目になれし山にはあれど秋来れば神や住まむとかしこみて見る

見慣れた山の景色ではあるけれど秋が来れば神様が住んでいるのかと思えるほど美しく見える、と詠んだのは石川啄木でありますが、
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僕にとって見慣れているはずの鈴沼であり、毎年のことなのだけれど秋の美しさは神様がお作りになったんだろうと思ってしまう。
まあ、秋に限ったことではないけれど。

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今年は少し早めに色づきの一番良い時期を迎えたようだ。

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これから一週間が鈴沼の紅葉が一番美しく見える時期だろう。
あたりのブナ林の紅葉時期に合わせたら、冷たい水が流れ込み冷たい空気に包まれている鈴沼の紅葉は時期を逸してしまう。

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ぽつりぽつりと雨粒が水面に小さな波紋の輪を作り、ほとりの木の葉から落ちるしずくがほんの少し大きめの波紋の輪を作り、時たま岩魚が跳ねて水面にもう少し大きめの波紋の輪を作った。

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目になれ親しんだ鈴沼に秋が来て、神様が住んでいるかのような美しい景色を僕はかしこみて見ていた。



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by mt1500funagata | 2017-09-16 21:53 | 鈴沼 | Trackback | Comments(0)

深碧(しんぺき)とは、宝石の緑碧玉(りょくへきぎょく) の色のような力強く深い緑色のことを指す。
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色名の「碧 (へき)」とは「碧玉(へきぎょく) 」を意味し、碧玉に由来する『碧色(へきしょく)』よりも濃い緑色のことをいうのだそうだ。
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僕は鈴沼に幾度も幾度も行く。

本当に美しいものは何度見たって、見るたびに新しい美しさを覚えるものだ。

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碧く夏空が晴れ渡っていたけれど

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そよぐ風に秋の気配を感じた。

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ああ、こんなところにウメバチソウが咲くんだ。

この花は夏に終わりを告げる花。

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近づくほどに木の葉の色も秋の気配。

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沼のほとりにはトリカブトが紫色の花を咲かせていた。

深碧の鈴沼に吹く風は、いつの間にか秋の風に変わっていた。


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by mt1500funagata | 2017-08-27 21:04 | 鈴沼 | Trackback | Comments(0)

船形連峰 大滝キャンプ場近くにある鈴沼。

スライドショー(2分45秒)にしてみました。


今まで何度訪れたか憶えちゃいない。
季節ごと、一日のうちにだって時間ごとに違った表情を見せる。

もし、あなたが鈴沼を訪れたなら、立ち止まりしばらくの時間身を置いてみるとよいと思います。
通り過ぎるだけではわからない鈴沼の空気、そこに住まう生き物や精霊の気配を感じることが出来るかもしれませんよ。


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by mt1500funagata | 2017-08-01 00:36 | 鈴沼 | Trackback | Comments(2)

鈴沼に靄立ち込めり

鈴沼へ

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蒸し暑い夏の夕方。

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鈴沼には日本の夏の美が凝縮されていた。

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時たま岩魚が跳ねる水の音を聞きながら、その時を待った。

それは向こう岸から音もなくやってきて幻想的な光景を作りだした。

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瑠璃沼と称せられる鈴沼がめったに見せぬ姿。

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鈴沼に靄立ちこめり




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by mt1500funagata | 2017-07-22 23:48 | 鈴沼 | Trackback | Comments(2)

鈴沼は吹雪模様

明け方、里に降った雨も山では雪だった。
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僕は週末に降る雪を待っていた。

鈴沼に降る雪、小島のナナカマドの枝に付く霧氷を期待して山へ向った。
 
小荒沢林道の入り口から歩く覚悟で出てきたのだけれど、思いのほか積雪量が少なく郡境(ぐんざかい)の十の字石入口まで車を進めることが出来た。
郡境までは日が当たったブナ林が輝いていたけれど、車を降りた途端に吹雪いてきた。
片道およそ5kmの林道を風に逆らいながら黙々と歩く。
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こうして雪を踏みながら鈴沼を目指せるのは、あと何年くらいかなあ?なんて事を考えながら歩いていたら、7~8年前の事だっただろうか?酒席での故I先生の言葉を思い出した。I先生ってのは、R山岳会の重鎮で県議会議員も長く務められていた方で、当時90歳代の後半でまもなく100歳に手が届くほどだった。歓談のなかで誰かが言った。「もうそろそろ70歳近いので・・・」概ね100歳のI先生が一喝「60代の若造が何を言っておるか!」うーん、僕なんて鼻タレ小僧だ。
平成4年10月、I先生はブナの会の代表者を伴って、当時の林野庁長官へ船形山のブナ林の保全を求め直談判を行った。僕らもハガキ作戦と称して署名ではなく、直接林野庁長官宛に大量のハガキを送り船形山のブナ林の保全を訴えた。
一時は伐採の危機に瀕した船形山北面の朝日沢源流部のブナ林が原生の姿を留めているのは故I先生のご尽力の賜物なのである。

