キツネの哀しい瞳(エサをやらないで)

雨降りの早朝、嘉太神のトレイルカメラをチェックし終えた僕は風早峠へと向かった。

あの餌付けされてしまったキツネは現れるだろうか?

もし現れたならば、追い払いをかけるつもりだ。

現場に近づきスピードを落とすと同時に、まったくあっさりと姿を現した。
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車を停車させ窓を開けるとキツネはさらに近づき、こんな目で僕を見つめた。

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「コラッ!ダメだ!」大声で叫んでも逃げ出さない。クラクションを何度鳴らしても逃げ出さない。車から降りても逃げ出さない。脅かすように声を発しながら駆け寄ると、ちょっと離れるけれど藪の中に逃げ込むことはなく「なぜこの人は僕を怒るのだろう?」とでも言うような仕草で僕を見つめた。

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人を恐れないキツネ。顔や仕草を見ていると可愛らしく、なにかしてあげたい、食べ物を少し分け与えたくなる気持ちが起こっても不思議ではないと思う。優しい人だったらきっとそう思うに違いない。

近くには、
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おにぎりでも分け与えた人がいるのか?ご飯粒。

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スイカのかけら。
このキツネに与えたのだろうと思われる食べ物の残りがあった。

僕は食べ物を与えるどころか、逆に声をあげながら追い立てる。とても切ない気分で。

餌付けされたキタキツネが車に轢かれて死んでしまう事例は北海道にいくらでもある。自分でエサを捕ることをことを忘れてしまったキツネが、人が来なくなる冬に餓死する例もある。同じことがこのキツネに起こらないように。
この峠道はオートバイで猛スピードで走り抜けるライダーも多い。コーナリングの最中にキツネが飛び出して来たら・・・?悲惨な事故が起こらないように。

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このキツネ、もう駄目かもしれない。
瞳に野生の鋭さは感じられない。可愛らしさも感じられない。
哀しい瞳をしていると感じるのは僕だけだろうか。
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数年前に出会った同じ当歳子のキツネと見比べてみるとどうだろう。違いを感じますか?




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Commented by 鈴木 at 2018-08-29 20:20 x
確かにもう野生である事を感じないですね。飼育下にある犬のようにも見えました。近寄ってきてこんな目で見つめられたらエサをあげてしまう気持ちは分かるような気がします。ただ、その行為こそ、このキツネが野生で生きていくにあたっての致命傷となってしまうのですね。私も忘れないようにしたいと思います。
Commented by mt1500funagata at 2018-08-29 20:52
> 鈴木さん
うちの庭先で雨に濡れてか細く啼いていた子猫を可哀想に思って家に入れ餌を与えた時、家族全員がこの猫の一生を面倒見る覚悟は出来ていました。家族の一員になって、もう10年になります。キツネに食べ物を与えた人はきっと優しい人なのでしょう。でも、一晩だけ家に入れて翌日からは外に放り出しエサも与えない、凍える冬も知らんぷりしているのと同等のことなのだってことまでを考えていなかった。気まぐれの優しさが後の不幸を招くこともあるってこと、多くの人が知っていると思うんですけどね。
Commented by aoe86 at 2018-08-29 23:00 x
悩ましいが、野生は野生として、一線を引くべきでしょう。
小善は大悪に似たり、を思い出しました。
Commented by mt1500funagata at 2018-08-29 23:47
> aoe86さん
野生動物と人間の管理下で飼育されているペットは違うと言う認識を強くもつべきなのでしょうね。衛生管理された人間の食べ物ばかり食べていると抵抗力が弱くなり、疥癬症を発症しやすくなるとも言われています。キツネに食べ物を与えた人は疥癬症のタヌキに対して、どんな接し方をするのでしょうね。
Commented by toshiji at 2018-08-30 16:33 x
やはり野生のキツネ(あっ!一応どちらも野生でした。)後の写真の方が眼光が鋭い気がします。もうこの時点でダメかもしれないというのはショックですね。何気なくエサを与えてしまうことにより、死へのカウントダウンが始まってしまうという
ことなのでしょうか。本当に考えさせられます。
Commented by mt1500funagata at 2018-08-30 18:40
> toshijiさん
このキツネ、初めて見た時よりだいぶ大きくなりました。元々好奇心が強いというか警戒心の薄い子ギツネだったのでしょう。その頃は、駆けて逃げ去ることはしませんでしたが、今のようにすり寄ってくることはありませんでした。野生の眼光が戻り、自分で生き抜いてゆく術を身に着けるように願うばかりです。
Commented by 田澤 at 2018-09-02 08:39 x
チバさん、こんにちは。

昨年11月17日、恐らくは同じ場所で物乞いをするキツネに私も遭遇しました。
車を見つけるや、逃げるどころか走り寄ってきた為に、嫌な予感が頭をよぎりましたが、やはり餌を与えている人々がいたのですね。
いずれ人里に近づくような事になれば、害獣として駆除されるか、車に轢かれて、それを悲しむ人々が、餌を与えてる人々と同一ではない事を願います。
Commented by くまぷー at 2018-09-02 09:48 x
昨日はおせわになりました。

行きも帰りも遭遇でした。行きはびっくりして急ブレー。帰りは少しゆっくり走っていましたが、前方に出てきておりました。

やせて虚ろな目をしているなあという印象でしたが、晴れてる毛が乾いている時はどうなんでしょうかね?犬もそうですが、濡れてしまうとものすごく貧相に見えやすいようですので。

しかし、日がな1日、あそこで車を待っているというのは・・・もう野生としての捕食生活をほとんどしていないのかもしれませんね。
Commented by くまぷー at 2018-09-02 09:49 x
誤)急ブレー
正)急ブレーキ
Commented by mt1500funagata at 2018-09-03 06:18
> 田澤さん
昨年だったら、もう少し体毛色が濃いキツネではありませんでしたか?こげ茶色のキツネはよく見ていました。今回ほどではありませんが、人から逃げないキツネでした。もらいキツネの子はもらいキツネになると言われますが、関係があるのかもしれませんね。
悲しい出来事が起こらないように、キツネには早く森に帰ったもらいたいと強く思っています。
Commented by mt1500funagata at 2018-09-03 06:33
> くまぷーさん
びっくりして急ブレーキ→同じことが何度も起こっているのでしょうね。

人が与える食べ物は、野生動物にとっては麻薬みたいなものと何かに書いてありました。もうこのキツネは中毒になっているのかもしれませんね。虚ろな目に野生の輝きは感じられませんよね。可哀想です。
Commented by 田澤 at 2018-09-03 08:04 x
>チバさん

当時撮影した写真とよく見比べると、やや毛色が濃くも見えます。
今年2月に小荒沢の橋(舗装道路)で見かけたキツネは野生感があり、毛並みも綺麗でした。
もらいキツネの子は……、影響が拡がらないと良いですが…。その為に行動を起こしているチバさんの愛情には、私などには言葉では言い表せませんが、大変刺激を受けています。
Commented by mt1500funagata at 2018-09-04 06:43
> 田澤さん
このキツネは風早峠の東側ですが、峠の西側(水汲み場の近く)は、別なキツネ家族の縄張りになっているようです。その家族にも影響が及ばないように、水汲み場の周辺にエサとなる食べ物の残りゴミが残らないように注意して行きたいと思っています。
食べ物を与える人をなくすことは出来ないでしょう。でも、このブログを通して追い払いをする、再学習させる、ゴミがあったら回収してくる、そんな人が増えれば良いと思っています。
by mt1500funagata | 2018-08-29 12:12 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(13)