船形山に蝦夷春蝉が鳴く季節がやって来た。
c0294658_21504601.jpg
大和町からの升沢コースの船形山山開きは、来週5月28日に行われる。
以前は船形連峰御所山連絡協議会に加盟する3市3町による合同山開きが6月第一週目の日曜日に大々的に開催され、前夜祭なども行われた所謂お祭りだったけれど、今は地元の船形山岳会を中心として、升沢コース独自でこじんまりと行われる。
c0294658_21510359.jpg
僕も当時は大和町グループの班長などを委託されて、お祭りに参加していたものだった。一般参加者50名、それに町職員・山遭協・警察など80人以上が一斉に升沢コースを登る。それが6市町、合計500名前後が船形山頂に集結した。
c0294658_22213819.jpg
     (平成13年6月3日 合同山開き大和コース集合写真)

山頂では神事が執り行われ、500名が一斉に昼食休憩となり楽しい一日を過ごした記憶がある。しかし、山頂に一気に大勢の登山者が集結することは、実はとんでもない自然破壊となっていた。当時この時期は山頂のミヤマキンバイの最盛期。
年を追うごとにミヤマキンバイやミヤマシオガマは激減して行ったのである。
今の山頂からは想像できないほどのお花畑が広がっていた。

蝦夷春蝉の抜け殻と鳴き声を聞くと思い出す合同山開き。
やっぱり山は静かに楽しむものなのでしょうね。

蝦夷春蝉の抜け殻を見つけたら、今度は足下に目を向ける。

すぐに見つかった。
c0294658_22444679.jpg
オトシブミ。
ゾウムシの一種である小さな昆虫の卵が入った「ゆりかご」。
卵を産みつけた木の葉を丁寧に包み、卵を守り孵化した幼虫の食料とする。

僕は、この「オトシブミ」を見るたびに二つの事に感動する。
一つは、指の先よりも小さな昆虫の遺伝子に伝わる卵を守る知恵と葉を包む技術。
真似しようたって出来やしない。
木の葉でこんな芸術品のような入れ物を作ること、人間は指先ほどの昆虫に勝ることが出来ない。山開きと称して大勢で自然破壊をしてきた僕を含めた人間の傲慢さを知る。
c0294658_22573485.jpg
もう一つは、これを見て「オトシブミ(落とし文)」と名づけた先人のセンス。
「オトシブミ」には「落とし文」以上の名前は付けられないと思う。

c0294658_23045082.jpg
青空と新緑と残雪。
毎年同じ場所で写真を撮り「イイなあ~」って思う。何年経っても「イイなあ~」って思い続けることだろう。

三光の宮から先は残雪と夏道が交互の道となった。

瓶石沢を渡るあたりで、ふと空を見上げると・・・
c0294658_23151979.jpg
彩雲が浮かんでいた。

c0294658_23184043.jpg
 駆け上がる緑。

c0294658_23223212.jpg
船形山山頂にも初夏がやってきた。


-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-20 23:28 | 船形山界隈 | Trackback | Comments(0)

ブナの会で後白鬚山へ

船形山のブナを守る会、新緑のブナ観察会で後白鬚山へ
c0294658_21245962.jpg
小雨模様の天気の中、19名の会員が参加した。
こんな日は新緑のブナの森を歩き回るのにはうってつけだ。

c0294658_21302530.jpg
ブナの森は、雨が降るととりわけ生き生きとして鮮やかに美しくなる。

c0294658_21410878.jpg
ブナの葉は表面の細かな産毛に微小な水滴を貯えて、それが気化して霧になり薄い銀色のレースを纏ったような幻想的な風景を描き出す。

