盆休みの夕方、4日間続けてツキノワグマの観察に出かけた。
場所は船形山の山麓、集団移転で住む人の居なくなった嘉太神地区。

4日間で、延べ9頭(6個体?)のツキノワグマを目視観察することが出来た。
ここは、ある生産施設の敷地内で廃棄物などがクマのエサとなり、人が帰った夕方から夜間・早朝にかけて多くのツキノワグマが集まってくる。

生産施設に影響があるかも知れないので、写真は加工し施設内の状況は分らないようにしています。


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鼻筋に目立つ斜めのキズがあるオス。この個体は約1ヶ月に渡り定点観察続けたトレイルカメラに記録されていない。と言うことは、カメラを設置したクマの道以外のルートでやってくると考えられる。これで、この周辺のツキノワグマの個体数は僕の推定で17頭目になった。

生産施設の社長はじめ従業員の人も僕が近くにトレイルカメラを設置しているのは知っているし、皆さんも多くのクマを目撃している。先の個体識別や行動時間帯のグラフ結果もお伝えしていて、電気柵の下草刈りの手伝いとかもしている。
一緒になって被害防止策を検討したり、クマ研究者から得た情報を提供したりもしている。自分の趣味と言うか興味でやっているツキノワグマ観察だけれど、施設の方にとっては重要な情報として位置づけてもらっている。

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13日18時30分ころ。
鼻キズ♂は、僕の車がやってきても逃げない。ドアを開けて写真を撮り始めても逃げない。すると、向こうの藪から別なクマ(おそらくカメラに写った腹シロ♀)が現れて鼻キズに近づいてくる。鼻キズも気にすることなくエサ探しに夢中になっている。2頭並んでエサを探し、共に排除しあう様子は全く見られない。鼻キズが立ち去ったあとも腹シロはその場に居残りエサを探す。後方の藪から小型の別個体が顔を見せるが、腹シロが居るのを認め藪に戻りその後僕が見てる間に姿を現わすことはなかった。しばらくして鼻キズが戻って来たが、腹シロは逃げない。腹シロは満足したのかゆっくり立ち去り、鼻キズだけが現場に居残った。

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発情による♂♀接近ではないので、ツキノワグマは縄張り意識が低くエサが充分にあれば他のクマを排除しないと言うことは知識として知ってはいたが、実際に目視確認することが出来た。

そして、もうひとつ垣間見えたのが序列。上記の3頭を観察している途中にクマの道のほうに帰って行くクマも見ている。つまり、同時に4頭のクマを観察した訳だけれど、同列の鼻キズと腹シロ、下位の小型。(帰って行った中型は採食を終え戻ったのか?ほかのクマが居たのであきらめて戻ったのか?は不明)
下位の小型は、上位のクマが姿を消すまで隠れて待っていたと推測する。エサが豊富にあり多くのクマが集まる場所では、序列が出来上がっていて、その序列を乱すことさえなければ排除行為は行われずクマ社会のコミュニティが成立していると言うことなのだろう。

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さて、表題の追い払い。
4日間で観察したクマとの距離は最接近で約6m、上の写真は約30m。
6m前を小走りするクマの写真なんて撮れるもんじゃあない!クマ撃退スプレーをホルダーから出しながら車に逃げ込むのが精一杯。写真撮れる度胸のある協力者求めます!

このように野生のツキノワグマを好きに弄れるのは、めったにある機会ではない。せっかくなので、クマはどの程度の脅威に反応し追い払うことが出来るのかを試してみた。

状況は、どの事例もクマとの距離約20m~25m。上の写真のすぐ後は川で、ジムニーのエンジン音よりも水流の音のほうが大きく聞こえる場所。風はほとんどなく15日は雨。
<事例1>
12日:施設敷地内にいた小型。車近づく→逃げない。車のドアを開ける音→反応しこちらの様子を伺う。車から降りる人間(僕)→走って逃げ出す。
その後30分ほどの間に戻って来ることはなかった。(観察終了)

<事例2>
市販のクマ鈴。
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普通のハイカーが持つのはこんな程度のものでしょう。僕も大したクマ鈴は持っていない。
車近づく→逃げない。車のドアを開けて降りる→逃げないというより気づいていない、若しくは無視。クマ鈴を思い切り鳴らす→逃げない(聞こえていないor無視?)(観察継続)

クマ鈴を鳴らしながらどこまで近づけば逃げ出すのか、試みてもらえる度胸のある協力者求めます!

