人だった。


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by mt1500funagata | 2017-10-10 08:30 | ほかの山 | Trackback | Comments(4)

8月11日は「山の日」
山にいかなくっちゃ!ってことで、山に行ってきた。

せっかくの連休なので県外の山へ出かけた。

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天気予報は下方修正で、雨に降られるのは分かっていたけれど、いつも言ってるように「雨も天気のうち」。

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水滴を纏った遅咲きのヒメサユリに出会えるのも雨の日ならではのこと。

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主稜線は初夏の花が一面に広がっていて、遠くの景色はガスに包まれて見えないからこそ、目に入る景色は花ばっかり。

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東北の中では全国区の山で多くの人と行き交うのかと思っていたけれど、誰一人ともすれ違うことはなかった。
この山でこんなに静かな稜線歩きを味わえるのも、雨の日ならではのこと。

稜線で雨に濡れる花々を見ながら僕は、花が笑っているなあ~!って思いで歩いていた。
「夏山蒼翠にして滴るが如く」というけれど、僕が思ったのは「笑うが如く」のほう。

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だって、どちらを向いても花ばかりなものだから、正岡子規の「故郷やどちらを見ても山笑ふ」を連想し、
「稜線やどちらを見ても花笑う」って思いながら歩いていた。

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山小屋についたら雨は上がり、遠くの山並みも眺めることが出来た。

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山小屋での晩飯。ビーフシチューのせクスクス。

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山小屋での朝飯。シャケと納豆の朝定食。

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稜線下って雨上がりの昼飯。山の冷水〆冷やし中華。

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山の日にバンザイ!(次の日だけど・・・)

行って来たのは、朝日連峰、泡滝ダム~大鳥池~以東岳~狐穴小屋でした。

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以東の小屋も順調に建設が進んでいます。9月末には完成ですね。



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by mt1500funagata | 2017-08-14 10:11 | ほかの山 | Trackback | Comments(2)

山のあなたの空遠く

***山のあなたの空遠く
     幸い住むとひとのいふ***
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***ああ、われひとと尋(と)めゆきて
     涙さしぐみかへり来(き)ぬ***

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最初の写真は、いつも見ている船形山あたりの夕方、その山を越えた「山の彼方」に幸いが住むらしい。

という訳で、8月5日、一山越えた向こうの山に探しに行ってきた。
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太平洋側はぐずついた天気のようだったけれど、一山越えた向こうの山は青空が広がっていて、
それはそれは美しく花に囲まれた風景の中を歩くことができた。

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僕もたまには船形山を越えた彼方の山へ出かけて行って、幸いを探しに行くわけです。

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まだ僕には、ジョバンニの言う「ほんたうの幸い」は見つからないけれど・・・
涙がでるほど美しい風景の中で、自分自身の幸いは感じて帰ってくることが出来た。

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現在・過去・未来


***山のあなたのなほとおく
     幸い住むとひとのいふ***
(カール・ブッセ「山のあなた」/上田敏訳

今週末は、幸い住むとひとのいう、なお遠くの山に向かうつもりです。



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by mt1500funagata | 2017-08-06 23:49 | ほかの山 | Trackback | Comments(3)

船形山の麓、七つ森の少し奥で「ワルそうな」テンと会った。
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今まで何度もテンとは会っているけれど、カワイイとか美しいじゃなくて・・・なんか見た目がワルそうな奴。
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なんか、そんなふうに見えませんか?