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大滝キャンプ場は雪に覆われ、鈴沼への道では膝まで雪に潜った。

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鈴沼は吹雪。
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墨絵のような鈴沼のほとりに佇んで侘び寂びに浸る・・・なんて風流なことをしてるような状態じゃなかった。
寒いーーです。
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全面氷結する前の鈴沼を見ることが出来て良かった。
小島のナナカマドはもうじき深い雪に埋もれる。
氷の下ではイワナたちがじっと耐えて春を待つ。
満月の晩には雪原となった沼の上を月明かりに誘われたウサギが跳ね回ることだろう。
流れ込みの上流の梅花藻は凍ることなく冷たい水に揺れているだろう。
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モノトーンの鈴沼。
頭の上を冬の風が大声で唸りながら渦巻いていた。

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車に戻ればボンネットに10cmほど雪が降り積もっていた。
行きのトレースは完全に消え、5時間半、往復10.5km全行程ひとりラッセルの一日でした。


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by mt1500funagata | 2016-12-10 20:10 | 鈴沼 | Trackback | Comments(2)

鈴沼に冬の訪れ

寒い朝、鈴沼の畔に佇んでみる
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昨日までの好天で沼の氷は解けていたけれど
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今朝は雪
いよいよ本格的に冬が始まったようだ

沼が全面氷結し雪に閉ざされる
これから半年以上、容易に鈴沼を見に行くことはできなくなる
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山から下りてきて沼を渡り、森へ抜けてゆく風も冬の声だった


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by mt1500funagata | 2016-11-23 20:57 | 鈴沼 | Trackback | Comments(0)

今日もまた鈴沼
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20年も前に見た、初冬の鈴沼の姿が忘れられない。
その時の鈴沼以上の鈴沼を見ていない。
もう一度見てみたいと思って、今週も鈴沼へと向った。
でも、ここ数日の天候と気温からして僕の望む鈴沼の景色でないことは分っていた。
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ところが、鈴沼は今まで見たことのない、美しい氷の水面を見せてくれた。
まるで鏡の上に小島を配置したみたい。
反射しているのは水面ではなく氷。
水鏡という言葉があるけれど、今日の鈴沼は氷鏡だった。
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対岸の林も前船形山も鏡の水面に映り込む。
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水鏡じゃないから風が吹いても揺れることはない。
近くに鏡ケ池ってあるけれど、今日はこっちが鏡ケ沼だ。
もっとも、周りの森を鏡のように水面に映すから鏡ケ池っていう名前の由来の説に僕は疑問を持っている。
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なんという言葉で表現したら良いのだろう。
これほど艶やかに氷結した沼というか水を見たことがない。

鈴沼は訪れる度に、僕に新しい感動を与えてくれる場所だ。

鈴沼を後にした僕は、小荒沢林道の大和・色麻の境付近にある「十の字石」へ。
三角点と言えば、普通は○○山とか○○岳とかと名称が付くけれど・・・
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ここは「十の字石」・・・って山なの?

十の字石に行くには、今がベストシーズン。
春から秋にかけてはヤブが酷く、積雪期~残雪期に行くのはちょっとヤバイ。
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こんな、クマの越冬穴としては最適な洞の前を通らないといけない。
越冬穴としては一級の場所と形で、冬はクマが寝ているって思ったほうがいい。
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○とか
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×とか、怪しげなマークを横目にヤブを登って行くと
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十の字石?
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十の字石?
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三角点
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十の字石と謎の十の字石
(水準点の保護石だと思います)
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雨が降り始めた「十の字石」から、花染山と三峰山が見えていた。



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by mt1500funagata | 2016-11-19 23:39 | 鈴沼 | Trackback | Comments(0)

鈴沼は冬の装いはじめ

初冬の鈴沼へ
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艶やかだった秋の彩りから無色への移ろいの時を迎えた
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湧水の沢が流れ込む場所から遠いところから氷結が始まる

