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船形山 花染山から山頂へ一本のラインを描く

どーして今まで気が付かなかったんだろう?
花染山尾根から湯谷地尾根、そして山頂までの一本道。
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今まで歩いたことのあるルートをつなげれば船形山頂までの新しいルートが出来上がる。
このルートを思いついてから、登山って言うより僕の船形山の地図に新しい一本のラインを描きたいと思っていた。

旗坂から花染山までの小荒沢林道の歩きはアプローチ。
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締まった雪を期待していたのだけれど、歩き始めて15分でワカンを履いた。

小荒沢林道を1時間ちょっと歩き、支尾根を登り取り付いた花染山主尾根の東端。
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ガスに包まれた幻想的な尾根もまた良い感じ。

日差しはないが、身体に感じる空気はやはり春なんだなあって思わせる。
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久しぶりに個人山行でご一緒するKさんと花染山山頂。

山頂の避難小屋が新築されたと同時に僕ら二人は船形連峰御所山連絡協議会から、大和・色麻・加美の三町からの委嘱という形で管理人を引き受けて来た。そして升沢避難小屋については改築計画が持ち上がった当時から再建検討委員の一員に任命され、新築後は山頂小屋と兼任で升沢小屋の管理人を委嘱された。
Kさんは船形山登頂700回を数える。誰よりも多く船形山に登り、誰よりも深く船形山のことを知っている。
この花染山尾根の白い廊下を僕が初めて歩いたのも、Kさんに連れられてきた平成12年4月のことだった。

(旧)ブナの便り 平成12年4月9日
http://funagatayama.web.fc2.com/000409.htm
当時は歩く人は、ほとんどいなかったように思う。Kさんも僕も当たり前だが17歳若い。一緒に書いてる石の堂の磨崖仏もそれが薬師如来であると分っていない当時のことだった。

見通しの利かない花染尾根を歩き切り、三光の宮への尾根との鞍部から湯谷地尾根へ向う道筋ではガスは晴れ、時折薄日も差した。
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豊富な積雪に覆われた保野川を横断し、
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湯谷地尾根に取り付いた。
花染の尾根にはワカンやらスノーシューやら足跡が沢山残っていたけれど、この尾根に足跡はひとつもない。
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最初の登り途中で右手に湯谷地。この尾根の名称は無い(と思われる)僕らは勝手に湯谷地尾根と呼んでいる。

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尾根から尾根を結ぶ、とっても良いルートだ。
最初の地図を見れば、誰でもどこを歩いたかはすぐに分るだろう。
僕はブログに詳細なルート図を載せない。なぜならば、ここは「僕のルート」だから。
もし、あなたが同じルートを歩いたとしても上記の地図を参考にあなたが自分で地形図に予定ルートを書き込んだ上で歩いたとしたら、それは、「あなたのルート」となる。

ルート図を載せる意味としては、前人未踏の困難なルートを開拓したときの記録とか、歴史を調べ何度も通い、例えば藩政時代の歴史的な古道を紹介するなど、偉業もしくは文化歴史的に価値のある場合くらいしかないと思っている。


升沢小屋の北に位置する1224mのピーク。
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僕らは勝手にビーバップピークなんて呼んでいたのだけれど、古い地図に名前を見つけた。
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滝山岳という名前がついていた。

山頂手前の雪原への急な登り辺りから、また回りはガスに包まれて見通しは数十メートル。
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この急な登りを終えたら、雪原の向こう真正面に船形山の山頂が三角形に見える筈なのだけれど、
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今日は真っ白。
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目標物のないガスの中、コンパスと経験を頼りに方向を定め一直線に標高を上げて行った。

どんピシャ。
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真っ正面30mほど先に山頂小屋の影が浮かびあがった。


今日のルートは地形図見てルート探せる人だったら誰でも歩ける。
あとの人がルートを探す楽しみを奪うような事はしないほうが良いし、その楽しみが分からない人は冬のバリルートを歩く資格はない。そして、もし誰かがこのルートをGPS軌跡ですなんて言ってブログとかで得意になって載せたとしたら、船形山に並々ならぬ思い入れを持っている僕らとすれば面白くない。

ほかの山にも、それぞれ同じようにその山に強い思い入れを持っている人っているんじゃないかなあ?ゴミがあれば拾って歩き、藪っぽくなっているところがあれば刈り払いをし、山小屋のトイレの掃除をし、トイレのし尿を担ぎ降ろしたりしているKさんみたいな人が。
だから僕は概要は載せるけどルート図は載せない。ルート図はヤマ●コとか一般登山道の情報共有だけでいいんじゃない?

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山頂を少し下ってきたら視界が開け、目指す升沢小屋が眼下に見える。
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升沢コースを積雪期ならではの最短ルートで下山する頃には、ブナ林に日が当たるまで天候は回復した。

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旗坂~小荒沢林道~花染山~湯谷地尾根~滝山岳~山頂~升沢コースと旗坂を起点にした船形周回ルートを下山してきた僕らをマンサクが迎えてくれた。

30年来向き合って来た船形山。
僕の地図に新しい一本のラインを描き終えた一日となった。


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Commented by くまぷー at 2017-04-09 08:32 x
おはようございます!

写真展ご来場ありがとうございました!

升沢小屋が見える写真の左手上部にみえる白いのはなんでしょう?泉ヶ岳方面のはずですが。山のようにみえますが天気悪化のお知らせサインのときに山頂にかかるときがあるという笠雲でしょうか・・・? それにしては随分大きい・・・!形といい、なんだか雪がついた月山に見えますね!(笑)
Commented by mt1500funagata at 2017-04-09 12:30
> くまぷーさん
僕は森の時間の写真展を毎年楽しみにしているのです。益々良い写真を撮って下さいね。
写真の白いのは、冬の月山のように見えますね!
でも雲です。
by mt1500funagata | 2017-04-08 22:33 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(2)