クワの実交差点

船形山の麓、嘉太神地区。
c0294658_04593792.jpg
人が住まなくなって十数年、今は森の動物たちの棲み処。
c0294658_04580926.jpg
僕は初夏の早朝に週に何度か行ってみる。
c0294658_05003878.jpg
家からは車で15分くらい。人は住まなくなったけど、森の動物たちは今も棲んでいる。
c0294658_05031645.jpg
嘉太神ダムの流れ込みの砂地にツキノワグマの足跡を見つけた。
昨日から今日の未明の間にクマはここを確実に歩いているのですね。
この場所を通るたび、ツキノワグマが歩いてやしないかと注意して見るのだけれど未だに見たことはない。僕は足跡を双眼鏡で眺め、歩いている姿を想像する。
こちら側から向こうの森へ何かを探しに行ったのだろうか?この足跡は周りの様子を伺うこともなく、水の流れも濡れた足も気にすることもなく、ちょっと下向き加減でノッシノッシと歩いて行く姿を想像する。


クワの木
c0294658_05164029.jpg
人が住んでいたころ、この木の隣には人家があってクマもこの木に登るのをためらっただろうが、今は平気で登ってクワの実を喰えるようになった。
c0294658_05212128.jpg

ここには、いろんな森の動物が集まってくる。
c0294658_05215883.jpg
こっちからやってきて、
c0294658_05223279.jpg
あっちへ向かう。

c0294658_05231125.jpg
こっちからもやってきて、
c0294658_05240438.jpg
あっちへ向かう。

クワの木を中心にいろんな動物の足跡が交差し、フッとけものの臭いが漂う。
だから、ここはクワの実交差点。

遥かな山並みを見たり、綺麗な花を見たりしなくても僕は十分楽しめる。
鳥の声を聴きながら動物の踏み跡を見て、動物たちの姿を想像することができたなら十分楽しめる。

c0294658_05273994.jpg
ツキノワグマは木に登り太い腕で枝を折り、口元にクワの実を寄せてむしゃむしゃ食べるのだろう。イノシシやタヌキは折れて地面に落ちた枝に残った実を食べる。
僕は背伸びして手を伸ばし枝から摘んで食べる。

森のみんながどんな仕草で集まってくるのか見てみたかった、知りたかった。
でも、集まるのは動物ばかりじゃないってことを知った。名前を書いて据え付けていたカメラのベルトを切断してまでカメラを持ち去るニンゲンもいるってことを知った。

そしてもうひとつ、この拙いブログだけれど多くの方が楽しみにしてくださっているって大切な事を知った。

早朝に何度も足を運べば、その姿を見ることが出来るかもしれない。
クワの実の盛りが終わる頃まで、僕は何度も足を運ぶつもりだ。


写真と文章だけでは、クワの実交差点の空気感まで伝えることは難しい。
動画だったら少しは伝わるかな?と思ってやってみました。臭いまで伝えることは出来ないですけどね。1分30秒くらいです。



関連記事:森の動物たちが集まる場所(2016年6月)




[PR]
# by mt1500funagata | 2017-06-11 06:03 | Trackback | Comments(2)

先の週末はミズバショウの群生地としては日本一有名な国立公園へ行ってきた。
c0294658_22294791.jpg
さすがに年間30万人以上の人が訪れるだけのことはある。
それはそれは見事なミズバショウの群生が広がるとても美しい湿原だった。

c0294658_22322241.jpg

あいにくの空模様だったけれど、それはそれで、こんな光景も見ることができた。
c0294658_22341019.jpg
ここは日本の自然保護活動の発祥地とも言える。
この湿原を守ろうとした人たちがいたから、この湿原は水力発電用の巨大ダムの底に沈むことを免れたのだ。

