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山と渓谷7月号に・・・

6月14日発売の「山と渓谷 7月号」に、僕が指摘した「5月号P208連載 季節の山歩き」での不適切な北泉ヶ岳のガイド記事についてのお詫びと訂正文が掲載されています。
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5月号のこのコーナーでの北泉ケ岳の記事は、地元の山だし、執筆した山岳ライター氏がご自身のブログで拡大フォントを使って宣伝していたのでご覧になった方も多いかと思います。

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著作権法の絡みで、問題のページをそのまま載せることは出来ないのですが、北泉ヶ岳から大倉山、氾濫原を巡るコースがガイドされている。

僕は、この山岳雑誌を買う事はなく立ち読みもしないので、6月になってから県立図書館で初めてこの記事を目にした。
静かで美しい氾濫原がメジャーな雑誌で紹介され、多くの人が集まるような場所になったらイヤだなーと思いながら読み進めたのだけれど、氾濫原の美しさをイメージさせるような表現力豊かな文章を用いず、単なる道案内的な書き方だったので安心した。
しかし、それよりも印象的だったのが大倉山の部分。これってマズイんじゃない?ってすぐに思った。

そこには「・・・大倉山に立ち寄る。広場の柵を越えて材木岩の絶壁の上に出ると船形山の大展望が広がる。ただし足元は切れ落ちているので注意が必要だ。」上記5月号から引用、原文まま)と書かれていたのである。

柵を越えて!?
柵って何のためにあるのでしょう?危険だから立ち入らないように注意を促すためでじゃないの?良識のある人とかってそんなレベルじゃなくて普通の感覚の人だったら、そう思うのではないですか?

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            (大倉山の絶壁、左上に広場の東屋の屋根が見える)

船形山の大展望を得るために柵を越えてこの絶壁の上に立ってみると良いなんて、日本で最もメジャーな山岳雑誌が掲載する一般登山者向けのガイド記事じゃないでしょ!万が一転落したら死亡事故に直結するような場所ですよ!!「足元が切れ落ちているので注意が必要だ」なんて、呑気に言って済まされる場所ですか!?安全登山やマナー向上のけん引役となるべき山岳雑誌が掲載する記事としては非常識も甚だしいと思いませんか?

もし、この記事を見て、「この柵は越えてもいいらしいよー。だってヤマケイのガイド記事に載ってたもん。」なんて平気で柵を越える人が増えたとしたら大変なことになる。同じように感じた方も多かったと思いますが、自治体や山遭協、警察などと協力して船形山の事故防止に携わってきた僕としては見過ごすことは出来ない。

そして、この連載記事は雑誌社がどんな基準で選ぶのかは分からないけれど、地元の山に精通している人に原稿を依頼しているものだと思う。言うなれば宮城の登山愛好者を代表して書かれた記事とも言える訳で、宮城県の登山愛好者のモラル意識は非常に低いというような印象を与えてしまうのではないか?とも思った。そんな全国に恥を晒すような一文を掲載した雑誌社に対して黙っている訳にはいかない。
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思っただけ、仲間内で批判するだけでは何もならないのですね。意見を述べないと言うのは容認していることと受け取られてしまっても仕方がない。そこで、山と渓谷社のウェブサイトから商品の内容などに関する問い合わせ先としてservice@yamakei×××というメールアドレスを見つけ、問い合わせしてみた。批判や文句ではないですよ。問い合わせです。校正の段階で見過ごされてしまったのか?雑誌社が柵を越えると言うルール違反・危険行為を推奨しているのかが分からないと批判の対象が違ってくる。
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住所を付した実名を名乗り、町から委嘱された船形連峰升沢避難小屋管理人であると身分を明らかにしたうえで、問題の場所の危険度を説明し、「柵を越えると言う一文は不特定多数の登山者を対象にしたガイド記事として適切だったと考えるのか?」「適切だったとお考えであれば、貴誌はルール違反の危険行為を助長するスタンスと理解してよいのか?」「不適切だったとお考えであれば、訂正分の掲載など対策を講じるおつもりはあるのか?」と具体的に編集部へ宛てた質問をメールで送った。
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翌日には回答が届いた。
「適切ではありませんでした。」「訂正文を7月号に掲載します。」と言う内容で、「ご指摘ありがとうございました。」とも添えられていた。
さすがは日本を代表する山岳雑誌ですね。個人からの指摘・質問に対して真摯に受け止め、訂正文の掲載も約束したくれた。
不祥事を起こした企業や不用意な発言をしてしまった公人が倒産や辞職に追い込まれたのは、のちの対応のまずさにあったということを今やよほど学習能力のない人でなければ、誰でもわかっていることでしょうから、当然と言えば当然なんですけどね。

