片腕のツキノワグマ

9月であります。食欲の秋の始まりです。
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僕がパトロールと称してしょちゅう訪れる船形山の麓の嘉太神地区。
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まだ夏の暑さは残っているけれど、ツキノワグマはすでに栗の木に登り秋の食生活が始まっているようだった。
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この栗の木には毎年ツキノワグマがやってくる。栗が終わったら隣に生えている柿を喰いにやってくる。地主のおじさんが下草を刈って手入れしてキレイになってる林床に落ちたドングリも喰いにやってくる。

この栗林の地主のおじさんはツキノワグマに寛容で、「俺だぢどツキノワグマど分け合って柿喰ってんだ~」なんてことを言ってた。

近くには許してもらえないツキノワグマもいる。
養魚場で生簀のサカナを狙っているツキノワグマ。
見つかったら殺される。
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人がいないのをイイことにサカナ捕りに夢中で僕が写真を撮り始めたのにも気が付かないほどだった。
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僕はツキノワグマを見ながら望遠レンズに交換した。
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ようやく僕の存在に気づいたのか僕を意識し始めたようだ。
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こちらに向って歩き始めた。
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慌てて逃げ出すでもなく落ち着いていた。僕も彼があからさまに敵意を持っていないと判断して落ち着いていた。
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彼の動き方が少しぎこちないと思っていたら・・・
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前足の先が欠損していた。
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彼はどんどん近づいてきて僕を少しは意識しているようだったけど、僕を無視して
一番手前の生簀のサカナを狙った。
養魚場の方には申し訳ないけれど、僕はこのツキノワグマを応援した。
上手くサカナが捕れればいいね!
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僕が見ていた限り、彼はサカナを捕ることが出来なかった。
バツの悪そうな顔で彼は僕を見た。ツキノワグマのニンゲン臭い仕草だった。
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今日はイイとこ見せられなかったよー、いつもはもっと上手に捕れるんだけどね!
とでも言いたげな顔。
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裏の川のほうに帰って行った。
僕が帰ったあとに彼はまた戻ってくるだろう。

この養魚場では毎年のようにツキノワグマが罠にかかって捕殺される。
およそ15分間近くにいた片腕のツキノワグマの行く末を案じながら僕はこの場をあとにした。


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Commented by nao at 2016-09-06 12:34 x
チバさんこんにちは♪
クマさんかわいいですね。まぁ近くにいないから言えることですが・・・私もチバさんと同じく魚が取れるといいねって応援しちゃいますね。何も知らない私から見れば、クマに狙われるような所に生簀をつくるなよ!!って言ってしまう。チバさんの言ってるクマの習性を考えると、胸が締め付けられますね。自然界は厳しいから、こういうことは私は知ろうとしないので、そんな習性が・・と思うとせつないです。。。みんなクマをみると平気で処分する気持ちがどうやっても理解できない。なんとか無事に生き延びてほしいと、願う事しかできないのがまたもどかしいです。
Commented by mt1500funagata at 2016-09-06 19:43
> naoさん
コメントありがとうございます。
クマって仕草や顔つきはかわいいですね。
でも、クマのことを知るほどに甘くみてたら危ないよ!って思っています。ツキノワグマは木の実を食べて臆病で人を避けて・・・云々。このように誤解を生むような表現が見受けられますが、そんなことないです。今年発生した秋田の人的被害を見れば明らかです。

この養魚場では被害があるから捕殺するのではなく被害を受けないような対策(電気柵設置とか)を講じることが先決だと思いますが、それぞれに事情があるのでしょうね。

僕は盲目的に殺しちゃいかん保護しろ!と唱えているわけではなく、適整数を維持し共存を図ることが大切だと思っているのですが、この片腕のクマに対しては頑張って生き延びて欲しいって思う感情があります。

日本ツキノワグマ研究所の米田所長の見立てでは、この片腕のクマは一昨年の2月に生まれた満2歳半の少年(少女?)グマではないかとのことでした。
by mt1500funagata | 2016-09-03 23:36 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(2)