ブナの会で後白髭山へ

船形山のブナを守る会、新緑の観察会で船形連峰 後白髭山へ。
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今年は4月に夏のような気候が突然訪れて、例年より多いと思っていた積雪も一気に融け、逆に例年に類を見ないような残雪の少なさ、植物の命の動きの早さが目立った。

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今回のリーダーは、ここ後白髭山のブナ林を守ることに情熱を燃やした「仙台のブナ林と水・自然を守る会」で中心メンバーの一人として活躍していたS氏。もちろん個人的には船形山のブナを守る会の会員でもある訳だけれど。

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下部のブナは、例年になく緑の葉っぱを広げ、すでに初夏のブナの装い。

僕らは今、ここ後白髭山のブナ林を見て、その生命力と美しさに感動を覚える訳だけれど、このブナ林を守ることに命を燃やした人たちがいたことを忘れてはいけない。

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県内屈指の長さを誇るこの尾根の雪堤の状況や周りのブナ林の美しさをブログを通して伝えることは、勿論有意義なことではあるけれど、僕にはもっと他に伝えたいことがある。

昨年の記事も参照してほしい。


唯一僕の手元に残っていた「仙台のブナ林と水・自然を守る会」会報(2002年8月)
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裏面に今回リーダーだったS氏の「猩々池紀行」と題する一文が紹介されていた。
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梅雨の猩々池は霧が深く立ちこめていた。池の周辺の木々には無数のモリアオガエルの卵塊があり。梢はその重さで深く垂れたいた。十数年前、この猩々池周辺のブナ伐採を目的とする林道の計画があったが、発足間もない当会の粘り強い運動でこれを阻止した経緯がある。当会の発足が一年遅れていたら。今ここにある猩々池は消滅していたに違いない。
それにしてもなんという数の多さだろう。子供の頭ほどの卵塊が、数百いや千は越えるかもしれない。木々の下の枝は勿論、かなり上部の枝にも卵塊があり、そのすべては下方に猩々池の水面があった。その一つが突然風に吹かれて池に落ちた。瞬間、イモリの集団が卵塊に頭を突っ込み、貪り食いはじめた。凄まじい光景だ。池の底を見ると異常なほどのイモリがいた。イモリの数とモリアオガエルの卵塊の数には絶妙のバランスがあるのだろう。それが自然の豊かさなのか、脆弱さなのかは私にはわからない。
いずれにしても、この周辺が自然のままに残せたことに誇りを感じた。
池には夕闇が迫りつつあったが心は少し明るくなった。
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実際に自然保護活動に携わった方ならではの、16年前の名文でありますね。

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ブナの会の観察会の目的は山頂を踏むことではない。
残された豊かな森に身を置き、そしてそのありがたみ・美しさを感じること。

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残雪の尾根を歩き、ブナの新緑に包まれたならば、それで十分。

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後白髭山を背景に立ち姿の美しいブナが、僕ら一行を見送った。

下山して、帰り道は少し遠回りで林道を走り、
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シャガ畑を見に行った。
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少し雨に当たったのか、花びらに残された水滴が美しさを一層引き立てていた。



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Commented by くまぷー at 2018-05-14 09:04 x
下から三枚目のブナ、素敵ですねえ。四十代、薄化粧で微笑む淑女さんに見えました。

今度探してみます。
Commented by mt1500funagata at 2018-05-14 12:13
> くまぷーさん
そうですね、稀に見る美しいブナでした。雪堤の最山側、後ろに通称ゲレンデの雪面が見えているので、大まかな位置は分かると思います。このブナを見つけるのは、さほど難しくはないと思います。
by mt1500funagata | 2018-05-13 22:40 | ブナの会行事 | Trackback | Comments(2)