アナグマのポートレート

無駄に早起きした新緑の季節の早朝は、森を歩き回るのにはうってつけだと、いつも僕は思っている。
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七つ森辺りの森も生まれたての緑が瑞々しく輝き美しくなる。

日の出の時間が早くなって、午前4時を過ぎれば窓から見える空は薄く青味がかり、刻一刻とその青は深みを増してくる。
そんな空を窓際で眺めていれば、じっとしていられなくなる。

森へ行ってみよう。ツキノワグマやカモシカと会えるかもしれない。

僕はそう思うとジャケットを羽織り、なにか楽しい出会いがありそうな期待に胸を膨らませてジムニーのエンジンをかける。

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アナグマと会った。
彼は(たぶん若いオス)道路わきの側溝から顔を出し、僕の運転するジムニーが近づいて来るのを見ていた。
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車が止まったのを見て、アナグマの彼は歩き始めた。走って逃げるようなことはなく、後ろから僕がソロソロと付いて来るのを気にしていないのか、時たま下半身を地面にこすり付けて臭い付けをしながら歩いている。

50m近く一緒に歩いただろうか?短い時間だったけれど、一定の距離を保ちながら僕らは同じ道を歩いた。

彼は森へ帰る間際にポートレートを撮影するのにちょうどいい場所で僕をちらりと見て立ち止まりポーズを取った。
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 5mも離れていない。

一昨日は山の上から見渡す森に住まう動物たちの姿を想像していたけれど、今朝は森に住まう動物と同じ場所で同じ時間を共有した。

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山や森、僕ら里に住むニンゲンにとっては、いくら山が好き森が好きって言ってもレジャーの場でしかない。彼らはここで生きている。
僅かな時間でも同じ場所で同じ空気で呼吸をすると、つくづくそう思えてくる。




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by mt1500funagata | 2017-05-02 23:32 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(0)