c0294658_21481083.jpg
そして、タムシバはそのとがった花びらの先から水晶のようなしずくをしたたらせる。

こんな良い天気の日に森へ行かないのはもったいない。

c0294658_21524988.jpg
夏道を少し外して雪堤に乗る。

後白鬚山から南へ伸びる、この尾根を歩くことが今日の目的。
ブナの会は山岳会ではないので、登山よりブナの森を「見る」こと「感じる」ことが大切なのである。

今日のチーフリーダーは「仙台のブナ林と水・自然を守る会」のSさん。

今はこうしてブナの観察会でゆっくりブナを見ながらの山歩きが出来るけれど、昭和の終わり頃から平成の初め頃までは、Sさんたちにとってここは戦いの場であった。

昭和35年頃から始まった「拡大造林計画」は後白鬚山も例外ではなく大規模伐採とスギの造林が大々的に行われ、造林地ではササを枯らすために大量の除草剤が散布された。
c0294658_22150944.jpg
仙台市の水源、大倉ダム上流である後白鬚山周辺でのデゾレート散布は5年間で1万6千キログラム。ダムの水源はベトナム戦争の枯れ葉作戦で使用された塩素系化合物、ダイオキシン発生の恐れがある除草剤で汚染されていたのである。

後白鬚山の南西斜面に当たる赤倉沢では、1995年9月土石流が「災害から国土を守る」はずの砂防ダムをジャンプ台として、赤倉橋を破壊した。
c0294658_22280669.jpg
破壊された橋は現在も下流700mの大倉沢に巨大な鉄くずとなって放置されている。
山地崩壊の要因は①ブナ伐採による保水力の低下②砂防ダム建設による地下水位の上昇③林道工事による山腹崩壊、などである。

c0294658_22385960.jpg
インターネットのブログやヤマ●コなどで後白鬚山やこの尾根の情報が多く見ることが出来るけれど、一時は絶滅の危機に瀕していたという過去、このブナ林を守りたいと熱く想っていた人たちがいたことに触れているものはほとんどない。

仙台ブナの会のリーダーで信頼の厚かった元国会議員のSさん、地道に通信を発行していた事務局長のAさん、もうこの世の人ではない。
忘れてはいけない。
こんな人たちがこの後白鬚山のブナの森を守ろうとしていたことを。

だから、当時若手として活動していたSさんこそが今日の観察会のリーダーに相応しい。

c0294658_22552222.jpg

広い雪堤の尾根は白くかすんだガスに行く先が覆われて、どこまでも続く回廊のように思えた。

c0294658_22545976.jpg
昨年、一昨年と僕らがテント泊した辺りの雪堤も例年以上の残雪量で高い雪の崖のようになっていた。


=========

関連記事:「後白鬚山のブナ林で・・・」(2015年5月)
http://bunatayori.exblog.jp/24036821/

関連記事:「後白鬚山のブナに抱かれて」(2016年5月)
http://bunatayori.exblog.jp/25566189/




-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-14 23:15 | ブナの会行事 | Trackback | Comments(0)

5月12日夕方、「FNN仙台放送みんなのニュース」の中で、嘉太神のミズバショウを喰うツキノワグマが放映されました。
c0294658_22024237.jpg
ミヤテレ、NHKに続き3局目で、このツキノワグマもすっかり有名熊になりました。全国ネットのメジャーデビューもそろそろでしょうか?

と言うわけで、テレビの放映も一段落ついたのでオリジナル版の公開です。
先の記事で書いたとおり、ここ嘉太神のミズバショウ群生地に冬眠明けのツキノワグマが毎年現れることは、長年の観察で知っていたのです。

関連記事:「ツキノワグマがミズバショウを喰いに来た」
http://bunatayori.exblog.jp/26581660/

来るのがわかっていて見ることが出来ないのは悔しい。
どーしても見たい!