電力会社の計画から守られた湿原は、今度は観光目的で訪れるニンゲンから守らなければならなくなって行く。
c0294658_22461001.jpg
湿原は人が踏むことによって1cm沈むと、その復元には10年を要するのだそうだ。
大規模に木道を整備し、かつて有ったゴミ箱が撤去されてゴミ持ち帰りの先駆けとなり、トイレの浄化設備も充実した。
現在はニホンジカの食害から守るための対策が進んでいる。

c0294658_22540511.jpg
この湿原は僕も大好きで何度も訪れていて、いつまでもこの美しさが保たれるように願っている。

自然保護発祥の湿原を二日間歩いて自然保護を考える。自然保護って僕も含めた人間から保護するってことじゃないか。


大勢のハイカーが集まる有名観光地から帰って来た僕は、早朝の時間を使って僕だけの観光地へと向かった。

大和町のとある山林。
c0294658_23073150.jpg
絶滅危惧2類のこの花を見に行く。もちろん道はないしツキノワグマが近くにいる気配をいつも感じる。
山林の斜面には、まだ花を咲かせることのできない幼株も含めると50株近くを数えた。

c0294658_23100456.jpg
この4枚の写真は同じ株の成長の様子。
蕾をつける前から通っていた。

有名な観光地化された自然の風景を鑑賞しに行くのは良いことだし、僕もその風景を見て感動もする。でも、そこでの僕は一観光客であって、その場所の保護や整備になにも関わっていない。

ところが、ここは僕が見つけた場所、僕は僕で保護を考える。
本来ならば得意になってブログで写真なんか公開しなければ良いのだけれど、大和町の山林にもこんな花が咲いているんですよってことは伝えたい。そして、自分だけの守りたい場所を見つけることの嬉しさを知って貰いたいと思っている。
地元の自分で見つけた場所だからこそ、そこの保全活動にも関われる。若畑の「幻のブナ林」は保全を求めて自分の名前で要望書を森林管理署に提出したし、ここの環境が大きく変わるような予兆があれば積極的に行動することも出来る。遠くに出かけて行き希少種の写真をブログに載せて「盗掘はいかん!」と匿名で訴えたとしても何も行動を起こさないのであれば、単なる自分のアピールにしか過ぎないと思ってしまう。

c0294658_23350378.jpg
この花を保護すること=この場所を秘密にすることって言うのは実はとっても悲しいこと。
ごく一部のある種のニンゲンがこの場所を知ってしまったら、この花たちは全て持ち去られてしまうかも知れない。
このブログを見てくれている人の中には誰一人としていないのだけれど、掘って持ち帰る人もいるんだからしょうがない。泉ケ岳の麓にある里山ごはんカフェでは、店のブログに書いたとたん庭に咲いた3株がすべて盗まれてしまったそうだ。

僕も今年はもうこの場所へは行かない。
もうすぐ藪が深くなって花は落ち茎や葉は周りの緑に紛れて姿を隠す。僕が歩いたわずかな踏み跡も植物の力ですぐに復元することだろう。
誰にも見つからないようにうまく隠れていて欲しい。

それから今日は山を歩くニンゲンも良い人ばかりじゃないんだなーって思わされることがあった。
ヤマグワの実が色づき始めて、そろそろツキノワグマが現れるかと思って設置していたセンサーカメラが持ち去られていた。
c0294658_00035715.jpg
留めていたベルトがカッターのようなもので切断され捨ててあってカメラはなくなっていた。
野生動物観察中と明記して名前も住所もわかるようにしていたのに、誰かが悪意を持って持ち去ったとしか考えられない。

自然保護、環境対策、クマ対策・・・必要でしょう。
ニンゲン対策が必要!って、どう思いますか???

*キーワード検索でヒットしないように花の名前は書いていません。もし、コメント寄せていただける方がいらっしゃるなら花の名前は書かないようにして下さいね。




More
[PR]
# by mt1500funagata | 2017-06-06 22:49 | Trackback | Comments(10)

5月29日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」のスタッフから連絡があった。
水芭蕉を喰いカメラに噛り付いたツキノワグマの動画を番組で使用したいとの内容だった。
放映は翌日30日のモーニングショー。

嘉太神のツキノワグマもついに全国ネットのモーニングショーに登場することになった。
c0294658_00190231.jpg
限られた時間の中では、ほぼ満足できる内容だった。