7月になってからブログの更新がないので、チバさんもついにクマにやられたか?って噂がまことしやかに広がりつつありますが・・・
ここ3週間ばかり週末は県外の山に行っていたので、船形山界隈のネタがなかったってダケでした。

先般の海の日の3連休(7月15~17日)も県外の山、2000mの稜線で悪いテンキに見舞われていたのです。
1日目と3日目はまあまあ良かったんですけど、メインの稜線がひどかった。
船形関連ではありませんが、少しお伝えしたいと思いました。

船形山のブナを守る会は山岳会ではないけれど筋金入りのヤマ屋さんも多く、オヤブンもその一人。
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厳冬期の朝日や飯豊を縦走し数々の未踏の沢を開拓した過去を持つオヤブンと一緒に山に入った。
雪渓を登って稜線を歩き、岩稜を越え、そして沢を渡る2泊3日の計画。

こんな人と一緒に山に入ると僕らは到底ヤマ屋とは言えないなあ~ってつくづく思わされる。
朝日連峰や飯豊連峰に2週間も山小屋やテントをベースにして、尾根を下り沢を登るを繰り返したのだそうだ。

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初日は風もなく、恵まれた天候で標高差1400mを一気に登った。

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山で2泊となれば、荷物も重くなり登山してるって思える。
日帰りや1泊では味わえない背中の重みと緊張感が心地よい。
今回は2泊分の宴会食材と沢を渡るための40mザイルやハーネスとか余計なものも背負っているのだからなおさらだ。

計画の段階では軽量化の指示がでていたけれど・・・
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1晩目は、モロミ漬けのトンテキとポトフを山メシにしてみた。
コメもアルファ米やレトルトなんて使わない。オヤブンの田んぼで作った無農薬のササニシキを炊いて喰う。
日本酒も一升持ち上げた。

悪かったテンキは2日目(7月16日)
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ガスっているから100m以上も切れ落ちている稜線のトラバースも高度感はなく緊張はするけど恐怖感はない。

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残雪が多く残りガスってルートがはっきりしない稜線を僕がトップで歩く。
悪くなってきたのはこのあと。

大粒の雨が横殴りに吹き付けてくる。
雨が降るのはわかっていたけれど、ここまで強く風が吹くとは思っていなかった。
この雨では予定していた渡渉するつもりでいた沢も水量が増えて渡るのは到底無理なので予定は変更となり、その場で来年の海の日の連休の計画は決まった。今回断念したルートを来年やるのだ。

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吹きっ晒しの稜線はまともに歩けなかった。耐風姿勢を確保してカメラを出すのにも苦労した。
腰を落とし左手に持ったピッケルで体を支え、やっとの思いで撮った一枚。

吹き付ける風の隙間を縫って、這う這うの体で避難小屋へとたどり着いた。

バカみたいだけれど、こんな山行が面白い。

3日目は稜線から下ると打って変わって青空が広がった。
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予定ルートから変更し、前日の雨で崩壊した雪渓を越えながら下山する時には、念のためにザイルを張ってルート工作を行った。
黒く口を横に広げた雪渓の下に転げ落ちてしまったら助かる術はない。雪渓の下からは雪シロで増水している沢の流れる音が轟轟と聞こえている。

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食料や酒、水がなくなり軽くなったザックで余裕の僕。

久しぶりに登山をしたなあ!って思える3日間でした。

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船形山のブナを守る会からのお知らせです。
来月、8月21日(月)~27日(日)
「第19回 ブナの森作品展」が開催されます。
場所は、大崎市古川(大崎市役所近く)「大崎市民ギャラリー 緒絶の館」
ブナの会の会員の趣味(プロ)の作品や写真などを展示します。
そこでブナの森、ブナの会への関心を持って頂けたら幸いと思っています。

船形山のブナを守る会に興味がある、もしくは参加してみたいと思われる方は、
mt1500funagataアットマークyahoo.co.jp
大和町チバまでご連絡ください。案内をお送りします。
(お名前と大まかなお住まい年齢を記載してください。ハンドルネームのみの場合は返信いたしません)
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by mt1500funagata | 2017-07-20 22:44 | ほかの山 | Trackback | Comments(2)

先の週末はミズバショウの群生地としては日本一有名な国立公園へ行ってきた。
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さすがに年間30万人以上の人が訪れるだけのことはある。
それはそれは見事なミズバショウの群生が広がるとても美しい湿原だった。