知り合いのツキノワグマ研究者から野生動物監視用センサーカメラは、驚くような高額なものではないと聞き、早速購入して3月18日から例年特に良く食われている場所での監視を開始した。
c0294658_22163898.jpg
喰いに来るのは3月末から4月初旬と言うことはわかっていたけれど、ミズバショウが蕾の時なのか?花が咲いてからなのか?とか分らない部分を解明したかった。

ツキノワグマが現れる前には、ほかの動物たちが記録されていた。

リス(3月19日)イノシシ①(3月21日)ウサギ(3月30日)イノシシ②(4月1日)イノシシ③(4月3日)
(20秒×5ファイルを1分6秒に編集)


そして4月14日の朝、何度目かの点検に行った朝、ミズバショウは喰い散らかされていた。
ヤツは現れた!
でも、木にバンドで取り付けていた筈のカメラがない!
こりゃ~盗まれたな・・・と思った。
近づくと木の下にカメラが落っこちていた。
c0294658_22321160.jpg
この時点では何故カメラが落ちたのか?分らなかった。
すぐにその場でモニターチェックした僕は身体が震えた。

これほど上手く撮影できているとは思ってもいなかったのだ。
しかも明るい時間帯でカラー撮影できていたのだからなおさらだ。

それでは、オリジナル版を御覧下さい。

ミズバショウを喰うツキノワグマ (2分47秒)
4月10日16:55~、11日10:41~


美味そうに喰ってるように見えませんか?
冬眠(正確には冬ごもり)明けに腸内に溜まった宿便を出す為に下剤代わりに喰うものだと言われていて、僕もそう思っていた。
でも、違うんじゃないかなあ?美味そうに喰ってるよ!

近くには糞があったけれど、きれいな薄緑色でミズバショウだけの排泄で宿便みたいなものは混ざっていない。
c0294658_23032405.jpg
10日と下の14日、16日のクマは別個体だと思うけれど、14日と16日は同一個体だと思われる。エサとして喰ってるから何回も喰いにくるのではないだろうか?

尾瀬とかでも大きくなったミズバショウの実を喰いに来るツキノワグマは有名だし、youtubeにもアップされている。やっぱ、下剤としてって言うのは違うと思う。(専門家の方からコメントもらえないかなあ?)


SDカードと電池を交換し、カメラの位置を少し変えて監視を続けていたら、今度は夜に喰いに来たツキノワグマが記録されていた。
10日に記録されたクマとは別個体だと思う。


ミズバショウを喰うツキノワグマ② (1分23秒)
4月14日18:52~、22:27~



ミズバショウを喰うツキノワグマ③ (1分44秒)
4月16日21:39~



センサーカメラ・・・またひとつ面白い道具を手に入れた。

次回動画予告:「見えざる野生!カモシカの死体消失前後24時間」
乞うご期待!


-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-12 23:16 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(2)

船形山のツキノワグマが今度はNHKのテレビ出演!
c0294658_05351892.jpg
5月9日、NHKローカル番組「てれまさむね」のワンコーナーで、僕が撮影したミズバショウを喰いに来たツキノワグマやカモシカの死体を持ち去ったツキノワグマが取り上げられました。
僕も少し映っています。

放送予定をお知らせすることが間に合いませんでしたが、便利な世の中になったものです。

NHK NEWS WEB↓↓↓から視聴することが出来ます。

http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20170509/5988981.html

関連記事:「船形山麓 愛でる自然・見えざる野生」
http://bunatayori.exblog.jp/26606142/

テレビ放送の予定があったので、ミズバショウを喰うクマやカモシカの死体を持ち去るクマのオリジナル動画の公開を控えていましたが、これで公開可能となりました。準備しますので、乞うご期待!

======
先月放送されたミヤテレの映像は↓こちら↓(PCのみ、スマホNG?)
http://www.mmt-tv.co.jp/cgi-bin/news/news.cgi?movie=news_23275731.wvx



-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-10 05:13 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(0)

青空とタラの芽

今の季節、僕はほぼ毎日午前4時には目が覚める。
帰宅してから就寝までの時間より、起きてから出勤時間までのほうが自由に使える時間があったりする。

今日もイイ朝だ。
タラの芽でも採って来っかなーって家を出る。
c0294658_11071802.jpg
家から車で15分。
タラの木の林は青空の下で白く輝き、ほーら食べ頃の芽はここにあるよーって言ってた。

c0294658_11074003.jpg
これは採らない。

c0294658_11080804.jpg
採るのはこちら。

c0294658_11082858.jpg
採ったあと、こうなる。
二股の枝に三つの芽があったら、その一つだけを採る。

多く採る必要はない。今晩、家族が食べられる分だけでいい。

c0294658_11063732.jpg
山菜、キノコ・・・僕は他人にあげない。採ってきてあげるって事はしない。
イワナもそうだ。

家族が食べる分だけ。
「採ってきてよ」って言う人には、一緒に行きましょうって答えるようにしている。

c0294658_11090859.jpg
朝メシ前の山菜採り。
こんだけあれば充分でしょ!