スタッフとの電話でのやり取りの中で、正しい情報を伝えきれないのであれば協力はしたくない。28日付けで更新した僕のブログ記事(前のページ)の内容を読んでほしいと注文をつけた。
c0294658_00253344.jpg
スタッフは電話口でPCを開き28日付けのブログ記事を読みながら対応してくれた。
・小さな熊鈴やラジオとか従来言われているクマ回避方法は通用しないクマが出現していること
・ツキノワグマは本来肉食で恐ろしい野生動物であること
・専門家のコメントはツキノワグマ研究所の米田理事長のような、実際にフィールドに出ている人にお願いすること・・・等々

スタッフは電話での話しを参考にコーナーの構成を考えると言った。

クマよけ鈴2つつけてもクマ被害に遭った事例を冒頭に持ってきて、
c0294658_00361579.jpg
クマよけ鈴の効果の相対する2つの意見を並べたりして、人間を恐れない新世代のクマに対する正しい向き合いかた(回避法)などを確立しなければいけない、という形で締めくくっていた。

10分弱のコーナーで伝える情報としては、このくらいが限界じゃないかと思う。
c0294658_00363010.jpg
小さなお鈴で身を隠してくれる木の実を食べてる森のクマさん、って誤解を招くような内容でなかったことに安心した。




-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-30 23:13 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(4)

5月28日、フジテレビ報道局から連絡があった。
水芭蕉を喰いカメラに噛り付いたツキノワグマの動画を夕方の全国ニュースで使用したいとの内容だった。
放映は当日28日の17:30からのFNNニュース。

嘉太神のツキノワグマもついに全国ネットで登場することになった。
c0294658_22263446.jpg
でも、内容はガッカリ、、、動画を提供したことを後悔した。
ツキノワグマのことを正しく伝え正しい情報で注意喚起を促しツキノワグマと人間の「無駄な」衝突を避けるための報道であると思っていたけれど、違っていた。

数件の目撃情報と、先日秋田で起こった死亡事故を取り上げ、それでもタケノコ採りに向かう人たちがインタビューに答えていた。
c0294658_22331093.jpg
こんな子供だましみたいな鈴で遭遇を避けられると誤解を与えてしまう。

c0294658_22332442.jpg
もともと肉食ではない???
ツキノワグマは食肉目に分類される動物で、歯の構造や腸の構造で肉食であることは明らか。
捕食するのに俊敏さでかなわないから、植物性の食物で補っているだけなんじゃないの?
人間が簡単に捕食できる動物だと学習したツキノワグマが連続して被害をもたらした昨年の秋田(十和利山)の事件を思い出してみたらいい。

まったくクマのことを知らない人が観たら、
「木の実が好きな森のクマさんに出会わないように、小さなお鈴をつけて歩きましょうね!」
って、誤解されかねない。そんな内容だった。
ツキノワグマを闇雲に恐れる必要はないけれど、それは正しい知識と対策が必要なのだと思っている。


ツキノワグマは、恐ろしい動物です。
本来ならば「肉」を喰いたい。
死んだカモシカの肉も喰う、ほかのケモノにちょっかい出されないよう持ち去って占有する。

4月16日に死亡し4月21日にツキノワグマに持ち去られたカモシカ。
c0294658_13520661.jpg
4月16日 大和町嘉太神林道。カモシカは当日に死亡したと思われる。
c0294658_13534629.jpg
4月22日朝、同じ場所。カモシカはわずかな毛を地面に残し消失した。

死体のそばに設置した無人センサーカメラが記録した動画を公開します。

4月21日朝から22日朝までの24時間を約4分にまとめた動画で、スタートから約1分10秒後にツキノワグマが現れます。
▼▼▼ 閲覧注意 ▼▼▼
カモシカの死骸を喰いに来るテン・タヌキ・キツネ・ツキノワグマが映っています。
骨が露わになった死骸の映像など、苦手な方はご遠慮ください。


これが、「見えざる野生」の一端。
キツネがタヌキに威嚇されていた時間・・・僕は会社帰りにホームセンターで買い物していた。
ツキノワグマがカモシカの死骸に噛り付いていた時間・・・僕は帰宅して夕飯を食べていた。
僕らが日常の生活を送っているその瞬間にも、人間の目の届かない森で繰り広げられる野生の営みである。