<事例3>
ホイッスル
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ホイッスルを鳴らす→逃げない。更に鳴らす→反応し周辺の様子を伺う(あれー?なんか音が聞こえるがなんだろう?ってカンジ)更にしつこく鳴らす→ホイッスルを鳴らしている僕と目が合い立ち去る(慌てて逃げた感じではない)
その後、数分で戻って来た。(観察継続)

<事例4>
声①
コラ!→逃げない(逃げないというより気づいていない、若しくは無視)。声の限りにコラーーー!!!!反応し周辺の様子を伺う(あれー?なんか声が聞こえるがなんだろう?ってカンジ)。更にしつこくコラーーー!!!→叫んでいる僕と目が合い立ち去る(慌てて逃げた感じではない)
その後、数分で戻って来た。(観察継続)
声②
ホーイ!ホッホー!!→コラ!よりも遠かったが、一声で反応。立ち去る。
その後、20分以内に戻ることはなかった。(観察終了)

<事例5>
クラクション
短く鳴らす→逃げない(逃げないというより気づいていない、若しくは無視)。長く鳴らす→反応し周辺の様子を伺う(あれー?なんか音が聞こえるがなんだろう?ってカンジ)。更に長く鳴らし続ける→立ち去る(うるせーなー!って渋々動いた感じ)
その後、3分程度で戻って来る(観察継続)

<事例6>
爆竹
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爆竹を鳴らす(16連発)→慌てて逃げ出す。
その後、8分後にクマが現れるが、逃げたクマと同一個体かは不明。

<まとめ>
エサが豊富にあり生息密度が極めて高い環境、日中は作業する人がいてトラックなど車が出入りするのを知っているというクマのタイプ、エサを求めるなど徘徊しているクマではない・・・など、一般的なハイカーや山菜きのこ採り、渓流釣りにおけるクマとの遭遇・接近とは状況が違う前提。また、事例の母数そのものが少ないので確証を得たものではない事を前提としています。

①クマ鈴→意味なし。
②ホイッスル・クラクションなど大きな音→相当しつこく出さないと効果なし。
③大声→相当大きな声でしつこく出さないと効果なし。巻き狩りで勢子が使うホーイ!ホーイ!って、やはり効果ありそうですね。
④爆竹→効果あり。但しその効果の持続性は10分以内になくなる。

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この結果で持ってクマの追い払い方を結論づけることは当然出来ない。あくまでも特殊な環境の中での一例に過ぎないのですね。
クマ鈴については、ツキノワグマ研究所のレポートでも追い払い効果は乏しいとありますが、追い払うことは出来なくとも人の存在を知らせ、近寄らせないという効果はあるかもしれないと思う。クマ鈴が獲物としての人の存在を知らせクマを誘うと言う説もありますが、よほど特殊な環境で特殊な学習をしてしまったクマに限ると思います。
この施設周辺以外で、車で走行中に出会うクマや山で偶然出会ったクマは、車や人を認めたとたんに逃げる(立ち去る)ケースがほとんどな訳です。(もちろん逃げないクマもいる)

どうすれば近づかせない或いは追い払うと言う事は画一的に論じるのは無理な話で、10頭のクマが居れば10通りの対策、環境によっても対策は変わるのだということだと思っています。
人間だってそうでしょ?静かに立ち去って下さいとお願いして、すぐ立ち去ってくれる人も居れば、しつこく言ってやっと立ち去る人も居れば逆ギレして突っかてくる人も居る。クマだって同じなんじゃあないでしょうかね?