-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-09 22:26 | Trackback | Comments(0)

船形山麓、学術的にも珍しいと言われる標高100m前後にあるブナ林。
c0294658_22480140.jpg
僕は「幻のブナ林」と呼んでいる。

関連記事:「幻のブナ林でテンの声を聞く」
http://bunatayori.exblog.jp/25553719/

新緑の頃、僕は決まってこの場所を訪れる。
c0294658_22583093.jpg
国有林でありながら森林管理署ですら知らなかった、杉の造林地の中に取り残された幻のブナ林。僕は森林管理署にこの森の保存を求める要望書を提出している。

僕のとっても好きな場所。

昨日までは県外の山にいた。

こんな素敵な山小屋に泊まって残雪の山を縦走するのはもちろん楽しい。
c0294658_23071211.jpg
暖かい雪山って僕の理想とするところだ。
c0294658_23113893.jpg
初日は初夏のような気温で雪の上で裸になっても寒くないつーか気持ちイイ!
このまま、ここに留まって北欧のバカンスを気取るのも頭を過ぎったけれど、翌日は連休中唯一の悪天。

バカンスを楽しめるような天候じゃなかった。
晴天ばかりが天気じゃないよ!雨も天気のうち、ガスも天気のうちなのである。

稜線へと向かった。

c0294658_23132212.jpg
雪の斜面に取り付き、
c0294658_23164896.jpg
岩稜を歩き、これより先は展望の利かないガスと雨の中を歩き続けた。
初めて歩くルートで視界も利かなかったけれど、前日にスライドしたパーティーの僅かな踏み跡は助かった。降り続く雨で踏み跡が分らなくなってからは、自分のルーファイに頼るほかない。大回りする夏道を大幅にショートカットして、ドンピシャ!地元の登山者が利用していると思われる冬道の起点らしい場所へ、最後少しだけの藪コギで到着した。
展望を楽しむだけが登山じゃない。ルートファインディングそのものを楽しむ登山もありだ。

県外の山から帰って来たと言っても、自宅に帰ることが僕にとっての「帰る」ではない。
船形山のブナに「ただいま」することが「帰る」ことなのだ。

c0294658_23194716.jpg
この森で初めてウラシマソウを見つけた。

c0294658_23371345.jpg
お気に入りの森でコーヒーを飲み一袋分だけ山菜を摘んで、大型連休の最後を僕の好きな場所、幻のブナ林で締めくくった。


===おまけ===

山岳ドキュメンタリー映画「メルー」の中で、絶壁に吊るしたテントで3人のクライマーが食べていた「クスクス」。僕はどんな食べ物か知らなかった。どーにも気になってしょうがなかったので、山小屋で食ってみた。
c0294658_23441090.jpg
ハンバーグが乗っているのは米じゃあありません「クスクス」。
山メシに使えます!
米粒よりも小さいパスタ、コッヘルでお湯で戻すだけ、アルファ米より簡単で早い。米を炊いた後と違ってコッヘルにこびりつかないので、後始末も簡単。凍らせても温めなおすだけで食べられる。
お腹の中でも膨れるのか?100gで満腹感ハンパないです!
ジミーが「couscous everyday!」って言ってた深い意味が分った。

参考サイト:「クスクスってどんな食べもの」
https://allabout.co.jp/gm/gc/224738/


-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-07 22:46 | Trackback | Comments(2)