関連記事:「船形山麓 愛でる自然・見えざる野生」


[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-28 23:23 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(2)

船形山麓、緑色の氾濫原へ
c0294658_22022122.jpg
ニリンソウやシラネアオイのお花畑が盛りを過ぎると、訪れる人もまばらになる。

緑色に包まれる氾濫原の森も良いものだ。
緑と言っても一色じゃあない。
緑、鮮緑(せんりょく)、若緑、薄緑、裏葉色、孔雀緑・・・・四季の移ろいの中に美の心を生み出した日本の伝統色(和色)。
緑系と系統づけられる色だけでも、実におよそ75色に及ぶ。
c0294658_22210839.jpg
モノクロームだった森が浅緑の森になり、若葉色から深碧(しんぺき)の森へと移ろって行く。
そんな季節の色の移ろいを繊細に見出し、豊かな情趣を愛でてきた先人の感性を僕も少しは身に着けたいものだ。


帰り道、木立の隙間に青い沼を見た。
c0294658_22374988.jpg

いくらかでも俯瞰に近づけるよう沼辺の大岩に登り沼を見下ろす。
雪解け水と雨上がりの水を滔々と蓄えた沼を見て、水の色を単に青と表現するのは趣に欠ける。
瑠璃色の沼だった。

c0294658_22475188.jpg
青、藍、群青、水色、紺碧、天色(あまいろ)、瑠璃色・・・・四季の移ろいの中に美の心を生み出した日本の伝統色(和色)。
青系と系統づけられる色だけでも、実におよそ60数色に及ぶ。
近づいて水を見れば、その水は水素のように透明なのだけれど…

沼のほとりで、黄金色の茸を見つけた。
c0294658_22534363.jpg
タモギタケ
c0294658_22550941.jpg
岩魚とともに夕餉となった。

山や森を歩くと、美しい花や素晴らしい展望に感動することも多いけれど・・・
花の盛りが終わった雨上がりの森を歩いて、古来から伝わる日本人の美意識と表現の豊かさに感動を覚えることもある。



[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-27 23:21 | 氾濫原 | Trackback | Comments(0)

船形山に蝦夷春蝉が鳴く季節がやって来た。
c0294658_21504601.jpg
大和町からの升沢コースの船形山山開きは、来週5月28日に行われる。
以前は船形連峰御所山連絡協議会に加盟する3市3町による合同山開きが6月第一週目の日曜日に大々的に開催され、前夜祭なども行われた所謂お祭りだったけれど、今は地元の船形山岳会を中心として、升沢コース独自でこじんまりと行われる。
c0294658_21510359.jpg
僕も当時は大和町グループの班長などを委託されて、お祭りに参加していたものだった。一般参加者50名、それに町職員・山遭協・警察など80人以上が一斉に升沢コースを登る。それが6市町、合計500名前後が船形山頂に集結した。
c0294658_22213819.jpg
     (平成13年6月3日 合同山開き大和コース集合写真)

山頂では神事が執り行われ、500名が一斉に昼食休憩となり楽しい一日を過ごした記憶がある。しかし、山頂に一気に大勢の登山者が集結することは、実はとんでもない自然破壊となっていた。当時この時期は山頂のミヤマキンバイの最盛期。
年を追うごとにミヤマキンバイやミヤマシオガマは激減して行ったのである。
今の山頂からは想像できないほどのお花畑が広がっていた。

蝦夷春蝉の抜け殻と鳴き声を聞くと思い出す合同山開き。
やっぱり山は静かに楽しむものなのでしょうね。

蝦夷春蝉の抜け殻を見つけたら、今度は足下に目を向ける。

すぐに見つかった。
c0294658_22444679.jpg
オトシブミ。
ゾウムシの一種である小さな昆虫の卵が入った「ゆりかご」。
卵を産みつけた木の葉を丁寧に包み、卵を守り孵化した幼虫の食料とする。

