面白山大権現 赤い磐座の御神体へ参詣叶う

南面白山。この秋三度目の入山となった。
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紅葉川渓谷の紅葉も見ごろになった仙山線面白山高原駅周辺。

前回、10月22日に面白山大権現御神体を探して権現沢を完全遡行したのだけれど、御神体を見つけることが出来なかった。
過去記事:面白山大権現の御神体(10月22日)
http://bunatayori.exblog.jp/26084242/
その後、関連する本を調べ、過去に実見した方々から話を伺い、地形図や概念図を穴が開くほど見返し、御神体探しもいよいよ佳境を迎えることとなった。
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駅の傍らにある、首のない姥神様にご挨拶し、以下のヒントを手がかりに権現沢へと向った。

■権現様への道筋の要所に杉の木があるという。
■広場の北側は沢壁になっていて、そこに幅三尺高さ五尺くらいの金気石が姿を現わしている。これが面白権現様である。右そばには滝がある。
(深野稔生著:山遊び山語り 二口編)
■滝の脇の砂礫の崖状になっているところに、高さ2mくらいの小豆色をした岩が突出している。カシューナッツを大きくしたような形。
■その手前には「血の池」と呼ばれる赤い砂地に水がたまったところがある。
■前回の遡行で聖域へ向う二股を間違っていた。
(平成4年ころ深野氏と共に実見した、もときちさんからの聞き取り)

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大黒淵を巻き上がる所にある杉。
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大黒淵上流の鐶滝(かんかね滝)を越え、権現沢へと導く杉。(10/22撮影)

これまでの山行と地図等での地形の把握が出来れば、上流の権現滝へも沢を詰めずとも行き着くことが出来るようになった。
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急斜面を強引に下降して
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 「山寺堰源流」の石碑が近くにある権現滝(滝名は推測)へと降り立った。
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滝の近くには、聖域への道標となる杉。前回は左股へ進むべき二股を別な場所と思い込んでいた為に、この杉を見落としていた。

この杉の辺りから、沢床の色が変わってくる。
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いよいよ血の池も近いと思われたが・・・

実は一旦見逃して通り過ぎてしまったのである。
しばらく沢を遡行し源頭が近くなっても御神体らしいものは見つからない。
同行のmaro7さんが、ある方に携帯電話で連絡をしてみた。抜群のタイミングで連絡が付き、僕らは先ほどの杉のある場所へと引き返した。その方は天童市在住のA氏と言い、県境の関山峠から面白山周辺にかけて精通している方である。

改めて、聖域の入り口を示す杉の周辺を探索した。
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これが「血の池」か?

場所は、ほぼ特定出来たと言って良い。
今度は2mのカシューナッツをキーワードに岩を探すことにした。
「あ!カシューナッツ!あれだ!」
最初に通った時にあった、あの岩しかないと女性陣が言う。

今までの聞き取りと考察から想像していたものとは異なる形状でその岩はあった。

下山してA氏と再度連絡を取った内容に由れば、ここ5年ほどの間にA氏を含めた上記の方々が訪れた当時と現在の御神体の存在する地形が、やはり変わってしまっていたようであった。5年前の震災の影響なのかも知れない。

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「赤い金気石」の面白権現の磐座。
やはり、湯殿山の御神体を連想させる。

写真を載せられるのは、ここまで。
深野氏もここまでの写真しか、本に掲載していない。湯殿山御神体の掟である「語るなかれ聞くなかれ」を踏襲したものであるかは定かではないが、僕もこれに倣うことにしたいと思う。

なんでもかんでもネットを通して公開すりゃイイってもんじゃあない。(と僕は思っている)
御神体へ行き着くまでの経緯、道筋、そして御神体そのもの。自分で考察し現地へ足を運び、そして実見することに意味と価値がある。(と僕は思っている)
そして、興味と好奇心と探究心を持って次に現地へ行ってみようと思う次の世代の人たちが現れることで、この面白山大権現の御神体が伝承されて行くのだ。(と僕は思っている)

何気に簡単な沢登りと思いつき、やって来た南面白山。
そのブログ記事に反応してくれた「もときちさん」と連絡がとれる環境ができたこと、現地で状況確認させてもらった「天童市のA氏」の存在。現地でのA氏からの返信アドバイスがあと数十分遅れていたら僕らは引き返えさなかったかも知れない。
1日前にmaro7さんへA氏からの電話、その電話があと1日遅かったら現地でのアドバイスもなかったかも知れない。
そして、そもそも何気に沢登りにご一緒したウエマツ氏やmaro7さん。
歴史的な興味・探究心が一致していなかったり、maro7さんの人脈がなければ御神体との対面はなかっただろう。

