ブナの会で後白鬚山へ

船形山のブナを守る会、新緑のブナ観察会で後白鬚山へ
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小雨模様の天気の中、19名の会員が参加した。
こんな日は新緑のブナの森を歩き回るのにはうってつけだ。

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ブナの森は、雨が降るととりわけ生き生きとして鮮やかに美しくなる。

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ブナの葉は表面の細かな産毛に微小な水滴を貯えて、それが気化して霧になり薄い銀色のレースを纏ったような幻想的な風景を描き出す。

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そして、タムシバはそのとがった花びらの先から水晶のようなしずくをしたたらせる。

こんな良い天気の日に森へ行かないのはもったいない。

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夏道を少し外して雪堤に乗る。

後白鬚山から南へ伸びる、この尾根を歩くことが今日の目的。
ブナの会は山岳会ではないので、登山よりブナの森を「見る」こと「感じる」ことが大切なのである。

今日のチーフリーダーは「仙台のブナ林と水・自然を守る会」のSさん。

今はこうしてブナの観察会でゆっくりブナを見ながらの山歩きが出来るけれど、昭和の終わり頃から平成の初め頃までは、Sさんたちにとってここは戦いの場であった。

昭和35年頃から始まった「拡大造林計画」は後白鬚山も例外ではなく大規模伐採とスギの造林が大々的に行われ、造林地ではササを枯らすために大量の除草剤が散布された。
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仙台市の水源、大倉ダム上流である後白鬚山周辺でのデゾレート散布は5年間で1万6千キログラム。ダムの水源はベトナム戦争の枯れ葉作戦で使用された塩素系化合物、ダイオキシン発生の恐れがある除草剤で汚染されていたのである。

後白鬚山の南西斜面に当たる赤倉沢では、1995年9月土石流が「災害から国土を守る」はずの砂防ダムをジャンプ台として、赤倉橋を破壊した。
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破壊された橋は現在も下流700mの大倉沢に巨大な鉄くずとなって放置されている。
山地崩壊の要因は①ブナ伐採による保水力の低下②砂防ダム建設による地下水位の上昇③林道工事による山腹崩壊、などである。

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インターネットのブログやヤマ●コなどで後白鬚山やこの尾根の情報が多く見ることが出来るけれど、一時は絶滅の危機に瀕していたという過去、このブナ林を守りたいと熱く想っていた人たちがいたことに触れているものはほとんどない。

仙台ブナの会のリーダーで信頼の厚かった元国会議員のSさん、地道に通信を発行していた事務局長のAさん、もうこの世の人ではない。
忘れてはいけない。
こんな人たちがこの後白鬚山のブナの森を守ろうとしていたことを。

だから、当時若手として活動していたSさんこそが今日の観察会のリーダーに相応しい。

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広い雪堤の尾根は白くかすんだガスに行く先が覆われて、どこまでも続く回廊のように思えた。

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昨年、一昨年と僕らがテント泊した辺りの雪堤も例年以上の残雪量で高い雪の崖のようになっていた。


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関連記事:「後白鬚山のブナ林で・・・」(2015年5月)
http://bunatayori.exblog.jp/24036821/

関連記事:「後白鬚山のブナに抱かれて」(2016年5月)
http://bunatayori.exblog.jp/25566189/




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by mt1500funagata | 2017-05-14 23:15 | ブナの会行事 | Trackback | Comments(0)