鈴沼は吹雪模様

明け方、里に降った雨も山では雪だった。
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僕は週末に降る雪を待っていた。

鈴沼に降る雪、小島のナナカマドの枝に付く霧氷を期待して山へ向った。
 
小荒沢林道の入り口から歩く覚悟で出てきたのだけれど、思いのほか積雪量が少なく郡境(ぐんざかい)の十の字石入口まで車を進めることが出来た。
郡境までは日が当たったブナ林が輝いていたけれど、車を降りた途端に吹雪いてきた。
片道およそ5kmの林道を風に逆らいながら黙々と歩く。
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こうして雪を踏みながら鈴沼を目指せるのは、あと何年くらいかなあ?なんて事を考えながら歩いていたら、7~8年前の事だっただろうか?酒席での故I先生の言葉を思い出した。I先生ってのは、R山岳会の重鎮で県議会議員も長く務められていた方で、当時90歳代の後半でまもなく100歳に手が届くほどだった。歓談のなかで誰かが言った。「もうそろそろ70歳近いので・・・」概ね100歳のI先生が一喝「60代の若造が何を言っておるか!」うーん、僕なんて鼻タレ小僧だ。
平成4年10月、I先生はブナの会の代表者を伴って、当時の林野庁長官へ船形山のブナ林の保全を求め直談判を行った。僕らもハガキ作戦と称して署名ではなく、直接林野庁長官宛に大量のハガキを送り船形山のブナ林の保全を訴えた。
一時は伐採の危機に瀕した船形山北面の朝日沢源流部のブナ林が原生の姿を留めているのは故I先生のご尽力の賜物なのである。

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大滝キャンプ場は雪に覆われ、鈴沼への道では膝まで雪に潜った。

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鈴沼は吹雪。
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墨絵のような鈴沼のほとりに佇んで侘び寂びに浸る・・・なんて風流なことをしてるような状態じゃなかった。
寒いーーです。
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全面氷結する前の鈴沼を見ることが出来て良かった。
小島のナナカマドはもうじき深い雪に埋もれる。
氷の下ではイワナたちがじっと耐えて春を待つ。
満月の晩には雪原となった沼の上を月明かりに誘われたウサギが跳ね回ることだろう。
流れ込みの上流の梅花藻は凍ることなく冷たい水に揺れているだろう。
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モノトーンの鈴沼。
頭の上を冬の風が大声で唸りながら渦巻いていた。

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車に戻ればボンネットに10cmほど雪が降り積もっていた。
行きのトレースは完全に消え、5時間半、往復10.5km全行程ひとりラッセルの一日でした。


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Commented by utinopetika2 at 2016-12-10 21:30
お疲れ様でした。
鈴沼も冬の佇まいとなりましたね。
Commented by mt1500funagata at 2016-12-11 21:58
> utinopetika2さん
半分凍った沼の小島に雪の花が咲くって光景を期待したのですが、枝の雪は風に飛ばされてしまっていました。
小荒沢林道は、もう通行不能でしょうね。
by mt1500funagata | 2016-12-10 20:10 | 鈴沼 | Trackback | Comments(2)