七つ森 石神沢を探る

早朝から起き出して、七つ森あたりへ散歩に出かけた。
普段の散歩ならば動物たちとの偶然の出会いを一番期待するところなのだけれど、今朝はひとつの目的をもっていた。

七つ森の「石神沢」の源へ行くこと。
「石神沢」の源に聳えるであろう岩クラの下に立つこと。

「いわかみ沢」と読むのが正しいのではないかと思う。

「黒川郡の神々」と題された古い文献があって、その中に「石神沢」に触れている一文がある。
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七つ森の麓にある「石神山精(いわかみやまずみ)神社」は、元々現在の場所から数町離れた「石神沢」にあったらしいが、その「石神沢」なる地名が、逆に現在の石神の所在にちなんで名づけられたものであるかもしれない。と言うようなことが書いてある。

僕はこの一文を以前から知っていて、実は石神山精神社の吉田宮司に石神沢の場所を尋ねたことがあった。宮司は「石神沢って言うのはあの辺だ」と参道の階段から或る場所を指さして教えてくれたのである。そして、この時から僕の頭の中には、石神沢を遡って行けば、おそらく「あの岩場」に行き着くのだろうというイメージは出来上がっていた。

先週の大雪も落ち着き、今朝は放射冷却によって冷え込んでいる。石神沢を探険する条件は揃っていたのである。
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宮司が指さした場所から取り付いて、藪を漕ぎながら登るより、ある山の山腹を巻いて沢の上流部に出たほうが楽に行けそうなのは地形図をちゃんと読めばすぐわかる。

遊歩道から道を逸れて70m程度登ったところをトラバースして、遊歩道の反対側に向かう。
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まずは広く優しい尾根をひとつ跨ぐ。雪の締まり具合も良い感じで歩きやすい。

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杉の植林地の最上部あたりを横切った後の、次の尾根は岩っぽかった。
なるほど、僕が思っている岩場に近づいて来た訳だ。

今度は、ササ藪を漕いで急斜面を下ると・・・
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「石神沢」に出会った。
無雪期であっても水量は大したものではないだろう。

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意外と急です。
上部の様子を伺えば、やっぱり僕が思っていた岩場の下に出るようだ。
その岩場は以前何度も上からは覗いたことがあるけれど、下に立つのは初めてで、前々から来てみたいと思っていた場所。

やっと、この場所に立つことが出来た。
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正面
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上に向かって左側
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右側
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下(けっこうつーかかなり急)

三方を岩に囲まれた窪地状になっている「石神沢」の源。
この場所に立ってみると、冒頭の「石神沢なる地名が、逆に現在の石神の所在にちなんで名づけられたかもしれない・・・」と言う一文に疑問を持たざるを得ない。この一文を書いた方は、郷土史家と言われる方なのであろうが、多分、書物による考察が主で、実際に石神沢を遡って現地を見たことがないのだろうと思った。

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写真のとおり「石神沢」は、昔の人々が、神様が宿ると考えた岩クラに囲まれた場所を源とするのである。
神様の石(いわ)から流れ出す沢だから「石神沢」だと思う。

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急峻な岩場を登り、足の幅二つ分くらいの細い足場をトラバースして尾根に乗り上げ、遊歩道に合流し下山した。

ほんの2時間くらいで、短時間ではあったけれど緊張感を持った崖登りをし、自分で言うのも何ですが知的探求心を満たすことができた充実した朝の散歩でした。



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Commented by tabilogue2 at 2018-02-25 16:48
だいぶ昔、YMCA山岳会に入会して1年が過ぎた頃、当時会長の深野さんには勢いがあって 彼がよく口にしたのが「知的遊び心」という言葉。
「いまや未開の地はアフリカではない。それは貴方の”シャポーの下”にある」と何度も教えられたもんです。昔の彼、教祖は、、、今の彼ではないけどねw
Commented by mt1500funagata at 2018-02-25 21:36
> tabilogue2さん
深野さんとは多少のお付き合いがあり、以前は行きつけの珈琲店で船形山談義を延々と交わしていたものでした。僕の山との付き合い方にとって影響を受けたと思うのは、ブナの会の代表は勿論ですが、一番は近所で魚店を営んでいたKさんであったと思っています。地元の山に特化して登山・自然・歴史・風習・環境問題・・・とにかく膨大な深い知識を持った方ですが、それを表に出さない謙虚さは僕には真似ができないところであります。
「知的遊び心」深野さんらしい言葉ですね。
by mt1500funagata | 2018-02-24 22:33 | 七つ森界隈 | Trackback | Comments(2)