2017年 04月 08日
船形山 花染山から山頂へ一本のラインを描く
花染山尾根から湯谷地尾根、そして山頂までの一本道。
このルートを思いついてから、登山って言うより僕の船形山の地図に新しい一本のラインを描きたいと思っていた。
旗坂から花染山までの小荒沢林道の歩きはアプローチ。
小荒沢林道を1時間ちょっと歩き、支尾根を登り取り付いた花染山主尾根の東端。
日差しはないが、身体に感じる空気はやはり春なんだなあって思わせる。
山頂の避難小屋が新築されたと同時に僕ら二人は船形連峰御所山連絡協議会から、大和・色麻・加美の三町からの委嘱という形で管理人を引き受けて来た。そして升沢避難小屋については改築計画が持ち上がった当時から再建検討委員の一員に任命され、新築後は山頂小屋と兼任で升沢小屋の管理人を委嘱された。
Kさんは船形山登頂700回を数える。誰よりも多く船形山に登り、誰よりも深く船形山のことを知っている。
この花染山尾根の白い廊下を僕が初めて歩いたのも、Kさんに連れられてきた平成12年4月のことだった。
(旧)ブナの便り 平成12年4月9日
http://funagatayama.web.fc2.com/000409.htm
当時は歩く人は、ほとんどいなかったように思う。Kさんも僕も当たり前だが17歳若い。一緒に書いてる石の堂の磨崖仏もそれが薬師如来であると分っていない当時のことだった。
見通しの利かない花染尾根を歩き切り、三光の宮への尾根との鞍部から湯谷地尾根へ向う道筋ではガスは晴れ、時折薄日も差した。
花染の尾根にはワカンやらスノーシューやら足跡が沢山残っていたけれど、この尾根に足跡はひとつもない。
最初の地図を見れば、誰でもどこを歩いたかはすぐに分るだろう。
僕はブログに詳細なルート図を載せない。なぜならば、ここは「僕のルート」だから。
もし、あなたが同じルートを歩いたとしても上記の地図を参考にあなたが自分で地形図に予定ルートを書き込んだ上で歩いたとしたら、それは、「あなたのルート」となる。
ルート図を載せる意味としては、前人未踏の困難なルートを開拓したときの記録とか、歴史を調べ何度も通い、例えば藩政時代の歴史的な古道を紹介するなど、偉業もしくは文化歴史的に価値のある場合くらいしかないと思っている。
升沢小屋の北に位置する1224mのピーク。
山頂手前の雪原への急な登り辺りから、また回りはガスに包まれて見通しは数十メートル。
どんピシャ。
今日のルートは地形図見てルート探せる人だったら誰でも歩ける。
あとの人がルートを探す楽しみを奪うような事はしないほうが良いし、その楽しみが分からない人は冬のバリルートを歩く資格はない。そして、もし誰かがこのルートをGPS軌跡ですなんて言ってブログとかで得意になって載せたとしたら、船形山に並々ならぬ思い入れを持っている僕らとすれば面白くない。
ほかの山にも、それぞれ同じようにその山に強い思い入れを持っている人っているんじゃないかなあ?ゴミがあれば拾って歩き、藪っぽくなっているところがあれば刈り払いをし、山小屋のトイレの掃除をし、トイレのし尿を担ぎ降ろしたりしているKさんみたいな人が。
だから僕は概要は載せるけどルート図は載せない。ルート図はヤマ●コとか一般登山道の情報共有だけでいいんじゃない?
30年来向き合って来た船形山。
僕の地図に新しい一本のラインを描き終えた一日となった。
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写真展ご来場ありがとうございました!
升沢小屋が見える写真の左手上部にみえる白いのはなんでしょう?泉ヶ岳方面のはずですが。山のようにみえますが天気悪化のお知らせサインのときに山頂にかかるときがあるという笠雲でしょうか・・・? それにしては随分大きい・・・!形といい、なんだか雪がついた月山に見えますね!(笑)