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# by mt1500funagata | 2018-08-17 10:31 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(8)

8月11日、今年で3年目を迎える山の日の祝日。
せっかくなので、県外の山まで出かけた。

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夜の山に抱かれたくて登山口にテントを張るつもりで出てきたのだけれど、雨ガス強風の3点セットで車中泊となった。登山前の早朝からの長距離運転は性に合わないし、山で寝ることがその山に対する情念を持つ一端になると思っている。本来は、山中泊したいところだが今の僕を取り巻く環境は、丸々2日間を自由に使うことは難しい。

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未明の登山口で、同じく前泊だった石巻から来たという男性。登山と言うよりは、蝶の観察が目的なのだそうだ。風が強いのを心配していた。風があると蝶の観察が難しくなるらしい。

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トイレ2階の休憩室でシュラフに包まっていた男性。リタイアしたのちの数年間は年間山行日数が300日を越え、全国の山々を登りつくしたのだそうだ。青森から来たと言うその男性は、「やっぱりこの山が好きでさー」と特に良く来るらしい。

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心配していた強風も、歩き出してからはさほど気にならない程度になり、振り返れば雲海が広がる素敵な登りとなった。

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群馬から来たと言うご夫婦。ご主人はBCスキーが好きで、この山へは良く来るのだそうだ。僕らが宮城から来たというと隣県だから、しょっちゅう来るのだろうね?と言われた。群馬から来た人にとって僕らは隣町から来るみたいな感覚なのだろうが、近い山って船形山や七つ森を指すものと思っている僕にとって県外の山は隣県であっても遠い山なのである。

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アザミと言えば八代亜紀が唄った「恋あざみ」が頭のどこかにあるのか、一昔前の飲み屋の女性を連想してしまうのだけれど、固有種のチョウカイアザミは、さすがに色も濃く重厚感がありいつものアザミとは違った印象だった。

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「私たちは行けるところまでで良いのよ~」と急な登りのあざみ坂の途中で、雲海の風景のなかに身を置くご夫婦。うーん!イイんじゃあない?こんな余裕をもった山登り。

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そして、同行の登山女子Y子さん。山に来るようになって今年10年目になる。10年前「イワウチワ初めておぼえた春の花旗坂平の入口に咲く」と詠んだ彼女も今では森の案内人としてインストラクターを務めるまでになった。雪山テント泊、岩壁ビバーグ、テントを出てから下山まで15時間連続行動の長丁場も経験しているし、沢は笹木沢・葛根田・火の沢・五郎沢・・・etc。日帰り登山を30年続けたとしても到底経験できないような経験と場数を踏んでいる。

ある沢での話。僕が山に引き込んだと言うこともあり色々と手を貸していたところで、オヤブンから一喝!「あまり手を貸すとY子君の成長がなくなる!」って・・・山岳会じゃあないんですけどー。オヤブンはY子さんを連れられて歩くだけの山女子になって欲しくなかったのだろう。だから、こうして踏み跡もよく分らない雪渓を先行できるまでになった。

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急な登りを終え、外輪山に到達したところで山頂が圧倒的な迫力で目に飛び込んできた。さすがは東北を代表する山の迫力である。

横浜から来たという美男美女のご夫婦。鶴岡に友人が居て、友人を訪ねる旅行をかねて年一の夫婦登山なのだそうだ。年に一度の割には格好も決まっていて足も早かった。礼儀正しく上品な稀にみるイケメン夫婦だった。

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新山への途中の鞍部で、雪渓の端っこの池から氷を少し頂いた。手が痺れるような冷たさと言う表現があるけれど実際痺れた。
それはあとでのお楽しみのため。

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ザックをデポし、新山をピストンし終えたころには、
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キンンキンにビールが冷えて仕上がっていた。鳥海山と山の日にカンパーイ!


