升沢小屋の冬支度

船形連峰升沢避難小屋の冬支度に行って来ました。
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うっすらと積もった雪が冬の始まりを物語り、訪れる人もほとんどいなくなる。

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テンの足跡を追うように升沢小屋へと向かう。

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ツキノワグマもまだ冬ごもりの穴を探しているのか?ウロウロしているようだった。
こうして森に暮らす動物の動きを想像しながら歩けるのは、藪が透き雪が薄く積もった季節ならでは。

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おや!?テンが雪の下に何かを見つけたようだ。
すたすた歩いていた足をふっと止め、身体を左にひねってくんくんと臭いを確かめて、前脚を雪の中に突っ込んで土を掻き出す。
そんな姿を想像するのは楽しい。

綺麗な花、美しい紅葉、見事な展望・・・見えるものだけを見ていたのでは、森を歩く面白みは半分って僕は思っている。
見えたものに少し想像というスパイスを加えるだけで、奥行きはずっと深くなると思う。

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例年、11月中旬に升沢小屋の冬支度にやって来る。
窓に雪囲いの板を落とし、スコップを小屋の外に準備する。
中でも一番の目的はバイオトイレのオガクズの総入れ替え。

ちょっと、見苦しい画像かもしれませんが今回は敢えて載せます。
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オガクズを利用したバイオトイレは、簡単に言うと糞尿に含まれる水分をオガクズが吸収し炭酸ガスを蒸発させて微生物が分解する仕組み。
だから、オガクズの含水量が多くなるとうまく機能しなくなるのですね。
このブログで、定期的にバイオトイレのメンテナンスに行ってきたなどど触れているけれど、僕がやっているメンテってのは便槽内のオガクズの含水率を低くする、つまり水分を多く含んだオガクズを取り除いて、乾燥したオガクズを補充するってこと。

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今年は何故か便槽の中が例年より水分が多かった。
もしかすると原因は、トイレの清掃をしてくださる方が水を流したことにあるかも知れない。

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こんな張り紙をしてきた。
このブログ記事を読んでいる方には、知っておいてもらいたいことだし、誰かに伝える機会があれば伝えて欲しいと思っています。

ここで、注意していただきたいのが山頂避難小屋のトイレとの違い。
山頂のトイレもバイオトイレの一種ではあるけれど、山頂のトイレは水による浄化方式ってこと。山頂のトイレは使用のつどバケツ1杯分くらいの水を流し入れることで機能する。だから山頂小屋の外にドラム缶で水を溜めているんですね。
山頂小屋のトイレ→水を流すOK
升沢小屋のトイレ→水を流すNG
という事です。

一通りの作業が終わったら、
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ごま豆乳仕立ての煮込みうどんを食べて、
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自家製のローズヒップティーを飲んで体を温める。

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午後から天候が崩れるのは予報通り。
けっこうな時間をメンテに費やしたので、雨に当たる前に早足で下山してきた。
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来週、山頂までいけるかな?

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帰る前に寄り道した鈴沼は、寒々として何か物悲しい思いがした。

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「ナイジャスキマリハーヒト・・・」
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船形山周辺を根城にするヒゲの写真家が森から聞いた言葉らしい。

僕はまだその言葉を聞くことが出来ないけれど、何百年もの時を経てもうじき土に還ろうとする朽ちたブナも、最初は一粒の種だった・・・ってことは想像できる。

「ナイジャスキマリハーヒト・・・」森と水と風とが約束した時を語った言葉だそうだ。

あなたはこの森の言の葉から、どんなことを想像しますか?



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Commented by repertum at 2017-11-21 22:29 x
避難小屋の冬支度お疲れ様です。

普段は見えない山や動物たちの姿が見られる季節がきましたね。
一つ気になったのですが、山頂小屋のトイレはどうやって屎尿を浄化しているのでしょうか?定期的に人力で屎尿を下ろしているのでしょうか。
Commented by mt1500funagata at 2017-11-21 23:08
> repertumさん
積雪が藪を覆いどこでも好きに歩けるようになるまでもう少しですね。
山頂小屋のトイレは地下浸透式の浄化槽なのですね。小屋の外にある浄化槽で微生物によって分解され地下に浸透する仕組みで、浄化槽のメンテは10数年単位で行わなければならないのです。そろそろ大規模メンテの時期だと思います。
なので、水で浄化槽まで流す必要があります。小屋の北西側にある砂がひいてある平らな場所が浄化槽です。
Commented by repertum at 2017-11-22 00:59 x
ありがとうございます。山頂小屋のトイレはどうやって汚水を処理しているんだろうと思っていたのですが、そういう仕組みだったのですね。メインテナンスの時に何か手伝えることがありましたら、又お知らせ下さい。

雪で藪が埋もれる冬も、葉っぱが落ちて見通しがきく晩秋も私の好きな時期です。今月初めに奥新川から面白山を目指したのですが、広葉樹の森を10時間以上歩いていて見かけた熊棚は一つだけ。地面には熊が折ったらしい木の枝がありましたが、それも数回見かけただけ、そして熊の糞は一度も見かけませんでした。定義や泉ヶ岳周辺では森の中は勿論、民家の庭先にまで熊棚が出来ているのに、それに比べると熊の痕跡がとても少ない気がしました。どちらも似たような植生なのに、こんなに違うとは、同じ樹種でも地域によって豊作不作の違いがあるせいでしょうか(そういえば奥新川では地面にドングリが殆ど落ちていなかったような)。「熊達はどこ行ったんだろう、二口?秋保?それとも餌を探して船形にまで出張?」等々と考えながら歩いていました。
by mt1500funagata | 2017-11-18 23:40 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(3)