僕は、この「オトシブミ」を見るたびに二つの事に感動する。
一つは、指の先よりも小さな昆虫の遺伝子に伝わる卵を守る知恵と葉を包む技術。
真似しようたって出来やしない。
木の葉でこんな芸術品のような入れ物を作ること、人間は指先ほどの昆虫に勝ることが出来ない。山開きと称して大勢で自然破壊をしてきた僕を含めた人間の傲慢さを知る。
c0294658_22573485.jpg
もう一つは、これを見て「オトシブミ(落とし文)」と名づけた先人のセンス。
「オトシブミ」には「落とし文」以上の名前は付けられないと思う。

c0294658_23045082.jpg
青空と新緑と残雪。
毎年同じ場所で写真を撮り「イイなあ~」って思う。何年経っても「イイなあ~」って思い続けることだろう。

三光の宮から先は残雪と夏道が交互の道となった。

瓶石沢を渡るあたりで、ふと空を見上げると・・・
c0294658_23151979.jpg
彩雲が浮かんでいた。

c0294658_23184043.jpg
 駆け上がる緑。

c0294658_23223212.jpg
船形山山頂にも初夏がやってきた。


-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-20 23:28 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(0)

ブナの会で後白鬚山へ

船形山のブナを守る会、新緑のブナ観察会で後白鬚山へ
c0294658_21245962.jpg
小雨模様の天気の中、19名の会員が参加した。
こんな日は新緑のブナの森を歩き回るのにはうってつけだ。

c0294658_21302530.jpg
ブナの森は、雨が降るととりわけ生き生きとして鮮やかに美しくなる。

c0294658_21410878.jpg
ブナの葉は表面の細かな産毛に微小な水滴を貯えて、それが気化して霧になり薄い銀色のレースを纏ったような幻想的な風景を描き出す。

c0294658_21481083.jpg
そして、タムシバはそのとがった花びらの先から水晶のようなしずくをしたたらせる。

こんな良い天気の日に森へ行かないのはもったいない。

c0294658_21524988.jpg
夏道を少し外して雪堤に乗る。

後白鬚山から南へ伸びる、この尾根を歩くことが今日の目的。
ブナの会は山岳会ではないので、登山よりブナの森を「見る」こと「感じる」ことが大切なのである。

今日のチーフリーダーは「仙台のブナ林と水・自然を守る会」のSさん。

今はこうしてブナの観察会でゆっくりブナを見ながらの山歩きが出来るけれど、昭和の終わり頃から平成の初め頃までは、Sさんたちにとってここは戦いの場であった。

昭和35年頃から始まった「拡大造林計画」は後白鬚山も例外ではなく大規模伐採とスギの造林が大々的に行われ、造林地ではササを枯らすために大量の除草剤が散布された。
c0294658_22150944.jpg
仙台市の水源、大倉ダム上流である後白鬚山周辺でのデゾレート散布は5年間で1万6千キログラム。ダムの水源はベトナム戦争の枯れ葉作戦で使用された塩素系化合物、ダイオキシン発生の恐れがある除草剤で汚染されていたのである。

後白鬚山の南西斜面に当たる赤倉沢では、1995年9月土石流が「災害から国土を守る」はずの砂防ダムをジャンプ台として、赤倉橋を破壊した。
c0294658_22280669.jpg
破壊された橋は現在も下流700mの大倉沢に巨大な鉄くずとなって放置されている。
山地崩壊の要因は①ブナ伐採による保水力の低下②砂防ダム建設による地下水位の上昇③林道工事による山腹崩壊、などである。

c0294658_22385960.jpg
インターネットのブログやヤマ●コなどで後白鬚山やこの尾根の情報が多く見ることが出来るけれど、一時は絶滅の危機に瀕していたという過去、このブナ林を守りたいと熱く想っていた人たちがいたことに触れているものはほとんどない。

仙台ブナの会のリーダーで信頼の厚かった元国会議員のSさん、地道に通信を発行していた事務局長のAさん、もうこの世の人ではない。
忘れてはいけない。
こんな人たちがこの後白鬚山のブナの森を守ろうとしていたことを。