山頂で会った若いカップル。「実は僕、今日が山デビューなんですよー。」山好きな彼女に連れられてここまでやってきたそうだ。初めての登山の印象を聞いたところ、「楽しいです!来て良かったです!」

山の日の鳥海山。多くの人が登り、それぞれに山の日の登山を楽しんでいた。




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# by mt1500funagata | 2018-08-12 23:48 | ほかの山 | Trackback | Comments(0)

約1ヶ月に及ぶ定点観察に一段落をつけたところで、カメラの設置位置を少し変えてみた。
今まで設置していたのは、舗装道路から7~8m入った廃道の脇だったけれど、何度も通っているうちにカメラと舗装道路の間(カメラの背後)にも廃道と交差するクマの道があるのではないかと思うようになった。

そこで、カメラの位置を舗装道路よりに移し交差するクマの道も写るようにしてみた。

興味深い動画撮れました。
ここでネタばらしするより動画を見てもらったほうが面白いと思うので、敢えて静止画は掲載しませんでした。(1分17秒)

スマホの方はyoutube直リンクのほうが見やすいと思います。
https://youtu.be/fhp4bzJiF7o

そして、設置の高さを少し低めにすると個体識別がしやすいのが分った。
移動した7月31日から8月7日早朝までに記録されたのは、32イベント・35カット。
先の1ヶ月の個体識別を試みた時に1頭と数えていた細身のクマは実は3頭いた。胸の三日月マークが写ると違いがわかりますね。そして初めて写った個体もあった。
カメラ、あと3台あればもっと正確に識別が可能な気がする。来年チャレンジしようかな?
これも動画を直接見てもらったほうが良いでしょう。(1分16秒)

スマホの方はyoutube直リンクのほうが見やすいと思います。
https://youtu.be/68u7NZuugfk



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# by mt1500funagata | 2018-08-08 22:37 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(6)

土曜日(8月4日)の話です。
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どこか人気のないところでオカリナの練習でもしようかと思い立って、山のほうへ向った。
先ずは嘉太神のトレイルカメラをチェック。前回から少し設置位置を変えたカメラは、またまた興味深い動画を記録していたけれど、それは次回の記事で触れたいと思う。

今回は、ブナの話。

今年のブナは豊作のようだ。
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7月にぶなの実が大量に落ちているのを不思議に思った僕は、その道の専門家に教えを乞うた。
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(参考画像)7月上旬に大量に落ちたブナの実

まだ熟していない実を落とすのには理由があるのだろうか?
理由はあった。しかも、それは生き残るためのブナの知恵によるものだった。

ブナの豊作が4年から7年周期であること、ブナの花が雪解け前に咲くこと、実より先にイガが出来ること、そして6~7月に大量の実を落とすこと・・・それはある敵対する虫に対抗するためのブナの知恵によるものだった。

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落ちていたブナの実に小さな穴が開いているのに気づきましたか?

これは、ブナの実しか食わない峨の幼虫「ブナヒメシンクイ」によるもの。
ブナヒメシンクイは、雪解けと同時に羽化しブナの花に卵を産み付ける。

ブナの花が沢山咲き実が豊作だったならば、ブナヒメシンクイも同じく大量に発生する。だから、数年間は凶作・並み作を繰り返しブナヒメシンクイの発生を抑制し、頃合いをみて大量に実を付けてブナヒメシンクイにある程度喰われたとしても大丈夫だと判断した年が豊作年になるって訳。

ブナの花が雪解け前の早春に咲くのは、ほかの虫が羽化する前に花を咲かせてしまい、イガを形成することによって実を守るため。残雪のブナ林で雪の上に落ちたブナの花は美しいけれど、ここにもブナとブナヒメシンクイとの熾烈な生存競争があるのですね。

そして、豊作の年。ブナが地中から養分を吸収し吸い上げるのは6月ころに一旦ストップする。そして、ブナヒメシンクイに喰われた実を選別して落とす。食害を受けた実を落としきってしまったら、養分の吸収を再開するのだそうだ。

