厳冬の升沢小屋、星と早朝の蛇ケ岳

山と雪の声が聞きたくて・・・

2015年の最後の朝を船形山の山中で迎えたかった。
山頂ではない。山頂にいたら朝の船形山を眺めることが出来ないから。
と言う訳で、升沢小屋に泊まるべく冬山宿泊装備一式を担いで船形山へと向かった。
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出発時間が遅かったので、三光の宮までは先行者10人と2匹によって、まるで整地されているような立派なトレースが出来上がっていた。
今年は積雪量が例年より遥かに少ないのだけれど、三光の宮から升沢小屋までの間は一人ラッセルに苦労した。
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瓶石沢も渡れるところは一本橋のようになっていて、崩れやしないかとすこし緊張した。
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無積雪期なら1時間もかからない行程に2時間40分を要し16時に升沢小屋に到着。少ない積雪で簡単に扉は開くことができた。
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天井が高く寒い升沢小屋で冬の夜を快適に過ごすための重要アイテム。今回は快適性を高める為にテントを背負って来た。

外は重い曇天、17時を過ぎた頃には真っ暗闇になった。
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風はなくほとんど音のない一人の時間をバーボン飲みながら小屋ノートと星野道夫の本を読んで過ごす。

深夜、寒さで目を覚ましたら小屋の窓から僅かな明りが入って来ていた。
外に出てみれば月明かりに雪面とブナ林が妖しく浮かび上がっていた。
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月の明かりに雪の結晶が輝いている。こんな夜はノウサギたちが雪面を駆け回っているのだろうけど、その音は全く聞こえない。
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鐘の向こうにオリオン座。
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反対側のブナの向こうには北斗七星(おおぐま座)が浮かんでいた。

凍り付いて開きにくくなっていた窓を開けてみれば
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オリオン座のとなりに牡牛座。
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すばる、ベルセウス座、カシオペヤ座も見ることが出来た。
深夜に起こしてくれた寒気のおかげで、一人で過ごす冬の山小屋の夜はとっても素敵な夜になった。

大晦日の早朝、蛇ケ岳へ向かった。
昨日は全くなかったノウサギの足跡がいたるところにある。やっぱりウサギは月見て跳ねるんだね。
船形連峰のモルゲンロートの中にひとつの点として僕の存在を感じたかったのだけれど、東の空は雲に覆われていて僕の想いは叶えることはできなかった。
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風も音も色もない。まるで別な星に来たみたいな感覚で歩き、途中何度も何度も船形山を振り返りながら蛇ケ岳へ向かう。
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少し日が高くなってきた頃、僅かな雲の切れ間から陽が差し込み薬師森の雪壁が白く輝き山頂にも薄日が射した。
朝日に輝く船形山を見ることは出来なかったけれど、神々しい船形連峰の姿は心に感じるものがあった。

そしてほんの僅かな時間だけ僕のところにも雲のすき間から陽が差し込んで来た。
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この日この時、船形連峰の稜線を眺めていたあなたは陽の当たる蛇ケ岳の近くに点となっていた僕の存在を感じてくれただろうか。

♪ 雪の声よ 風の声よ 空の声よ 太陽の声よ
    川の声よ 山の声よ 僕の声を 乗せて行け  ♪

2016年、皆様にとって良い一年であることを願っています。



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Commented by Aーこ at 2016-01-05 22:58 x
素敵なハガキの出処みつけました。
ラッセルは大変そうでしたが素敵な年明けと星空でしたね。
さすがです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
まずは恒例の。。。。。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
Commented by mt1500funagata at 2016-01-07 01:22
> Aーこさん
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
そーそー 年のはじめは恒例の・・・楽しみにしていてくださいね!
Commented by 水戸かわせみ山岳会 at 2016-01-31 23:17 x
水戸かわせみ山岳会です。コメントありがとうございました。升沢小屋までの様子が見られて良かったです。私たちも小屋まで行きたかった。行きたかった。また、チャレンジしたいとお見ます。偶然に会いましょう。
by mt1500funagata | 2016-01-01 10:15 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(3)