そして、7月号に「お詫びと訂正」として「北泉ヶ岳のガイド記事に不適切な文がありました。柵を越えてとありますが、危険なため柵は越えないようにしてください」と言うような、訂正文の掲載となった訳であります。
小さな記事であったため、見逃した方も多いのではないかと思いますが、ちゃんとお詫びして訂正していますからね。

誠意ある対応をしてくれた山と渓谷社に対して、拍手を送りたいと思います。
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ご自分のブログで「私が執筆したガイド記事が・・・」と大文字で宣伝した山岳ライター氏ご本人が、責任を持って告知し自らも訂正するのではないか?それが僕が告知するよりも一番良い方法だろうと思い、発売日から数日間様子を見ていました。5月号の記事を見ておかしいと思った方で、7月号に訂正文が載ったことを知らない人がいたら「山と渓谷社」に対しての不信感はぬぐえないですからね。しかし、一向にその気配はありませんでしたので、山と渓谷社の名誉のためになるかなあと思って、僕が記事を立ち上げた訳です。
ご本人は、訂正文が掲載されたことより、ゴジラ映画のほうが大事だと思っていらっしゃたのでしょうかねえ?お聞きしたいところです。お詫びと訂正という後始末を雑誌社にさせて、呑気に映画の評価点もお付けになっていたようだけれど、ご自分のガイド記事と責任感に評価点を付けるとしたら、何点をつけるのだろうか?


まあ、いろんなことがありますが、ルールを守りモラルある安全登山で、夏山を楽しみましょうね!



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Commented by tabilogue2 at 2019-06-20 21:48 x
あちゃー toutou やっちゃいましたね。いつかは階段を踏み外す人だと思って見てました。雑誌はもちろん「山渓」も「岳人」もとおに読まなくなって20年が過ぎましたけど 編集者泣かせのライターがいらっしゃるもんですねえ。