なんか、すごくないですか?
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ブナとブナヒメシンクイとの関係性は、もっと複雑で難しいのだけれど間単に要約すると上記のようなこと。

ブナはそれぞれ根っこが違う独立した樹木だけれど、一本一本が独自にその周期を作るのではなく森全体のブナが一斉にその周期を作っているって考えると、示し合わせるようなブナ同士のコミュニケーションがあるなかな???って思ってしまう。
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ブナの森に佇むと感じる独特の感覚、ブナには意思と記憶があるのではないかと思ってしまう感覚。やはり僕はブナには意思と記憶があるのだと思う。

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朝から気温が上がった暑い夏の日、大滝キャンプ場の駐車場の車もまばらだった。

鈴沼にも誰もいない。今日は山に登らない歩かない。鈴沼のほとりで数時間を一人で過ごした。ブナに囲まれ美しい沼のほとりで僕は、やさしさに包まれた。


始めて4ヶ月のオカリナ。上手に吹くことは出来ないけれど、気持ちよく吹く楽しさがわかって来ました。秋には桑沼デビューしたいところですね。


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# by mt1500funagata | 2018-08-06 00:25 | 鈴沼 | Trackback | Comments(6)

船形山の麓、集団移転により人が住まなくなった大和町嘉太神地区。
この場所に、7月1日から30日までトレイルカメラを設置しておよそ1ヶ月。
無人自動カメラは、合計117カットに及ぶツキノワグマの動画を記録した。
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1ヶ月以上に渡り、そして今も設置し続けている理由は、最初の頃に写った片腕と思われるクマがまた現れてその姿をはっきり示してもらいたいという思いだった。けれど、せっかく多くのクマの動画が撮れたことだし、この際もう少し嘉太神のクマのことを知ってみたいと思い、動画の分析をしてみた。

まず記録された時間を元に、日にちと時間ごとにグラフ化してみた。
大雑把に個体ごとに色分けをしてみると面白い結果になった。

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面白いのは9日20時台と16日0時台。短時間のなかで複数のクマが同じところを同じような動きで移動している。この時間以外にも1分と置かずに別なクマが写った連続カットがあったけれど、その2頭はどちらも同じクマだった。太目のクマが歩いた1~2分後に細めのクマが歩く。その2頭には何か関係性があるのだろうか?交尾相手としてメスの後をオスが追いかけている?親離れしたばかりの子グマが母親を追いかけている?分らない。ほかの動画から先に歩いている太目のクマは、どうもオスではないかと思う。分らない。


次に全記録を時間分けしてみた。
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このグラフだけを捉えると、やっぱりツキノワグマは夜行性なんだって思ってしまうけれど、この結果に騙されてはいけないと僕は思っている。
このトレイルカメラを設置した場所は、ある生産施設のすぐ近くで日中はトラックも出入りし、そこに働く人もいる。このグラフの表すところは、その生産施設から出る廃棄物がエサとなり、そのエサを求めて周辺のクマが夜の間に集まってくるという結果だと考えている。

つまり、このグラフはクマがその生産施設にはエサがあり、人がいなくなる夜間には容易にエサを得ることが出来るとクマが「学習した結果」を表しているのではないかと考えるのである。
(特に暑い期間だったから日中動くのがイヤだっただけかも知れませんけどね)

もちろん、こうして多くのクマが1ヶ所に集まってくる訳だから、この周辺のツキノワグマの生息密度が著しく高いというのは言うまでもない。


あと余談的なことだけれど、嘉太神地区にイノシシは多く生息していてカメラの設置場所の百数十メートル手前までイノシシの痕跡がとても多くあるのだけれど、カメラにイノシシが写ったのは1ヶ月間でたった1回(1匹)だけ。このクマの道をイノシシは避けているとしか思えない。

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動画を繰り返し見て、静止画を切り出し並べ見比べてみた結果、僕としては子グマ2頭を含む13頭と言う結論に至った。もちろん僕の感覚的なことが大きく影響しているので正確とは限らない。言葉を正しく使うならば、10頭前後のツキノワグマが記録されたということだろう。(上のグラフの色分けはかなり大雑把な個体識別)