かつてマタギをはじめとする山棲みの人々が行っていた滝の上流にイワナを放し繁殖させて自分達の食料を確保する、イワナの源頭放流。

僕も20年近く前に下流部で釣ったイワナを源頭に持ち上げて放流し、その後も何度か繰り返していた船形山山麓のとある沢。
c0294658_22424222.jpg
ミズバショウの群生地を越えて沢に向う。
遠くから聞こえる鳥の声はツツドリ。早春の花と初夏の鳥がコラボする。

c0294658_22455728.jpg
青空の下の新緑が眩しい。
c0294658_22471486.jpg
標高500mにも満たないところだけれど、沢には左岸の崖から雪崩た雪塊が残っていた。

c0294658_22534334.jpg
一昨年の洪水と昨年の台風での大水で渓相は大分変わってしまったけれど、イワナは逞しく生息している。

c0294658_23020641.jpg
地図に載らない、3段20mの滝。
=====
滝とは、流水が急激に落下する場所をいいます。ふつうは高さが5m以上で、いつも水が流れている有名な滝や好目標となる滝を表示しています。(国土地理院HPより)
=====
有名ではない、って言うか知ってる人ほとんどいないし、好目標ではない、って言うか来る人ほとんどいないし。地形図に載せる必要ねーし!ってことなんでしょ。

ちなみに、沢ヤさんにとって有名な「横川大滝」や「鎧滝」も地形図に表示はない。有名の定義ってなんだ?

c0294658_23195814.jpg
滝の上流は一転して穏やかな渓相。

自然の力で渓相が変わるのは仕方がないことで、その渓に棲むイワナは逞しく生き続ける。でも、人工的な力で渓相を変えてしまったら、イワナは生きて行けない。

清らかな水の流れがいつまでも続きますよーに!

c0294658_23281320.jpg
釣れたての天然イワナの塩焼きがいつまでも食べられますよーに!


-

[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-03 23:32 | イワナ&沢 | Trackback | Comments(4)

アナグマのポートレート

無駄に早起きした新緑の季節の早朝は、森を歩き回るのにはうってつけだと、いつも僕は思っている。
c0294658_22374720.jpg
七つ森辺りの森も生まれたての緑が瑞々しく輝き美しくなる。

日の出の時間が早くなって、午前4時を過ぎれば窓から見える空は薄く青味がかり、刻一刻とその青は深みを増してくる。
そんな空を窓際で眺めていれば、じっとしていられなくなる。

森へ行ってみよう。ツキノワグマやカモシカと会えるかもしれない。

僕はそう思うとジャケットを羽織り、なにか楽しい出会いがありそうな期待に胸を膨らませてジムニーのエンジンをかける。

c0294658_22543580.jpg
アナグマと会った。
彼は(たぶん若いオス)道路わきの側溝から顔を出し、僕の運転するジムニーが近づいて来るのを見ていた。
c0294658_23053574.jpg
車が止まったのを見て、アナグマの彼は歩き始めた。走って逃げるようなことはなく、後ろから僕がソロソロと付いて来るのを気にしていないのか、時たま下半身を地面にこすり付けて臭い付けをしながら歩いている。

50m近く一緒に歩いただろうか?短い時間だったけれど、一定の距離を保ちながら僕らは同じ道を歩いた。

彼は森へ帰る間際にポートレートを撮影するのにちょうどいい場所で僕をちらりと見て立ち止まりポーズを取った。
c0294658_23105367.jpg
 5mも離れていない。

一昨日は山の上から見渡す森に住まう動物たちの姿を想像していたけれど、今朝は森に住まう動物と同じ場所で同じ時間を共有した。

c0294658_23175417.jpg
山や森、僕ら里に住むニンゲンにとっては、いくら山が好き森が好きって言ってもレジャーの場でしかない。彼らはここで生きている。
僅かな時間でも同じ場所で同じ空気で呼吸をすると、つくづくそう思えてくる。




[PR]
# by mt1500funagata | 2017-05-02 23:32 | 野生動物との出会い | Trackback | Comments(0)