「山の本」にかつて、私も寄稿したことがありましたが 簔さん(箕浦編集長)からけっこう赤ペンが入ってました。それほど編集部は素人に対して目を光らせるものですがね。柵を越え事故られたら賠償責任ものです。やはり 俄か「山岳ライター」では信用を得ることはできませんね。いい反省材料としてください。
ところで まだ例の案件で 取り巻き連中からメールを受け取ってませんか? あれ チバさんにメール出すと言ってましたヨ。。。
Commented by mt1500funagata at 2019-06-21 05:40
> tabilogue2さん
校正の時のチェックが甘かったということなんでしょうね。担当者は始末書でも書かされているのでしょうかね?本文でも書きましたが、不適切な発言(記事)や不祥事って、そのことよりも後の対応の在り方を問われるものだと思います。その点、ヤマケイはちゃんとしてましたね(ほんとに小さい掲載文でしたが)。もし僕が同じような記事を書いたとすれば、即座に「あれ、マズイよー」と言ってくれて、「自分から潔く訂正するべきだよ」と言ってくれる人が周りに必ずいると思います。それが仲間であり友人というものでしょう。前記事の18日のコメントで、自分で告知しなかったら僕が書くよってメッセージのつもりで書いたのですが、気づかなかったのか、届きませんでしたね。
最後のご質問は、メールでお願いします。公開コメントの場での内容ではないし、ここ数日多くの方からメールもらっていますので分かりません。済みません。
Commented by toto4543 at 2019-06-21 07:56
なるほど、掲載ってそういうことでしたか。
確かに山と渓谷の対応は良かったと思いますが、この内容を通しちゃうっていうのは、あまりにもレベルが低いと言わざるを得ませんよ。ボクはかなり前に雑誌(といっても端くれですが)の編集に関わっていましたが、あり得ないですね。この一文でも、ライター氏がどういう意図で書いたか読めちゃいます。柵を越えてでも大展望を楽しんでほしい、ということではないはず。編集者はそこを感じられないと。一事が万事であれば、ライター氏がたくさんの人に安全に山を楽しんでほしいという、あるべき動機ではない動機で書いていることが明白。そういう類の人の記事ばかりになると、自ずと雑誌のレベルは低下します。記事を外部に頼る以上は、その部分をしっかりチェックできていないといけませんよね。
話が多少それますが、「地球の歩き方」ってガイドブックがありましたよね。今でもあるのかな?旅行者の情報をまとめた本でした。21歳の時にその本を片手にアメリカを1ヶ月旅行しましたが、現地で会う日本人には「地球の騙し方」って言われてました(笑)
Commented by mt1500funagata at 2019-06-22 20:56
> toto4543さん
登山道を外れてバリエーションルートを登ることは楽しいですよ。実際、本記事中の絶壁の写真は柵を越えるどころか柵の外側の岩稜を登っている時に撮った写真ですからね。でも、それを不特定多数の人を対象にしたブログやガイド記事でルートを案内することは全く違うものだと思っているのです。特に残雪期は登山道でないルートを歩くことは容易です。それを得意になってGPS軌跡です、なんてブログで公開しちゃうことがまかり通っています。常々僕は一般ルート以外のGPS軌跡の公開に異論を唱えているのですが、公開する人が公開する理由を述べているのは見たことが無い訳です。「自分は登山道のないこんなルートを歩くことが出来るのだ」と自慢しているに過ぎないのでは?と思っています。しかも、そんな記事に「これで、この山に来る人が増えると良いですね!」なんてコメントが入ったりする。地元としては迷惑ですよね。それなりのスキルも無い人が誰かさんのルートをコピーして歩けちゃうんですから。
自分の軌跡をコピーして事故に遭っても一切責任は負いません、なんてコメントもつけてGPS軌跡を公開する。そんな無責任さを容認する風潮がブログを越えて雑誌の記事になってしまう時代になったと言うことなのでしょうかね?
Commented by toto4543 at 2019-06-23 08:04
インターネットという過渡期のメディアが抱える問題ですね。もともと、個人間の情報の共有が目的の一つなので、端的にいえば、ブログに登山道ではないGPS軌跡を残すのは「あり」だと思います。それがたとえ自慢でも。ボクは今、ネットも含め、メディアに関する大きな問題は、メディアを読み解く力、メディアリテラシーだと思っています。これが大きく欠如している状態でメディアを利用するのは、操縦方法を教わらずに車を運転するようなものです。
GPS軌跡の件でいえば、書いた人の力量を推し量り、自分の力量と比べて判断する力が必要です。判断がつかないなら、書いた人に質問し、質問された方もきちんと答える。こうしたことを含めて、現実では出会わなかった人たちでも情報共有ができる。これこそインターネットが有用性なんですよね。開発者の理念です。だからボクは自分のブログで「質問してください」と書いてます。
雑誌の場合は、事故があれば責任問題になるでしょうし、訴訟の可能性もある。だからNGですが、ネットではそうした判例もないようですし、常識、モラルがまだ確立されていないんですよね。
しかし、今やテレビまでもがインターネットの情報を基に判断してしまっている。話がそれますが、インターネット上の意見を集めて、「この事件について世の中はこう考えてる」なんて風にワイドショーで紹介しちゃう。でも、インターネットで意見を発信する人自体が国民全体からしたらごく一部で、しかもその事件に関して言いたいことがあるというのはさらに一部の人間。でも、その番組を見た人は、それが国民みんなの意見だと思っちゃう。実は今、非常に危険じゃ状況にあるとボクは思ってます。今の状況なら、ネットを使って情報操作ができてしまいますからね。
これからどんどんこうした傾向は強くなるはずです。ボクはネットの情報を読む時、どういう人が書いているか、をまず読み取ります。だから例のライターさんのブログには一読して行かなくなったんですよ。そうやって情報を選ぶ側にも力と責任が必要になる時代なのかもしれません。
Commented by mt1500funagata at 2019-06-23 22:27
> toto4543さん
インターネットの問題と有効性とか色々ありますね。が、ここでの問題は、当の山岳ライター氏の責任感についてであります。ご本人からの弁明を早くお聞きしたいところです。ラーメンが美味かったとかも話よりも、しなければならない話があると思うのですけどね。
by mt1500funagata | 2019-06-20 21:09 | Trackback | Comments(6)