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あいにくの空模様だったけれど、それはそれで、こんな光景も見ることができた。
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ここは日本の自然保護活動の発祥地とも言える。
この湿原を守ろうとした人たちがいたから、この湿原は水力発電用の巨大ダムの底に沈むことを免れたのだ。

電力会社の計画から守られた湿原は、今度は観光目的で訪れるニンゲンから守らなければならなくなって行く。
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湿原は人が踏むことによって1cm沈むと、その復元には10年を要するのだそうだ。
大規模に木道を整備し、かつて有ったゴミ箱が撤去されてゴミ持ち帰りの先駆けとなり、トイレの浄化設備も充実した。
現在はニホンジカの食害から守るための対策が進んでいる。

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この湿原は僕も大好きで何度も訪れていて、いつまでもこの美しさが保たれるように願っている。

自然保護発祥の湿原を二日間歩いて自然保護を考える。自然保護って僕も含めた人間から保護するってことじゃないか。


大勢の人が集まる有名観光地から帰って来た僕は、早朝の時間を使って僕だけの観光地へと向かった。

大和町のとある山林。
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絶滅危惧2類のこの花を見に行く。勿論道はないしツキノワグマが近くにいる気配をいつも感じる。
山林の斜面には、まだ花を咲かせることのできない幼株も含めると50株近くを数えた。

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この4枚の写真は同じ株の成長の様子。
蕾をつける前から通っていた。

有名な観光地化された自然の風景を鑑賞しに行くのは良いことだし、僕もその風景を見て感動もする。でも、そこでの僕は一観光客であって、その場所の保護や整備になにも関わっていない。

ところが、ここは僕が見つけた場所、僕は僕で保護を考える。
本来ならば得意になってブログで写真なんか公開しなければ良いのだけれど、大和町の山林にもこんな花が咲いているんですよってことは伝えたい。そして、自分だけの守りたい場所を見つけることの嬉しさを知って貰いたいと思っている。
地元の自分で見つけた場所だからこそ、そこの保全活動にも関われる。若畑の「幻のブナ林」は保全を求めて自分の名前で要望書を森林管理署に提出したし、ここの環境が大きく変わるような予兆があれば積極的に行動することも出来る。遠くに出かけて行き希少種の写真をブログに載せて「盗掘はいかん!」と匿名で訴えたとしても何も行動を起こさないのであれば、単なる自分のアピールにしか過ぎないと思ってしまう。

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この花を保護すること=この場所を秘密にすることって言うのは実はとっても悲しいこと。
ごく一部のある種のニンゲンがこの場所を知ってしまったら、この花たちは全て持ち去られてしまうかも知れない。
このブログを見てくれている人の中には誰一人としていないのだけれど、掘って持ち帰る人もいるのだから仕方がない。泉ケ岳の麓にある里山ごはんカフェでは、店のブログに書いたとたん庭に咲いた3株がすべて盗まれてしまったそうだ。

僕も今年はもうこの場所へは行かない。
もうすぐ藪が深くなって花は落ち茎や葉は周りの緑に紛れて姿を隠す。僕が歩いたわずかな踏み跡も植物の力ですぐに復元することだろう。
誰にも見つからないようにうまく隠れていて欲しい。

それから今日は山を歩くニンゲンも良い人ばかりじゃないんだなーって思わされることがあった。
ヤマグワの実が色づき始めて、そろそろツキノワグマが現れるかと思って設置していたセンサーカメラが持ち去られていた。
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留めていたベルトがカッターのようなもので切断され捨ててあってカメラはなくなっていた。
野生動物観察中と明記して名前も住所もわかるようにしていたのに、誰かが悪意を持って持ち去ったとしか考えられない。

自然保護、環境対策、クマ対策・・・必要でしょう。
ニンゲン対策が必要!って、どう思いますか???

*キーワード検索でヒットしないように花の名前は書いていません。もし、コメント寄せていただける方がいらっしゃるなら花の名前は書かないようにして下さいね。




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by mt1500funagata | 2017-06-06 22:49 | ほかの山 | Trackback | Comments(10)