一連のことを思い返してみると、様々な偶然が僕らを御神体へと導いてくれたのではないかと思える。一つ一つが偶然ではなく繋がっているようにも思える。

そうだ、僕らは面白山大権現に会いに行ったのではなく呼ばれたのだ。

来年には磐座に引っかかっていた倒木を除け、落ち葉や泥を払い綺麗にして来たいと今は思っている。

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権現様峠の菩提樹。シナノキ科ではあるけれど正確に菩提樹であるかは判断がつかなかった。

沢歩いていると
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大量のムキタケや
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大量のナメコとの出合いもある。(キノコ採取禁止区域のずっと上流です、念のため)

権現様峠から奥新川峠を経由して下山したけれど、
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歩きやすさや周りの景色、感動を覚えるほど良い登山道だった。


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Commented by tabilogue2 at 2016-11-08 12:46
ついに行かれましたか・・・ でも 上機嫌ではなさそう 達成感がヨワいと感じましたw 心のどこかで コレについても別のコレが存在するのでは? と思う不安がそうさせてるのかな? 僕も送って戴いた写真を見て、、、おや? と半信半疑で確信が持てずにいますw

「最後の杉から血の池までの距離感」と「血の池からご神体までの距離感」が実見分でないとピンときません。局部だけの画像だけでは無理が多いです。それも含めた引いた周囲の風景を見せてもらえばよかったかも・・・まして 木の葉が落ちた秋ではなく 緑茂ったその当時の季節と同時期に写真に収めてみたいものだと思いました。暗部でもブレないように高感度カメラを用意していきます。となれば、、、こりゃあ 行って実見分しなければぁ・・・と思ったしだいです。



カンカネ滝もブログ写真では左岸が登りやすそうですから わざわざ右岸からチェーンは使わないですよね、ごもっともな話です。僕らも当時 右岸のチェーンを見つつ左岸から登っていました。幕末から昭和戦後まで 信者たちは右岸も左岸も登りにくかったものと想像できます。カンカネがないと登れなかったわっけです。今それが無いということは 滝自体が崩落し 後退して 現在に至っていると思いました。ですので カンカネのあった右岸は左岸ともに崩れたものと思います。それも実見分で確かめたいと思います。

あと カシューナッツじゃなくて、アーモンドのようなウルトラマン顔の岩ですよw それが土手に半身を埋めていたこと・・・これを確かめるだけですね 崩れたかもしれませんが。 以上 メールでも電話ででも お返事お待ちしております。 実見分は来年の6月頃でしょうかね 楽しみにしております。次は 4度目の権現沢になります(´艸`)
Commented by mt1500funagata at 2016-11-08 22:54
> tabilogue2さん
是非、来年の6月頃にご一緒しましょう。
僕らの中では正解にたどり着いたと思っています。年月の中で地形は変わるでしょうし、特に大きな地震もありましたからね。正確な場所が記載された地形図や御神体を写した写真とかがあれば、簡単に答え合わせが出来るのですが、逆にそれらがないことで自分達で考察し何度も現地へ足を運ぶという面白さが生まれたと思っています。そして、もときちさんや天童のAさん方と一緒に現地へ行って見分するという次の楽しみも生まれました。

船形山に関しては、ナグサメの滝の探索
http://bunatayori.exblog.jp/22487358/
山頂直下の幻の水場の探索
http://bunatayori.exblog.jp/24852538/
薬師森の蔵王権現を祀った大石の探索
http://bunatayori.exblog.jp/25589040/
と、こんな事をしている中で、何かを探求するために山へ向うという楽しみ方を覚えていった訳です。

面白山大権現の御神体に惹かれたのは、もしかすると御神体を特定し参拝することが目的だったのではなく、そこに至るまでの過程を楽しみたいってことだったのかも知れませんね。
そして、共通の興味と目的を持って山行をご一緒したmaro7さん、おっかないさん、ウエマツさん、yoshikoさんとの一体感。山道具の店で顔を合わせるだけだった、もときちさんとのやり取りで僕のなかに生まれた親近感。これらが権現様のご利益って思っています。

先の話になりますが、ご一緒に権現様に会いに行く時のことを楽しみにしています。
いろいろ教えて頂きありがとうございました。
by mt1500funagata | 2016-11-05 23:47 | ほかの山 | Trackback | Comments(2)