①一番多く記録されていた、体型が引き締まった(痩せている)個体。
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②次に多く記録されていた太目の大型。
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③2~3才と思われる若メス。
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④逞しい体つきの青年と思われるオス?
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⑤やや大型の太っちょ(お尻に脱毛部分がある)
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⑥腹が垂れ下がったメタボの極太。
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⑦小さいチ○コの若オス。
 
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⑧イケメン中型。
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⑨乳首の垂れた出産経験のあるメス。
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⑩片腕?
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⑪⑫⑬母グマと子グマ2頭
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以上13頭????

切り出した静止画をWebアルバムにアップしました。100枚以上ありますから興味のある方は個体識別にチャレンジして結果をお知らせ下さい。

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最後にトレイルカメラの動画です。クマたちもカメラに慣れてきたのか?僕に気を遣うようになったのか?カメラに興味を示したカットだけ編集してみました。
(2分06秒)

スマホの方はYouTube直リンクのほうが見やすいと思います。
https://youtu.be/2mDAxRXnlSc



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# by mt1500funagata | 2018-08-03 23:12 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(12)

雨降りのブナの森。
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船形山升沢コース登山口、旗坂キャンプ場付近のブナの森。
雨降りのせいで、辺りには誰もいない。
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ここ数日、日照りのような日が続いていたので、濡れた葉っぱを纏うブナの森は瑞々しく輝いていた。

ブナ林は雨の日のほうがいいなあ~。

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今年3月、ブナの会観察会の時に聞いた森に響くオカリナの音色に魅了された僕は、その観察会の帰り道でオカリナを購入した。

練習するのは主に通勤途中の信号待ちの時間。オカリナの上達法のひとつに①短く区切る②繰り返すというのがあるらしく、信号待ちの僅かな時間でも一小節を何回か繰り返すことが出来るのですね。僕の住む大和町から勤め先の仙台市内中心部まで、特に月曜日なんて1時間半くらいかかる訳で練習する時間は合計するとけっこうな時間になる。
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もともと僕は会社で行うストレスチェックでも、トップクラスのストレスレスなのだけれど、信号待ちの時間をオカリナの練習に当てるようにすると、信号待ちがストレスではなくなるのですね。むしろ赤信号待ってました!ってことになる。
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ここのところクマの動画ばっかりで、ブログタイトルが「船形山からクマの便り」になりそうなので、ブナの森で動画を撮ってみました。

始めて4ヵ月、まだまだ上手に吹く難しさを感じているところですが、ブナの森で吹くオカリナってとっても気持ちが良いです。



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# by mt1500funagata | 2018-07-28 23:17 | オカリナ | Trackback | Comments(6)

嘉太神に設置しているトレイルカメラは、今年生まれた子を2頭連れた母子グマを捉えていた。
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当歳の子グマにとって最大の危険期間を乗り切り、もう繁華街に出てきても大丈夫!ってカンジなんでしょうかね?

ご承知の方も多いと思いますが、子グマの天敵は発情期のオス。
雌グマの後を追っているような行動も見られるクマがウジャウジャいるこんな場所に子連れで出てくるのは、母子グマにとっては大変なリスクなのだろうけど、カワイイ顔をしたお母さんはもう危険はないと判断したのだろうか?それとも、見た感じ若い母グマで経験不足から危険であることを知らずに出てきてしまったのだろうか?
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この子グマが無事に成長してゆく姿を見守りたいと思う。

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ツキノワグマの大好きなコウゾの実が実り始めた嘉太神。縄文時代からの歴史があるこの地区で、中世の紙すきのために使われていたかもしれないコウゾ。
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桑の実やイチゴ類など初夏の液果は僕も好んで食べるけれど、このコウゾだけはちょっと苦手。なんたって甘すぎる。熟さずほとんど味のない桑の実や酸っぱすぎる山ぶどうも喰うし、そして甘すぎるこのコウゾ。ツキノワグマの皆さんの味覚の幅はかなり広い。