氷っていない水の中に、白いぬいぐるみみたいなものがゆらゆらと揺れていた。
首のないウサギの身体だった。

先日の寒波で氷った沼の上をウサギが歩き、ジャンプしようと後ろ足にかかった体重に初冬の薄い氷は耐えられず、ウサギの身体は水に落ちた。氷の穴から逃れようとするウサギをテンは見逃さなかった。
身体に似合わず大きな足の平を持つテンは自分が氷を踏み抜くことなく、容易にウサギの頭に噛り付くことが出来たのだろう。でも薄い氷の上で体重をかけてウサギの身体を引き上げることは出来ずに水中の身体の部分は諦めざるを得なかった。

こんなストーリーを想像する初冬の鈴沼。
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寒々としているけれど美しさを感じるこんな景色のなかにも、もうひとつの世界、弱肉強食の野生が息づいているのだなあって実感する。
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鳥の声も聞こえなかった。
聞こえて来たのは寒々とした冬の風の音だけだった。


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by mt1500funagata | 2016-11-12 22:12 | 鈴沼 | Trackback | Comments(0)

鈴沼は秋の彩りはじめ

船形山、色麻登山口近くの鈴沼
船形連峰の中で一番最初に秋の彩りを始める。

鈴沼に着くと同時に雨が上がった。
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山頂より500m近く標高は低いのだけれど、流入する湧水の冷たさか?山頂より10日ばかり早く沼に浮かぶ小島の紅葉は始まる。
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息を飲むほど美しい景色を見せてくれる。
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今までに何度鈴沼に足を運んだことだろう。
来るたびに四季折々の美しさに息を飲む。感嘆の声が上がる美しさではない。
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これが日本の美の原点であり象徴だと思う。
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時折、イワナが跳ねる水音が聞こえる。
時折、小鳥が小島の枝から枝へと飛び渡る。

鈴沼をあとにし車へ戻ったと同時に、また雨が降り始めた。
鈴沼に住まう精霊が粋な計らいをしてくれたようだ。


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by mt1500funagata | 2016-09-22 23:25 | 鈴沼 | Trackback | Comments(9)

三つめの「すず沼」

船形山界隈には、三つの「すず沼」がある。

船形山麓、大滝キャンプ場近くにある「鈴沼」
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北泉ケ岳山麓、桑沼近くにある「スズ沼」
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七つ森の奥にある「すず沼」
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早朝、クレソンを摘みに行ってきた。
この沼の存在はずっと前から知っていたし、ここにクレソンの大群生があることも知っていた。でも、名前を知ったのはつい近頃のこと。
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今の季節のクレソンは花が咲き食用としての旬ではない。
カッコーが鳴くようになったらセリの季節は終わりと言われるとおりだった。
(クレソンはアブラナ科ですが・・・)

今年4月のある日、僕はクレソンを摘みにこの沼へやってきた。
一人の爺様が先に来てクレソンを摘んでいた。
「どごさ行ぐのや~?」と爺様
「クレソン摘みに来たんです」と僕
すると爺様は少し声を高めて、「誰がら聞いで来たのや?」
僕はこの辺りを歩きまわっていて自分で偶然見つけたのだと答えた。
「見つけで貰うど困んだなや~!」

ずいぶん高飛車な物言いだったので、僕はこの爺様、何様のつもり?って思いながら会話は続いた。
よくよく話を聞けば、爺様は何様どころか地主様だったのである。
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少しの時間で地主様の爺様は僕の自然観を分ってくれた。
そして僕はここのクレソンを摘むことのお墨付きを地主様の爺様から頂いた。

そして、この沼を「すず沼」と呼んでいるということを聞いた。
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「ほれ!こごの水、” すず ”がら来てっぺ!んだがら「すず沼」つーんだ」
確かに、この沼はほんの数十メートル先の清水が流れ込んで出来ている。
過去記事=甘い水とクレソンの森
    =ミステリーの後はクレソンの森へ

宮城県中部では清水(湧き水)を訛って「すず」と呼ぶ。
(他の地域でも「すず」と呼ばれているかは分りませんが・・・)

鈴沼も水源は清水(すず)
過去記事=鈴沼の源頭 純粋な泉

スズ沼も水源は清水(すず)
過去記事=桑沼の源頭 小さな泉

すず沼とは、もともと清水が流れ込んでいる沼を指す普通名詞だったのかも知れない。

僕は地主様の爺様との約束どおり、今日家族で食べる分だけのクレソンを摘んで、三つめの「すず沼」をあとにした。





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by mt1500funagata | 2016-06-08 23:23 | 鈴沼 | Trackback | Comments(2)