だから、当時若手として活動していたSさんこそが今日の観察会のリーダーに相応しい。

c0294658_22552222.jpg

広い雪堤の尾根は白くかすんだガスに行く先が覆われて、どこまでも続く回廊のように思えた。

c0294658_22545976.jpg
昨年、一昨年と僕らがテント泊した辺りの雪堤も例年以上の残雪量で高い雪の崖のようになっていた。


=========

関連記事:「後白鬚山のブナ林で・・・」(2015年5月)
http://bunatayori.exblog.jp/24036821/

関連記事:「後白鬚山のブナに抱かれて」(2016年5月)
http://bunatayori.exblog.jp/25566189/




-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-14 23:15 | ブナの会行事 | Trackback | Comments(0)

5月12日夕方、「FNN仙台放送みんなのニュース」の中で、嘉太神のミズバショウを喰うツキノワグマが放映されました。
c0294658_22024237.jpg
ミヤテレ、NHKに続き3局目で、このツキノワグマもすっかり有名熊になりました。全国ネットのメジャーデビューもそろそろでしょうか?

と言うわけで、テレビの放映も一段落ついたのでオリジナル版の公開です。
先の記事で書いたとおり、ここ嘉太神のミズバショウ群生地に冬眠明けのツキノワグマが毎年現れることは、長年の観察で知っていたのです。

関連記事:「ツキノワグマがミズバショウを喰いに来た」
http://bunatayori.exblog.jp/26581660/

来るのがわかっていて見ることが出来ないのは悔しい。
どーしても見たい!

知り合いのツキノワグマ研究者から野生動物監視用センサーカメラは、驚くような高額なものではないと聞き、早速購入して3月18日から例年特に良く食われている場所での監視を開始した。
c0294658_22163898.jpg
喰いに来るのは3月末から4月初旬と言うことはわかっていたけれど、ミズバショウが蕾の時なのか?花が咲いてからなのか?とか分らない部分を解明したかった。

ツキノワグマが現れる前には、ほかの動物たちが記録されていた。

リス(3月19日)イノシシ①(3月21日)ウサギ(3月30日)イノシシ②(4月1日)イノシシ③(4月3日)
(20秒×5ファイルを1分6秒に編集)


そして4月14日の朝、何度目かの点検に行った朝、ミズバショウは喰い散らかされていた。
ヤツは現れた!
でも、木にバンドで取り付けていた筈のカメラがない!
こりゃ~盗まれたな・・・と思った。
近づくと木の下にカメラが落っこちていた。
c0294658_22321160.jpg
この時点では何故カメラが落ちたのか?分らなかった。
すぐにその場でモニターチェックした僕は身体が震えた。

これほど上手く撮影できているとは思ってもいなかったのだ。
しかも明るい時間帯でカラー撮影できていたのだからなおさらだ。

それでは、オリジナル版を御覧下さい。

ミズバショウを喰うツキノワグマ (2分47秒)
4月10日16:55~、11日10:41~


美味そうに喰ってるように見えませんか?
冬眠(正確には冬ごもり)明けに腸内に溜まった宿便を出す為に下剤代わりに喰うものだと言われていて、僕もそう思っていた。
でも、違うんじゃないかなあ?美味そうに喰ってるよ!

近くには糞があったけれど、きれいな薄緑色でミズバショウだけの排泄で宿便みたいなものは混ざっていない。
c0294658_23032405.jpg
10日と下の14日、16日のクマは別個体だと思うけれど、14日と16日は同一個体だと思われる。エサとして喰ってるから何回も喰いにくるのではないだろうか?

尾瀬とかでも大きくなったミズバショウの実を喰いに来るツキノワグマは有名だし、youtubeにもアップされている。やっぱ、下剤としてって言うのは違うと思う。(専門家の方からコメントもらえないかなあ?)


SDカードと電池を交換し、カメラの位置を少し変えて監視を続けていたら、今度は夜に喰いに来たツキノワグマが記録されていた。
10日に記録されたクマとは別個体だと思う。


ミズバショウを喰うツキノワグマ② (1分23秒)
4月14日18:52~、22:27~



ミズバショウを喰うツキノワグマ③ (1分44秒)
4月16日21:39~



センサーカメラ・・・またひとつ面白い道具を手に入れた。

次回動画予告:「見えざる野生!カモシカの死体消失前後24時間」
乞うご期待!


-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-12 23:16 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(2)