こんなこと書いてると、ツキノワグマは果物や木の実が好きな森のクマさんみたいなイメージになるけれど、動物の腐肉も喰うし死んだツキノワグマの肉も喰う。最初の写真の子グマなんて、とっても可愛らしいけれど、ツキノワグマが猛獣であることを忘れてはいけないと思う。

22日の夕方、嘉太神の橋のたもとで川を渡るツキノワグマを見つけた。
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左岸の藪に入って行ったクマの先回りをして、藪の消えるあたりで待っていたけれどクマは現れなかった。川沿いの藪の中を下流のほうへ移動したのか?或いは僕の存在が邪魔で、藪の中に身を隠していたのかも知れない。このクマはトレイルカメラが捉えていいた、身体の線が細い個体だと思う。

そんな訳で、今までのトレイルカメラが撮影したクマの個体比較のために、並べた写真を作ってみた。
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2と4は同じ個体かも知れない。カメラの位置は変わらず向きがほんのちょっと変わっているだけ。大きさの比較をしてみると面白い。
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これも2と4は同じかな?

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1と6、2と5は同じかも知れない。

同じ場所から撮影した20秒の動画は現在50カットを数える。(同じ道で少し離れた場所でのカットを含めると88カット)暇さえあれば繰り返し見ているのだけれど、2週間の間に今回の親子3頭を含め10頭前後のツキノワグマが同じ場所を歩いている。
ホント、ここってツキノワグマ多いですよね!上の写真のクマが渡るこのすぐ近くの沢に渓流釣りで一人で入る人もいるけれど、僕にはもー出来ないな!

最後に子グマが写っている動画です。(1分19秒)

スマホの方はYouTube直リンクのほうが見やすいと思います。




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# by mt1500funagata | 2018-07-24 23:56 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(6)

暑い日が続いていますね!
皆さん夏バテなんかしていないでしょうか?僕も少しバテ気味。

そんな時は、涼しさを求めて沢に向かおう。
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ジムニーでしか行けないような廃道に近い林道を行く。

もうダメだ!ってとこまでジムニーを進めたら
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あとは歩くしかない訳ですね。

入渓への最後の詰めは崖のような急斜面。っていうか崖。
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同行は、高いところや急斜面が好きな登山女子Y子さん。
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テンカラ釣りが得意なS氏。

懸垂下降で降り立った渓は、両岸の急斜面とは打って変わって
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イワナが悠々と泳ぐ、天国みたいな沢だった。

こんな沢では、のんびりと歩くほうが楽しい。
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S氏のテンカラ釣りは一級品。


こんな沢では、沢登りだー!釣りだー!って力まないで沢での時間を楽しむ余裕を持ったほうが楽しい。
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岩のステージでオカリナを吹いてみたりして。

そんなことをしながら、僕も釣りを楽しんだ。
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久しぶりの岩魚釣りだった。グッと来る手ごたえはたまらない。

予定しているメニューに合わせ人数分のイワナを揃えたら、もうお仕舞。
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今日の岩魚釣りは、釣ることが目的ではない。沢での食事を楽しむための過程なのである。

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大きめのイワナは三枚おろし。

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酢飯にきざみ生姜を乗せて、
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おろしたイワナを乗せて、
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力を込めて押す。

もう一方では、
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ガーリックムニエルが、程よい焼き色で食欲をそそる香りが漂ってくる。

さあ!出来上がり!
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ガーリックムニエル・押し寿司・刺身・骨せんべいイワナホルモン。写真には入っていないけれど、傍らの鍋には頭や尾びれのあら汁が湯気を立てている。

今日の荒れた林道走破、藪こぎ、懸垂下降、沢歩き、そして釣りは、このためにあった。

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良い沢、良い食事、良い一日でありました。



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# by mt1500funagata | 2018-07-21 22:41 | イワナ&沢 | Trackback | Comments(2)